見出し画像

女性の左官職人

建設現場で、女性の技能者に出会う機会は稀です。
そんな中でも、運良くたくさんの女性技能者の方々と出会う機会をいただいています。

仕事中という事もあると中々、話しかけるタイミングが無かったりと、、
全ての方と繋がる事は難しいのですが仲良くなり長くお付き合いをさせていただいている方々も多いです。

その中でも、、、、

たまたま同じ中学の2個上の先輩だったり、現場デビューの日に同じ現場だったり、野丁場の現場に新規の現場に入った際に「金曜日トイレ掃除当番だから」と言い去っていった方だったり、同じ現場に入っており話は聞いていたが、一回もお目にかかれずだったりと、、、、

数打てば当たる?様々な左官職人の女性と同じ現場になった経験があります。

左官とは?

左官(さかん)とは、建物土塀などを、こてを使って塗り仕上げる仕事、またそれを専門とする職人のこと。「しゃかん」ともいう[1]。 2020年「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産に登録され、この中に「左官(日本壁)」が含まれている[2]。  Wikipediaより引用

野丁場で多く仕事をする私にとっては、モルタルによる補修や、コンクリート打設の際の均しなどのイメージが強いのですが、

土壁や、洗い出し、タイルを始め左官には様々な工法があるそうです。
タイルって!!??現在は、タイル屋さんと呼ばれるという専門職種により施工される事が多い為、意外すぎてびっくりしました。

ジョリパットという少しおしゃれな壁の仕上げ
実は、塗装の仕事で現在は、左官屋さんが施工する事が多いのと
一緒で、時代によっての需要の変化が起こったことによる事なのかもしれませんね。

ジョリパット事例

ちなみにスポーツ工学の分析では、塗装と左官の動きは一緒だそうです。

話はそれましたが、左官の平均年齢は53歳と大工さんの平均年齢と共に
働く人全体の平均年齢より高く、建設業界でも他の職種に比べて高くなっています。

だからなのかと納得するのですが、
現場で出会う左官=おじいちゃんと、イメージがあります。
技能者の高齢化、後継者不足を指摘される上では左官屋さんは危機的な状況にある!
と言えます。
そんな中でも女性に人気の職種のようで女性技能者が活躍する事業所も
あるようですので、女性が増える事で活性化する事に期待したいですよね。

とはいえ、重い袋に入った材料を運ぶ、練った材料を運ぶことは
男性でも大変な肉体労働でもあるので、どのように分担するのか、解決方法も探っていく事が必要だと言えます。

RC造のマンションの現場入る機会が多いのですが、
最近様子が変わってきている事に気づきました。

・コンクリートの打設の日の均し
・型枠解体後のケレンと補修
・SD枠のトロ詰め
・レベリング、各所調整
・左官内装仕上げ

と左官工事の工程があるように思いますがその細かな分業化が起こっています。過去から、コンクリート打設の日には
「土間屋」と言われる均しを専門に施工されているチームがありましたが

現在は、「補修屋」「トロ詰め屋」とかなり分業されている現象を目にしました。

時代だな、、、と感じたのですが

大工に関しても、宮大工、建具大工、家具大工と分類されている事を考えると少し違うのかもしれませんが、
職種の中により専門性を高める事により効率化を図る事に繋げる事は
人手不足の解消や、職人は全て出来るべきのような
高いハードルを下げる事で、より適材適所にて活躍する事が
認められる世の中になるのではないでしょうか。

現場で働く女性にとっても力仕事はどうしても辛い
就職したての新人にとって、何もかもできるようにならないといけないという考えは先が長く辛い、、、

多能工という、業種間をまたいで技能を習得するような事が進められていますが、工法が複雑になってきた今の時代にあった多能工というものは
もしかしたら、職種の中での、項目のおおい業種に関しては、
より専門性を持つものを増やす事の方が現実的かもしれません。
1つの職種の技能者に求められるハードルが下がり、そこをうまくまとめられる良くできる職長や、番頭が評価され、複数の業種で一つの建物を造る一体感が生まれた時、よりやりがいや楽しさを感じる建設現場になるのではないか。

そんな事を考えています。

そこどいて!今日も一輪車を押して力強く建設現場で働く女性左官の
方々を応援します。

一般社団法人女性技能者協会 石川由希恵