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我が愛しのスパイダーマン 11.ホーム・シリーズ編


 皆さん、こんにちは。プロムとかホームカミングって、そんなに大事なの!? 木賃もくちんふくよし(芸名)です。

 ※ アメリカにおけるプロム(文化祭・学園祭・体育祭を混ぜたような一大イベント)やホームカミング(歓送迎会とお盆を混ぜたような大イベント)はドラマや映画で重要に描かれがち。日本でも学園ドラマの学園祭とかって神格化されるけど、実際はそうでもないやん? って思ってたら、「プロムにパートナーがいないのは社会的な死」って聞かされてびびってる。


 はい。そんな訳で、映画「スパイダーマン / ノーウェイホーム」を観た感想を書きたいけど、何を書いてもネタバレになるので、これまでのスパイダーマンの歴史を独断と偏見で振り返るシリーズも、とうとう大詰め。

 ようやく現行の「ホーム」シリーズにたどり着きました。イェー! ドンドン! パフパフ〜♪

 世界の孫と呼ばれるトム・ホランドを主演に据え、シリーズ1作目が開始!

 とは言いつつも、「シヴィル・ウォー」で既にお披露目を済ませているから、出演作としては2作目と言えなくもない。
 この映画の素晴らしいところは、


 ヒーロー誕生編を
 すっ飛ばした所だ。


 コレね、ワタクシは昔っから、ずーーーーーーーーーっと言ってるんですけど、

 ヒーロー誕生編を
 安易に映画化するのは
 やめておきなさい。


 って事なんですよ。ええ。

 あのね? 日本人にわかりやすく説明しよう。

 ドラえもんの劇場版を観るのに、いちいち何故、ドラえもんが未来から来たのか、どんな能力があるのかって説明が必要ですか? って話なんですよ。
 アンパンマンでも仮面ライダーでもプリキュアでもクレヨンしんちゃんでも何でもいい。それぞれの登場人物の紹介パートが必要ですか?


 (´°Д°)」 いらん!


 スーパーマンもバットマンもスパイダーマンも、


 (´・Д・)」 ヒーローなのは
 みんな知ってるからね?


 無論、馴染みのないヒーローや、その脇役まで知ってる訳じゃない。最低限の説明は必要だろう。しかし、それは多くの映画でも同じこと。

 例えば、刑事モノの映画。

 主人公が刑事になるまでの経緯が大事か?


 そりゃ、その部分が重要な物語もあろうよ。けれど、大半の刑事モノは、主人公は最初から刑事で、刑事になるまでの過程は描かない。そう。必要ないからだ。
 それはヒーロー映画も同じだ。必要ないのである。
 刑事モノで言えば、相棒との会話で「そう言えば先輩は、なんで刑事になったんです?」みたいな会話で「ガキの頃にこんな事件に巻き込まれちまってよ、、、」って会話か、ちょっとした回想だけで充分なのである。
 そう。我々は、


 ヒーロー映画を観に来てるのだ。

 「ヒーローになるまで」映画を
 観に来てる訳じゃないのである。


 せっかく焼肉食い放題コースを選んだのに、肉が出てくるまでに、サラダとナムルとチャプチェとキムチとカクテキとチャンジャとチヂミとトッポギを食い切らないと肉が食えません!ってのは違うだろう?
 無論、前菜が驚くほど美味いケースもある。面白ければ「ヒーローになるまで」を描いてもいいだろう。しかし、何故かアメコミ映画は、


 とにかく誕生編を
 やりたがるのだ。


 (´°Д°)」 肉食わせろよ、肉。


 しかも、事件が発生しない冗長な日常編に尺を割いてしまい、ロクにヒーロー活動せずに敵ボスと戦うことになる。
 主人公の性格なんか、ヒーロー活動の中で見せれば充分なのだ。
 主人公の能力は、敵との戦いの中で見せれば充分なのである。

 それをチンタラチンタラと、たっぷり1時間使ってようやくヒーローになる、、、


 違うでしょ? ねぇ、違うでしょ?


 ワタクシはコレを昔っから、ずーーーーーーーっと言い続けている。


 ※ ちなみにアニメシリーズは、ほとんどの場合で誕生の経緯が描かれない。シリーズが始まった瞬間からヒーロー。見事に真逆。謎である。


 その点で、この「ホームカミング」は最高だった。


 「かくかくしかじかで、大いなる力には大いなる責任が伴うんだよ!」


 ってセリフだけで済ませちゃった。最高だ。手っ取り早い。
 いや、スパイダーマンにとって「ベンおじさんの死」は避けて通れぬエピソードである。しかし、この15年で2回やっちゃったのよ? 2回。

 またこの映画でもベンおじさんを殺すワケ?


 いや、別に「マクベス」や「ハムレット」「リア王」は何度観ても面白い。演者が変わるだけで新たな発見がある。それを否定はしない。
 「寅さん」だってお約束が見たくて、それが楽しみなワケだ。マンネリズムだって肯定する。


 しかし今、皆が求めている新たな「スパイダーマン」はそれじゃないだろう?


 だから、今回はベンおじさんは殺されなくていい。いや、殺されている事実に変わりはないんだけど。
 そうやって誕生編をすっ飛ばしたのは、実に素晴らしい英断だと思う。中途半端に描くより、完全に飛ばした。
 頭は良いけど、ちょっと抜けてて鈍臭い、コミカルさを前面に出したピーター&スパイダーマン。
 それを見せるのにベンおじさんの死はむしろ入れない方がいい。

 という訳で、新たなピーターと新たなスパイダーマンと新たな敵に焦点が当たり、その分だけドラマもアクションも濃密になったし、統一感が出た。
 ノリもアニメシリーズのような軽さがあり、軽さがあるからこそ、重たいドラマが際立つ。実にいい構成だと言える。

 難点はMCUのシリーズを何作か観ていないと、


 (´°Д°)」 誰だコイツ?


 ってなっちゃう所だろう。映画の出来や話のスケールの大きさがちょうど良いだけに、「シヴィル・ウォー」以降のMCUに増す、「これまでのMCU」の知識がないと置いてけぼりになる感は惜しい。

 それは続く「ファー・フロム・ホーム」も同じである。映画の出来が良いだけに、前知識がないと厳しい展開なのは残念で仕方ない。
 まあ、ワタクシ自身は全部観てるから別にいいんだけどね。単体映画としては、ね。

 そして、2作目「ファー・フロム・ホーム」はよもやの展開を迎え、その幕を閉じる。
 そう。スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであると世界中にバレてしまうのだ。

 これは、、、!

 この展開は、、、!?

 やるのか!? アレを!?


 まさか、あの、


 「ワンモア・デイ」をやるのか!?

 題材に「ワンモア・デイ」を選んだのか!?



 (´°Д°)」 、、、




 (´・∀・)」 やれ!

 やってくれ!!



 ワタクシの心は踊った。
 あの悪夢の「ワンモア・デイ」を、今のマーベルの脚本力を持って、


 やり直してくれ!!(´°∀°)」


 コレが、ワタクシの「ノーウェイ・ホーム」に託した願いであった。
 今まで何度も、大人の事情で生かされ、殺された物語やキャラクター。でも、今なら。

 ディズニーの財力と、破竹の勢いのマーベルなら。

 無念のままに消されていった数々の「世界アース」を救ってくれるかも知れない。
 そして、ようやくワタクシは、

 「スパイダーマン / ノーウェイホーム」の前まで来たのである。


 そして、ワタクシは11日間に渡り、これさえ全部読めば「ノーウェイホーム」についていける最低ラインの知識をちりばめておいた。

 ネタバレを避けつつ、必要知識を盛り込みつつ、ワタクシの憤る感情を吐き出す。我が目的の1割は達成された。


 (´・Д・)」 え? 1割ですよ?


 (´°Д°)」 残り9割が、
 ノーウェイホームの感想に
 決まってんだろおぉぉお!?


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 なお、この先は「ノーウェイホーム」というタイトルについて書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。