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『創造性はどこからやってくるか?』第一章

2023年マイベストになったと noteで報告したばかりの『客観性』だけれど、読書を先送りにすることにした。
というのも、今月は読書会が四冊である。(^^)
昨日『ジオサイコロジー』が終わり、明日、郡司ペギオ幸夫著『創造性はどこからやってくるか?』の第一章なのだ。
いまラインマーカーを引きながら、ゆっくり雑談をしながら読んでいる。
その「創造性はどこから・・・」は手抜きできないほど読みやすく、面白い本だ。
読むとき、「ジオサイコロジー」の“心の三層構造”が非常に参考になっている。
#以下は保坂独自の読解である。

・天然表現とは「外部」に接続する装置であり、外部に接続することが「作品化」される営みである。p18
・外部とは、「わたし」が想定する世界、その外にある無限の宇宙とでも言うべきもので、認識不可能なものである。p18
・いまだ現れない可能なもののいる場所を、本書では外側ということにする。
・ここで述べる作品化とは、外部に接続することで、接続をきっかけに「もの化」することを意味する。
#内部=意識、外側=象徴が届く無意識、外部=象徴が及ばない無意識

・創造は、外部との接触において実現する。p26
#この本の結論といっていい。

・理不尽すぎるからこそ、津波経験者はわけがわからない。自分がそのような目にあう理由がどんなに考えてもわからない。ここで理由を見つけるとは、加害者を見つけることだ。しかし相手は自然d寝在る。加害者は見つかりようがない。にもかかわらず、被害者と加害者の対立図式の中で加害者探しが堂々めぐりする。p35
#意識から無意識に降りていく。

・その結果、無意識のなかに固定されるのは、不在の加害者、すなわち加害者というラベルだけだ。こうして、被害者であることは、被害・加害の対立図式での加害者探しと不可分になり、その結果現れる、単なるラベルとしての加害者と分離しがたくなる。p35
#外側=象徴が及ぶ無意識で起きたこと

・したがって、被害者であることに、加害者であるというラベルが付与され、被害者と加害者は、津波被害者の中で、分かちがたく結びついてしまう。p35
#ここに論の飛躍がある。なぜ飛躍したか、外部と接触して創造性が発揮されたから=意味(価値)が無際限に広がる=やってくる。

・加害者と被害者のもつれ構造は、入れ子構造を持つことで、意味(価値)の不確定さが強まり、意味は無際限に広がる。p41
#意味の不確定さが強まる=象徴が及ばない無意識にアクセスする

・ラベルと定義の突き合わせをしながら、その各々が疑われ脱色されることで、「氷を入れる」が創造されたように、加害者というラベルと実体を伴う被害者の各々が脱色される。p44-p45
#脱色=象徴が及ばない無意識に降りていく

・ここでは暴露療法とは異なり、現実と、経験されたトラウマ原因との区別はなされないが、トラウマを直視するわけでもなく、ただトラウマ原因イメージを脱色することで、癒やしが実現されると考えられる。すなわち外部にあふれ現れる創造やトラウマの癒やしは、同じく「作品化」であると考えられる。
#増殖した意味や価値が、外側=象徴が及ばない無意識に帰って行くイメージと保坂は読んだ。

2023/10/10 16:11

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