記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

OMORIコミカライズ感想

自分はOMORIというゲームが大好きです。

サニーと同じ目線で愛と恐怖を体験し、
奇妙で美しい音楽で感傷的になり、
プレイヤーに委ねられたルート分岐は、
ゲームでしか表現できない物語だと感じました。

コミカライズはどうだろう?
ゲーム版ではやらなかったその時の素直な感想を残しておきたくて、今回筆を執りました。
人によって合う合わないの部分もあるかと思いますが、個人の感想ということでご容赦いただければ幸いです。
またゲームのネタバレや今後の展開にもたくさん触れるので未プレイの方はご注意ください。

第1話 愛しい弟へ…

構成の変化について

これは結構変わったとこもありつつ、既プレイヤー向けの仕掛けもあって個人的には良かったです。

ゲーム版ではストーリー上の伏線が扉のシーン以後、バジルがマリの写真を見つけるまでそこそこ空いてしまい遊び手の興味を惹く掴みがちょっと弱いと感じていたのですが、コミカライズでは見開き表紙で顔にノイズをかけたり扉のシーン後に現実のクリスマス会を挿入するなど、読み初めの段階からマリとサニーの間になにかあったことが強く印象付けられていて、物語のフックとなる要素が分かりやすくなっていると思います。

またP144からの現実世界のシーンは忠実に進むと思わせて、ドアをノックするシーンはいきなりケルが来たので良い意味で騙されました。
ヘルマリはP143(狙ってますよね?)に出てきたからね…

1話を現実世界のつらい場面を先に見せてからヘッドスペースに切り替える構成にしたことで、読者も現実から逃避するサニーと同じ目線になってより物語に入り込めるようになっているのかなと思いました。

あくまで想像ですが、自分はコミカライズにあたってよく考えられた構成になっているなと感じています。

キャラクターの描き方の違い

プレイヤーの分身であるゲーム版と異なり、コミカライズのサニーはその役割から離れて1キャラとしての感情表現や内面描写がより豊かになっているなと感じました。

特に印象的だったのはナイフでオーブリーを切りつけるシーン。
ゲーム版だと喧嘩を売ってきた不良に無表情でナイフを突き出すちょっとパスみを感じるシーンだったんですが、(おそらく)オモリが現実に干渉していることとオーブリーとサニーの心情描写も追加されたことでより深刻なシーンとして再構成されていましたね。
何気なく見てたナイフの斬撃エフェクト、傍から見るとあんなことになってるんだ…。

あと強い精神的ショックを受けることでホワイトスペース(ヘッドスペース)に移行できるのって展開の切り替えに便利そうだな…と思いました。

ちょっと気になったのは、オーブリーの今のバイク仲間(キムとか)が背景にも一切出てこなかったところですね。
見た目の変化以上に今と昔のオーブリーの違いを表す要素だと思っていたんですが、確かにサニーたち6人の話をするだけならカットしても支障はないんですよね。今後出てくることはあるのかな…?

ホビーズ店長以外のNPCも描かれていないので、もしかしたら話に絡んでこないキャラは基本出てこないのかもしれません。

今後の予想

現実世界でのナイフの切り付け描写を見て感じたんですが、コミカライズではおそらくマリの件にオモリが関与していたのではないでしょうか?
オモリはサニーの心を守る防衛機関としての役割を持っていて、「あの時」もサニーのために行動を起こしたように描かれるのではないか…と予想しています。

1話の限りだとコミカライズはサニールートで進みそうな雰囲気を感じますが、現実のサニーにオモリが干渉していそうなところはオモリルートを彷彿とさせる要素になっていて、2つのルートが融合していたとしたら面白いなと思います。

個人的にコミカライズにはゲーム版を解釈した独自のストーリー展開を期待しているので今回の1話には満足してます。2話以降も楽しみです。
(2話はイセカイでスペースボーイ船長との出会い⇒現実世界のバジルの家で目覚める、とかになりそうだなー)

(どうでもいい)その他

・コミカライズはとにかく目の描き方が好き。可愛いね
・マリとヒロのクソダサセーターヨシ!
・P140 ここの台詞、現実に言われてたことだとしたらキッツいな…
ケルが可愛すぎてひきこもりに優しいギャルにしか見えない
・P183 オモリの慈愛に満ちた手と安らいでいくサニーの表情が巧い
・P189 オーブリーにこの表情と距離感で詰められるのズルすぎ。脳が壊される
・キャラクター紹介が「ゲーム」っぽくて良い
・P194 初見はここが「オモリ」の初出になるのも上手い構成だなと思う
・本当にマリが可愛くて素敵で、胸が詰まる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?