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年の瀬、いろいろ読書に決着がつく

なんか自分の中で、読書の決着がつき、ほっとしている。
宿題を来年に残さず、いい年が迎えられそうだ。
郡司ペギオ幸夫『創造性はどこからやってくるか』読書会もあと二回、気分的には落ち穂拾いである。
『ジャック・デリダ「差延」を読む』も、現前性とはアウラのことであり、アウラの喪失が差延である、ことを確信できたので、とりあえず本を閉じる。

デリダによれば、伝統西洋哲学は真理を現前性(いま、主体の目の前に、ありありと何かが「対象」として存在していること)から判断している。現前性は、第一に「現在」にあること(時間的規定)、第二にそれが「対象」として眼前にあること(空間的規定)を意味する。たとえばデカルトは「明断かつ判明」、つまり一目で真だとわかるものこそが真理だとしたが、それはまさに「現前性」という基準に頼っているわけだ。デリダによれば、哲学あるいは「形而上学」とは、そもそもこの現前性という判断基準に依拠し、その価値によって序列を形成するものである。「形而上学」は、「いま、私にとって近いこと」こそを真理とし、その真理を目指す「目的論的」な構造から体系をつくる。もちろん、このヒエラルキーから外れるものは低次におかれる。

ジャック・デリダ「差延」を読む p24

年明けに『ギニア湾の悪魔:キリスト教系新宗教をめぐる情動と表意の民俗誌』の読書会がある。
マルチモーダル人類学を読むことがテーマかもしれない。
これはなんとなく、ゆっくりと物語りを読むように進めていこうと思う。
これだけ余裕があると、自分の読書、テーマから外れた読書、ができるな、とちょっと思ってる。
2023年は読書会のために、追われるような読書をしていた。
ある意味、半強制的に一人では読まない本と出会える幸せもあるのだが、同時にいま与えられないと本を選べなくなってるんじゃないか?という不安もある。
積ん読になってる本でも見てみるかな。
それとも本屋に小説でも探しに行こうか?
こんばんは、久しぶりに士郎正宗『アップルシード』でも読み返す。

2023/12/07 1:08

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