アニメ 神様になった日感想

「神様になった日」は2020年冬アニメの枠で1クール放送されてたアニメです。
この作品はとある理由から放送前から注目度が高いアニメでした。
それは本作が「charlotte」「Angel Beats!」などの泣ける系アニメを制作した某ゲーム会社のブランド、keyの新作だからです。

key作品は日常を基軸にポップなトーンで話が展開するコメディパートから、急転直下のシリアスパートに突入するジェットコースター的な話の展開が魅力です。
物語後半のシリアスシーンを見ると同時に、物語前半のコメディパートが想起され、その落差に激しく感情を動かされます。

本作「神様になった日」も他聞に漏れず、泣きアニメでした。
そして、アニメファンの間では毎週放送後に、後のシリアス展開に繋がる伏線探し、考察が盛んに行われていました。

本作は全12話中、3分の2が日常パートです。なので、考察アニメファンの中には痺れを切らして、批評をする人もいました。
かくいう私も5話までは追っていたものの、その後はYouTubeの考察や、ネット記事で話の筋を眺める程度になっていました。

そして、いつの間にか終わっていたことに気づき、今日ネット記事で物語のターニングポイントと物語のあらましを確認しました。

そして、これまで目にした考察記事、動画の全てが的外れであることを知って、ストーリー構成の緻密さ、凡人には辿りつかない大胆な展開に感動したのです。

ここまで、一切内容に触れていませんが、「神様になった日」は物語の3分の2を占める、ヒロインの一挙手一投足をすべてフリに使っているため、残りの3分の1で泣けるアニメです。

誇張なしに、ヒロインの一挙手一投足が作品後半の落差を生み出す仕掛けになっています。
このアイデア、構成は、シンプルだけど、物凄い。

作中で一貫として描かれているのは、何気ない一夏の日常です。フリからオチまで全ての人が等しく経験し得るようなことが描かれます。
突飛なファンタジーではない日常を描いた作品だからこそ、小手先や絡め手ではない、心の芯を打つようなメッセージ性があると思いました。

良いアニメや漫画って、鑑賞し終えると一人の人生を追体験した気持ちになって、初めの頃がとても懐かしくなります。
終わりがないものなんてないのですが、終わったという事実がとても悲しくなります。
バッドニュースも多い昨今、人の心を動かすアニメ、漫画ってある意味刹那的ですが、刹那的であるが故にとても良いものだと思うのです。

ではまた。