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『せりふの構造』読書ノート2-2

第一章 モノローグの諸相

1.モノローグの定義
・モノローグは一人きりの台詞のうち、内世界的地平を越えず、しかも非コミュニケーションとして発せられるものである。

2.モノローグの種類
A.ひとりごとp57
・「われ返り」の前後で言葉の実質にいささかの違いがある
B.無言の行動p63
・この「理由の説明」は古典様式の映画ならナレーションによって、小説ならば地の文、演劇でもモノローグを避けることが可能
・真のモノローグであるかぎりにおいて、われわれはそこに「本心」の吐露を見ようとする。
・嘘はコミュニケーションの言葉であるディアローグに属する基本的可能性である
C.ものおもいp66
・ドラマを俯瞰する精神の構えが、詩情を生み出している。
・この詩情は「夢想」のものであるといってよい。
・夢想の中ではすべてが言語化/パロール化されている。
・言語化/パロール化された部分だけが夢想の本体といってよい。
D.昔語りp71:
・ナレーションはモノローグと言えない。劇世界のことを語ってはいても、語り手が内世界に定位していないからである。
・語ることはすでに、ドラマの現在のはらんだざわめきをのがれて、事象に明確なりんかくを与えることに他ならない。
・その明確な輪郭がドラマの否定であるそのかぎりにおいて、詩情を生み出すわけである。

3.モノローグの完結性と幕切れ
・「モノローグはその完結性を特色とするがこれに対してディアローグは終わりのないものであり、コミュニケーションの創造性の表現そのものである。」デュポワ
・自然が連続性w特色にするのに対して、作られたものは必ず完結したものである。
・完結性のゆえに、モノローグは幕切れに好適な技法となる。
・ディアローグが「行動」的で連続しており、モノローグの方は真に「言語」的でしめくくる性格のつよい・・・

4.モノローグの原点と約束事の削減
・古代においてはト書を書く慣習がなかったので・・・

5.劇場の詩情と迫力
・モノローグの言葉の生み出す二つの効果・・・詩情と言葉の迫力である。
・言葉の迫力の方は・・・観客へと押し寄せる言葉の力である。
・モノローグに関してわれわれが直感的に捉えるその言葉の実質は、このような劇場空間の両義性の戯れそのものである。

2022/08/24 7:24

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