やる象[自作ショートショート㉞]

「やるぞう。」小さくそう呟いた。そうしたら横にやる象が立っていた。やる象はパオーンといななき、長い鼻を器用に使って僕を背中に乗せてくれた。地平線の向こうまで見えそうな景色が西日に照らされていた。

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第三十四作目。
絵本的世界観シリーズ、シマウマ、ハシビロコウに続き今回は象です。

やる象はあなたの隣にもいます。やる象は向こうの景色を見せてくれますが、目的地まで運んでくれはしません。やる象にできることは向こうの景色をほんの少し見せることだけなのです。
やる象の亜種として、今すぐやる象、明日こそやる象がいます。
やる象は寂れたショッピングセンターの屋上の遊園地にいる象の乗り物が巨大化した見た目をしています。とぼけた顔をしています。

ではまた。

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