投資前に生活防衛資金を確保しよう!必要な理由や目安・準備方法をチェック
投資をする際、事前に運用資金だけではなく生活防衛資金を確保しておくことが大切です。
そもそも生活防衛資金とは何か、なぜ必要なのでしょうか?
今回は、生活防衛資金の概要や必要な理由、確保しておく目安、準備方法などをご紹介します。
投資を安全に始めるためにも知っておくべき情報がわかるので、ぜひ参考にしてください。
■生活防衛資金とは?
生活防衛資金とは、生活する上で万が一の時の備えとして確保しておく資金のことです。
例えば、突然のケガや病気、交通事故で入院・手術が必要になった際は、収入が減る、または得られなくなってしまいます。
他にも自然災害を受けたり、会社が倒産したり、リストラにあうなど収入を得られなくなるケースは様々です。
生命保険や損害保険があれば保険金が入りますが、申請から受け取りまで時間がかかってしまいます。
収入が減る・なくなる場合に備えて資金を確保しておけば、当面の生活をまかなうことが可能です。
生活防衛資金は貯金と分けて確保することがポイントです。
貯金は結婚や出産、マイホームの購入・リフォーム、子どもの教育費、老後の生活などライフイベントのために備える資金になるため、生活防衛資金とは別物になります。
収入が得られなくなった時に貯金を切り崩してしまわないように、それとは別に生活防衛資金を確保しておきましょう。
■投資前に生活防衛資金を確保しておくべき理由
投資に使うお金は生活費を分けることが投資の基本です。
生活費と運用資金を一緒にしてしまうと、手元にある資金をすべて投資に回してしまう恐れがあります。
そのため、生活費と貯金、運用資金は分けて確保する必要があるのです。
収入がある状態なら生活費を確保できるので、投資しながらでも問題なく生活できます。
しかし、ケガや病気などの影響で収入の減少や得られない状態となると、生活費の捻出が難しくなります。
また、投資の運用実績によっては大損する可能性もあるでしょう。
緊急時も生活ができるように、事前にある程度の生活防衛資金を貯めておくことが大切です。
■世帯別に必要となる生活防衛資金の目安
必要になる生活防衛資金は世帯によって異なります。
ここで、世帯別に確保しておきたい生活防衛資金の目安を見ていきましょう。
・独身は生活費の3~6ヶ月分
独身の場合、家族にかかるお金が発生しないため、突発的なリスクに直面しても生活を建て直しやすい傾向にあります。
しかし、それでも急なトラブルに備えて生活費3~6ヶ月を目安の生活防衛資金を確保しておきましょう。
総務省統計局が公表する2023年の家計調査報告によると、単身世帯の1ヶ月あたりの平均消費支出は167,620円となっています。
生活費を月17万円と仮定した場合、生活防衛資金の目安は51~102万円です。
・夫婦2人暮らしは生活費の3~6ヶ月分
夫婦2人暮らしも独身と同様に生活費3~6ヶ月分が目安です。
家計調査報告書を参考にすると、2人以上の世帯の平均消費支出は1ヶ月あたり293,997円です。
生活費を30万円と仮定した場合、生活防衛資金の目安は90~180万円になります。
ただし、共働きかどうかによって確保するべき生活防衛資金は変わってくるので、収入と支出を確認した上で、暮らしに必要な分の金額を決めましょう。
・子どもがいる場合は生活費の6ヶ月~1年分
子どもがいる場合、教育費などを削ることは難しくなるので、しっかり生活防衛資金を確保するようにしましょう。
生活防衛資金の目安は生活費の6ヶ月~1年分が目安になります。
夫婦2人以上世帯の平均消費支出を参考に1ヶ月の生活費を30万円と仮定した場合、180~360万円程が目安です。
実際に生活防衛資金の金額を決める際は、子どもの年齢や人数に考慮し、また生活費と教育費がかさむ可能性があれば多めに設定して準備しましょう。
■生活防衛資金を貯める方法
生活防衛資金は目標金額によってはすぐに確保が難しいため、普段からコツコツと貯める努力をしましょう。
ここで、生活防衛資金を無理なく貯める方法をご紹介します。
・毎月一定の金額で積み立てていく
収入が入ったら、毎月一定の金額で生活防衛資金を積み立てていきましょう。
これは先取り貯金と同じ貯め方になります。
収入のうち、一定金額を生活防衛資金に回し、残りを生活費にする貯金方法です。
月末に残った生活費を生活防衛資金に回すやり方では、生活費を使い切った場合に積み立てができなくなります。
そのため、収入が入ったタイミングで確実に貯金することがポイントです。
生活費と混ざらないように生活防衛資金用の口座を作り、そこに積み立てていきましょう。
お金を貯めることを優先しすぎると生活が苦しくなるので、生活費を考慮しながら貯める金額を決めましょう。
生活防衛資金とは別に貯金をする場合、その分も考慮して貯める金額を調整してください。
・ボーナスを生活防衛資金に回す
ボーナスが出る場合、その分を生活防衛資金に回して一気に貯めることも可能です。
ボーナスの金額次第では、短期間で最低限必要となる生活防衛資金を確保できるでしょう。
ただし、ボーナスをすべて生活防衛資金に回してしまうと、投資の準備資金や余剰資金、貯金、趣味・旅行などの娯楽に充てる分のお金を確保できない可能性もあります。
ボーナスの使い道を考えた上で、生活防衛資金に充てる金額を決めましょう。
特にボーナスを使う予定がないのであれば、全額を生活防衛資金に回しても問題ありません。
・固定費を見直して節約をする
固定費を見直して毎月の生活費を見直し、その浮いた分を生活防衛資金に回すという方法もあります。
例えば、携帯電話や電気のプランを今よりも安いプランに切り替えるだけでも、固定費の節約になります。
不要な生命保険やサブスクリプションサービス、クレジットカードなどを解約するのも良いでしょう。
家計簿などから毎月の収支とその内訳を把握し、無駄な収支がないかチェックしてみてください。
今よりも生活費を圧縮できれば、生活防衛資金に回せるお金を増やすことができます。
・転職や副業などで収入を増やす
生活防衛資金に回す余裕があまりない場合、収入を増やすという方法もあります。
今よりも給料が高い仕事に転職すれば金銭的な余裕が生まれ、生活防衛資金を貯めるための資金も確保しやすくなります。
また、副業であれば勤めている会社を辞めることなく、収入を増やすことが可能です。
ただし、会社によっては副業を認めていない場合があるので、就労規則を確認した上で始めるようにしましょう。
転職や副業で収入を増やす方法はややハードルが高いので、まずは生活費を節約して生活防衛資金を捻出できないか家計を見直すところから始めるのがおすすめです。
■生活防衛資金の準備する際のポイント
生活防衛資金をしっかり確保できるように、準備する際のポイントをご紹介します。
・投資を始めるタイミングを事前に決める
ダラダラと生活防衛資金を確保していては、投資を始めるタイミングを逃してしまう可能性があります。
そのため、投資前に生活防衛資金を確保する場合は事前に投資を始めるタイミングを決めておきましょう。
投資機会を逃すと資産形成やライフプランに影響が出てしまう可能性があります。
事前にタイミングを決めておき、それまでにある程度の生活防衛資金を確保できるように計画的に貯金していきましょう。
・リスクのある方法で生活防衛資金を貯めない
リスクのある方法で生活防衛資金を貯めようとすると、逆に資金を失う可能性があります。
例えば、収入から捻出が難しいからといって、投資で一気に生活防衛資金を稼ごうとするのはリスクのある貯め方です。
投資は一度に大きな利益を得られる可能性がありますが、その逆もあります。
大損すれば生活防衛資金の確保どころか、投資資金をすべて失い、マイナスになる可能性が高いです。
そのため、毎月の積み立てやボーナスを活用して堅実に貯めていきましょう。
今回は投資前に確保しておきたい生活防衛資金についてご紹介しました。
生活防衛資金は収入の減少・得られない状況や投資で大損した場合、しばらくの生活費をまかなえるメリットがあります。
万が一の時や投資の運用リスクの備えとして、ご紹介した方法で十分な生活防衛資金を確保しておきましょう。
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