見出し画像

酢飯にマヨネーズは最高

読んでいてワクワクした。
陸上寿司ってネーミング、凄くかっこいい。
なんだか、険しい道を乗り越えてどこにでも走って行けそうな名前だ。(完全に「陸上競技」を連想している)

私は20歳になるまで、魚介類がほとんど食べられなかった。

なまものは一切ダメ。加熱し魚介類もあまり好きではなく、給食に出た焼き魚は仕方がないので肉だと思い込んで頑張って食べていた。

家族で回転寿司に行ったときは玉子、いなり、ツナ、コーン、ハンバーグ、デザートを頼んでいた。

当時は陸上寿司の種類も今ほど多くはなかったと思う。
おまけに、魚介類だけでなく納豆やきゅうりも食べられなかった偏食な子どもだったので巻物も無理(納豆に限らず、糸引く系は今でも食べられない)。

食べられる種類が少なく、お腹を満たすためにデザートを2皿(確かケーキとプリン)食べて、人生最大の腹痛に見舞われた7歳のあの日の苦痛は、20年経った今でも鮮明に覚えている。

私の兄は回転寿司が好きで、何皿食べた!と父に挑んでみたり、サビ抜きを卒業した!だの、ザ⭐︎回転寿司にふさわしい子どもだった。

大腹痛事件はあったものの、私は回転寿司は嫌いじゃなかった。玉子もツナも、毎回飽きることはなかった。
(当時はツナがまぐろだと知らなかったので、陸上寿司ということにしておいてほしい)

だが、両親は私を回転寿司に連れて行くことに気が引けていたのではないだろうか。
全品一皿100円なのに、割と原価が安そうなものばかり食べる子どもだ。そして、大腹痛事件というトラウマを抱えた子どもである。

いつの間にか回転寿司に行くことはほとんどなくなり、家で手巻き寿司をやることが多かった。

手巻き寿司のときは、ツナマヨやコーンマヨ、カニカマは必須で、さらに私のために、別におかずが用意された。

時は流れ大学生になり、友達と回転寿司に行ったとき、陸上寿司の進化に驚いた。種類が増えている!
子どものときにここに来ていたら、もっと幸せだったはずだ。
と、感動したのも束の間。

「寿司食べてないじゃん!」と友達に笑われた。
うるさい、好きにさせろ。私の感動を邪魔しないでほしい。
むしろ、陸上寿司の素晴らしさを知らないほうが笑い者だ。

そして、私の転機となった20歳のあの日。
私は友人と、山形県に自動車免許合宿に行った。
そこは海沿いの地域だったので、2週間の合宿期間で二度、昼食が海鮮丼だった。

「スペシャルデー★」的なかんじだったが、私にとっては拷問デーである。

でも、それしか食べるものがない。
慣れない運転と、何もしていないのになぜか体力を奪われる座学により、お腹はぺこぺこだった。
仕方がないので海鮮丼をちまちま口に運んだ。

「あれ?なんだか食べられちゃうじゃん??」

奇跡の完食だった。


それから私は徐々に魚介類嫌いを克服し、海中寿司にも手を伸ばすようになった。

それでも私は回転寿司のメニューを見ると、陸上寿司をチェックしてしまう。
なんせ、私の原点である。

陸上寿司は素晴らしい。豊富なメニューは、私のような人間も「ここにいていいんだよ」と歓迎してくれているように思える。

また家族で回転寿司に行きたいなあ。
海中寿司もドヤ顔で食べながら、当時は参戦できなかった、「何皿食べたか勝負」を兄に挑みたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?