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星新1


 皆さん、こんにちは。サメもゾンビも大好き、木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。昨日はサメ映画はかくあるべし、というお話をお届けしましたが、とある人から不意に、こんな質問が届きました。


 (´-`)何を求めて
 サメ映画を観るんです?



 (´・Д・)」 哲学的だ。

 実に哲学的な質問だ。



 ワタクシがジョージ・マロリーなら、「そこにサメ映画があるからさ」と答えるかも知れませんが、ワタクシにとってサメ映画、いや、サメ映画やゾンビ映画を代表とするクソ映画の面白さってのは哲学ではない。

 特に文章を書く身としては「筆舌に尽くしがたい」という表現は避けねばならない。

 一体何が面白くてクソ映画を観るのか?



 簡単さ。

 (´・Д・)」 面白いからさ。



 まず最初に断っておくと、ワタクシは映画が大好きだ。何処ぞのロバート・パーカーじゃないけど「全てのワイン映画に敬意を評して50点」というぐらいには、映画が好きなのだ。
 特に、小説などの個人芸術を除く、集団芸術の中では最も普及性が高く、最も完成された形だと考えている。
 だいたい2時間で起承転結の全てを見せてくれるのもいい。

 その上で、クソ映画の何がいいかと言うと、クソじゃない映画の面白さってのを総じて上昇させてくれる。つまり、少々つまらない映画程度なら、


 (´・Д・)」 まぁ、アレに比べたらマシか。


 という気持ちにさせてくれる。

 そして、「よくもこんな酷い映画を作ったな」と言いたくなる酷い映画は、


 (´・Д・)」 映画製作の
 ハードルを下げてくれる。


 ぶっちゃけ、


 (´・Д・)」 コレだったら自分の方が
 マシな映画を撮れるんじゃねーかな?


 と思わせてくれる映画があるってのは大事だ。憧れる、素晴らしい存在だけで志望者が増える訳ではない。コイツ程度でプロを名乗れるなら、自分の方が優れている! そう思わせてくれる存在が必要なのだ。
 それだけじゃない。


 (´・Д・)」 低予算ってこと。


 カツカツの予算内で、どうやって映画を完成させるか。そこに詰まっているのは創意工夫である。予算がないからこそ生まれたアイデアは、予算がある映画に逆輸入されたりもする。
 SF小説で言うなら、星新一的な実験場となるケースもあるのだ。

 そして、そうまでして撮りたい「情熱」の塊を観ることができるのだ。


 (´・Д・)」 情熱と現実と妥協。


 B級映画ってのは夢や情熱で始まり、現実と戦うことで作られ、妥協と手を組んで完成すると思っている。いや、B級に限らず、映画に限らず、多くの仕事ってのはそーゆーモンなのだろう。

 成し遂げたい目標があり、それを現実にすべく様々な壁を乗り越え、壊し、進んでいく。そして何処かで乗り越えられなかった山を迂回し、妥協というゴールにたどり着く。

 その縮図が、人生が、ぎゅうぎゅうに詰まってるのが、クソ映画なんだよ。

 そして、期待値が低い。つまらなくても落胆することが少ない。忍耐力も上がる。だいたい日本じゃ劇場公開されないし、レンタル¥100でしか借りられないから、金銭的にも財布に優しい。
 しかも殆どのクソ映画は90分未満なので、


 (´°Д°)」 時間も無駄にしない。


 (´・Д・)」 いや、してるな。



 ほら。いい事しかない。(時間は無駄にしてます) ワタクシはむしろ何故みんなクソ映画を観ないのか、と問い返したい。SNSのプロフィール欄に、

 「面白くなきことを面白く」


 とか書いてる奴が、クソ映画を観て、ぶちぶちぶちぶち文句をタレてるとか、


 (´°Д°)」 オメーが1番
 面白くねえって気付けよ。


 いいか。クソ映画ってのは健康診断だ。心の健康診断だ。コレを楽しめる事で、


 (´・Д・)」 ああ、まだ大丈夫。


 って思える事が大事なんだ。マジで切羽詰まったら、クソ映画なんか観てられる余裕はないからな。


 クソ映画を楽しめる心と、2時間程度の時間と、レンタル料金程度の小銭。


 コレこそが心の健全を示すバロメータだろ。それが「余裕」って奴だ。生活が苦しくても、クソ映画ぐらい借りられる。時間がなくても、2時間ぐらいは作れる。
 それが健康診断であり、治療薬でもあるんだ。


 (´・Д・)」 毒でもあるけど。


 別に、クソ映画を無理に観ろ、とは思わないし、時間の無駄だと言われればその通りだ。

 なお、ワタクシは「〇〇が嫌いだなんて、人生の半分は損してる」って表現があまり好きではない。
 確かに、クソ映画を観てる時間だけ、人生を損してる気がしなくもないが、ワタクシは正直、「クソ映画を楽しめないなんて、人生を損してるね」と思ってしまうのだ。

 高杉晋作の残した「面白くなきことを面白く」には続きがある。

 「すみなしものは心なりけり」


 面白くない事を面白くするのは、心ひとつなのだ。
 別にクソ映画を観ろって事じゃない。何に関しても、単に、「つまんねえ」と文句を垂れるより、不満を口にするより、不平を嘆くより、


 (^ω^) この映画、クソだったねぇ〜!


 でも、あのシーンだけは爆笑できたよな!


 って人生の方がお得で充実してると思うんですよね。

 だから、Googleレビューとかで、クソ映画に星☆1とか付けて、コメントで文句を言ってる人を見ると、


 (´・Д・)」 センスと
 余裕のねえ野郎だな。


 と思ってしまうのである。

 まあ、そんなワタクシでも愛せなかった訳だが、

 (´・∀・)」 BAD CGI シャークは。


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、いつの日か持てる力と知識を総動員して、クソ映画を撮りたいと思っていますので、投げ銭(¥100)ください。
 なお、この先にはBAD CGI シャークの感想の続きが書かれている。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。