【自己紹介】すーの不妊治療体験記①
はじめに
皆さんはじめまして、すーです。
私は脊髄損傷で車いすユーザーの夫と2022年に結婚し、2024年現在、不妊治療中です。
今後は、不妊治療についての私の経験や思いを連載してまいります。
不妊治療に挑む
私たちの場合は、夫の怪我による射精障害のため不妊治療に挑みました。
出会ったときには既に受傷後で、脊髄損傷者の車いすユーザーでした。
思い返すと、夫と出会って脊髄損傷者の身体の機能を調べていた時に、男性不妊の症状を抱えている場合があることをネットで知りました。
それとなく夫に尋ねると、夫の場合は将来子どもを持つために、体外授精(顕微授精)の不妊治療が必須になるということでした。
また、勃起・射精障害のため性交渉も難しいこと、体外授精を行う前にTESE(精巣を切って精子を取り出す手術)を行って精子の運動率や状態の良し悪しを調べる必要があることも聞きました。
それらを理解、というよりも心づもりをしてお付き合い・結婚をして現在に至りますが、話に聞くのと、実際に自分達が「いざ治療を受ける」時とでは全然心持ちが違ったのも事実です。
不妊治療を理解することと、周囲の環境とのギャップに悩む
また、不妊治療は性的な内容を含むこと、なかなか身近な人に相談できないこと、不妊治療に挑んでいる人同士でも話にくい環境であったりするので、実体験をリアルに知れる場面が少ない現状です。
特に、脊髄損傷者の男性不妊の情報となると、男性側からの発信は見受けられるものの、そのパートナーである女性側からの発信が極端に少ないなと感じています。
女性側としては、不妊の原因や身体の状態を問わず不妊治療を行っているカップルの情報を得ることで、なんとなくイメージをつかめることはできるのですが、心理的な状態が少し違うなと思うこともありました。
忖度なし、配慮なし、私のリアルな経験をお届けしたい
また、私の長年の友人が培養土をしていることもあって、夫と付き合う以前から不妊治療・妊娠出産や日本の性教育について2人で
「日本では“リアルさ”が欠けた情報が多いよね。本音と建前の、建前が横行していて本質的な部分が理解されていなかったり、どこかファンタジーっぽくなったり、見えない何かに配慮した結果リアルな部分が隠れてしまう節がある。それは本当に“情報”としていいものなのか。いっそ何も恥ずかしがることも遠慮することもなく、情報を開示して幼い時から教育していくことが必要なんじゃないかのう…」
みたいな会話を延々と繰り広げることが幾度となくありました。
その友人には、私の採卵体験を余すことなくリアルにお伝えしたばかりです。
私は採卵後の経験(というかホルモンバランスの乱れ)が壮絶だったのですが、培養土である彼女でもなかなか知ることのない採卵後の世界が知れて喜んでいました。
そんなこともあり、これ以降私の連載ではリアルな心の声を多めにお送りしたいと思っています。
お金のことや制度のこと、治療方法はその時代において変化していきますが、人の心情はなかなか変わらない部分なのかな、と思います。
(その代わり、個人差がありますが。)
脊髄損傷の男性不妊の不妊治療を体験した、一個人の体験記として読んでいただければと思います。
読者の皆様へ
まずは謝罪からスタート
リアルな声は耳が痛いな…と思う男性の方、先に謝ります。ごめんなさい。でも、薄目でぜひ読んでください。男性を責めているわけではないのです。
怒っているわけでもないのです。
ただ、女性の覚悟を知ってほしいと思っているだけなのです。
文字通り、人生の転換期を体当たりで挑んでいる姿を労わってください。(私信)
不妊治療の末、無事子どもが産まれたら、ノンストップで子育てが始まります。
不妊治療・妊娠生活・出産・育児と女性はホルモンバランスのジェットコースターに揺さぶられながら降りられないのです。
降りられない覚悟の上、それでも必死にしがみついて先に進んでいきます。それは正直、愛情以外の何ものでもないと思いませんか?(私信)
もちろん、揺さぶりがすごすぎたり、途中で進めなくなってリタイアすることを決めるカップルもいるかと思います。
それを決めることもまた、非常に覚悟がいることですし、お互いが思いやりを持った結果だとしたら、それも素晴らしい愛情と決断だと思います。
私の心の声は私だけのものですが、もしも共感される方がいたらぜひ一緒に笑ってください。モヤモヤは笑って昇華しましょう。
いや、昇華させてください、お願いします!!
治療方法に対する私のスタンスについて
一点だけ先にご了承いただきたいのですが、不妊治療に対して「治療方法はサラッとしか調べない」ことが私のスタンスでした。
なので、自分が未経験の治療方法に関しての発信はほとんど出来ないかもしれません。
そこは他の連載担当者にお任せします!!!!!(他力本願すぎる)
これには明確な理由があって、私が一度調べたらとことん調べないと気が済まないタイプだからです。
治療方法や自分の体の状態など、知れば知るほど一喜一憂したり、いろんな情報に振り回されそうだったので、そこはあえて情報をシャットアウトしていました。
クリニック側からの説明を受けて不明点があれば、その都度直接医師に確認することにしていました。
なので、医療情報の提供というよりは、エッセイに近い連載になるかと思います。
肩ひじ張らず、移動の片手間にでも一読して頂ければ幸いです。
では、また次回お会いいたしましょう。
【次回予定】夫との出会い・不妊治療に対する気持ちの変化
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