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ICLやってみた記録 #1(長文)


最初に。

先日、ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術を受けてきました。せっかくなので、経緯などまとめてみたいと思います。
今後、ICLをしてみたいなという方の参考になれば幸いです。

私の基本ステータス。

50歳。今年51歳になります。
ICLはだいたい適応年齢が45くらいまでらしいので、ちょい遅い。
いえ、結構遅い。
事前検査で「まあやってもいいですよ」って感じになっています。
その経緯については、こちらにちらりと書きました。

手術を受けた病院についての概要。

目は一生使うものですので、できれば「お安い」よりも「安全」を確保しておきたいところ。
今回、ICLのエキスパートインストラクターである先生に執刀していただけました。というか、診察を受けた結果、「あなた年寄りで難しいからね、これ僕がやりますよ」(要約)ってやっていただけました。これ以上は望めないと思うので、私としては最大限「安全」を確保できたと思っています。
エキスパートインストラクターの説明は、こちらをご参照ください。

手術までの経過。

経過を羅列すると、こんな感じです。

  • ICLが適用できるか、あとは疾患がないかを含めて目の状態の検査

  • ICL装着後の見え方を確認するために、コンタクト着用テスト。

  • ICLレンズ発注、着日予定判明後、術日決定。

  • 術前検査、目薬の処方。

確か最初に「ICL受けてみたいんですがー」という話をしたのが11月初旬くらいでした。手術を受けたのが3月初旬になるので、5ヶ月くらいかかっています。途中、見え方テスト用のコンタクトレンズの取り寄せとICLレンズの取り寄せに時間がかかっている感じです。手術当日を除くと、術前に通院した回数は4回くらい。
支払いはICLレンズの発注前に行い、金額は60万円(両眼で)。なお、発注以降の薬代や診察代が込みなので、発注以降は何も支払いをしていません。

目の検査。

ICLレンズを挿入できる空間があるか。
眼圧、視力、白内障その他の疾患がないかをしっかりとチェックします。
もちろん、レンズを入れる空間がない場合は、多分ここで終了です。
印象深いのは、瞳孔を開く検査です。瞳孔を開く薬を何度か点滴し、開ききったところで様々検査を行いました。この薬、翌日まで残ってましたね。

コンタクトレンズでの着用テスト。

主に視力から、ICLレンズを選定するために「見え方テスト」をします。
具体的には、候補となるレンズの度数に合わせたコンタクトを取り寄せ、これを装着して見え具合を確かめます。
ここが一番大事です。

眼鏡であれコンタクトであれ、基本的に近眼の視力矯正というのは、「近距離~遠距離まで見えるようにするよ!」ではなく、「目の内部の焦点の位置を変えるよ」ってことだと思っています。プラス、視力の少しブーストもある。
つまり、図にするとこんな感じ。

眼鏡・コンタクトについて、私の理解。

ということは、手元は見えにくくなりますが、目の筋力が健在であれば、頑張って手元の焦点もいずれ元通り。「1」が見えるようになる。
それができかねるのが老眼なのでしょう。(私の理解)

ですが、目の筋力にも限界があるわけで。
眼鏡・コンタクトを着用して、上の図で言えば「4~10をカバーする」なんてことにしてしまうと、もう筋力フル活用しても1に届かなくなる。「手元が見えなくなる」わけです。
結果、眼精疲労で頭痛などが起こる。いわゆる「過矯正」です。

眼鏡、コンタクトは外せば終わりですが、ICLはそうはいきません。
外すにも手術が必要ということです。
だから、「近く」と「遠く」のバランスを図ることは大切。

コンタクトレンズを着用し、執拗にスマホを見たり遠景を見たり、頭痛を感じないか、手元に不便がないかをチェックします。
視力「1.5」を目指すかどうかの検討をしたのですが、私としてはそこは目指さないことにしました。1.0~1.2あればよい。
それよりも、近くが見えなくなるのは大問題です。

決定後、契約書を交わしてICLレンズの発注をしてもらいます。
ちなみに乱視用・老眼用のICLレンズもあるそうですが、色々相談をした上で、私は近眼用のレンズにしました。老眼用のレンズでもありません。(最近は老眼対応のICLレンズもあるんですね。)

術前の検査、点眼薬の処方。

あとは、手術日が確定したら、その1週間前くらいに診察、再度目の検査をしつつ、点眼薬を受け取ります。
点眼薬は、抗菌剤。朝・昼・夜・寝る前と、手術の4日前から1日4回の点眼をします。要するに、結膜炎とかになるなよってことですね。

それと、念のために留意事項がないか、他のかかりつけ医に確認を取ります。私は現在、産婦人科にも通院してますので、なんと産婦人科医(美人)にも聞きました。一応、一応ね。
「先生、今度ICL受けるんですが、なにか注意点ありますか?」「ないよー。がんばって。」
…あっりがとうございまーす。

手術当日の経過。

日帰り手術です。病院に入ってから、出るまで4時間くらいでした。
経過はこんな感じです。

  • 術前検査。

  • 瞳孔を開く薬の点眼。時間を置いて何度も点眼します。

  • 手術着の着用。麻酔薬の点眼。

  • 手術。

  • 休憩。

  • 術後検査。処方薬を受け取り、解放。

術前検査、からの瞳孔を開く薬の点眼。

受付を済ませて、眼圧その他検査を受けます。
パスしたら、瞳孔を開く薬の点眼が始まります。一定時間ごとに看護師さんがやってきて、なんと点眼していただけます。手厚い。自分で目薬さしておけじゃない。
視界がぼんやり眩しくなり、どんどんモザイクかかります。
これに結構時間がかかります。

手術着の着用、麻酔薬の点眼。

麻酔薬は、術前に点眼する他に、術中は笑気麻酔を吸います。

手術着、いわゆるあの青い色をした割烹着を着せてもらいます。なんと看護師さんが着せてくださいます。手厚い。自分で(略)
着替えはありません。上から手術着を羽織ります。
そしてヘアキャップ。しっかりと髪をしまいます。足も靴を脱いでキャップを履きます。ヘアキャップも足のキャップも全て看護師さんが略、手厚い略。

いよいよ手術。

歯医者の診察台のような椅子に座ります。リクライニングされる仕様。鼻元にチューブがつけられ、鼻から笑気麻酔を吸い込みますが、意識は全然失いません。

手術は片目ずつです。
椅子が倒れ、目の周りを消毒された後に、顔にシートがかけられます。
このシート、目の辺りだけ弱粘着のシールになっているようです。ぺたりと閉じた目に張り付いて、その後、ハサミで目の部分だけ切り取られます。
穴が空くと、ライトが眩しい。閉じようとした目をしっかり確保されて、瞬きできないように器具で固定されます。

そして手術です。
眩しいし、定期的に水がかけられるので、視界はぼやけまくってます。開始時に目にかけられた麻酔薬が少し染みたくらいで、痛みはなし。でも、痛みがないだけで、触られている「圧力」みたいなものは感じます。
もはや、逃げも隠れもできないし、目をそらすことすらできない。だいたい2分くらいで諦めの境地になると、平気になります。虚無。

時間にすると、片目それぞれ10分程度。
片目が終わると、瞳孔を閉じる薬がかけられた後に、顔にかけられたシートが剥がされます。そして椅子が起こされて「どないですか?」と気持ち悪さがないかどうか、確認されます。
「ないです」と答えるや否や「よし次ね!」と椅子が倒され、もう片方の目の手術。
再び、諦めの境地。虚無。

両目が終わると、手術室から自分で歩いて退出です。特にフラフラもしない。
この時点で、すでに「あ、視力あがった」感じがします。

術後。休憩。そして、リング。

術後、なんかこう、ラグジュアリーな休憩ルームに案内されて小一時間休憩タイムがありました。

らぐじゅありー空間。


お茶とお茶請けも出されます。ゆったりソファーに座ってひといき。
ここで、自分が一気に肩こりになってるのに気が付きました。やはり虚無とは言え、緊張していたんだな。

そうそう、すでにこの段階で、視力が上がった実感もあったのですが、ラグジュアリー空間の照明を見て気がついたことがあります。
視界にリングが浮かぶ。絵にしてみるとこんな感じです。

視界に浮かぶリング

最初は光源からリングが出てるのかな?と思ったのですが、視点を中心に浮かんでます。絵でいうと、「✕」が視点ですね。ここから同心円状で、1個~複数。両目それぞれに出ています。「ん?」という感じです。

これ、後ほど診察の時に聞いてみたら、どうやら「レンズの端が反射して見える光」のようです。コンタクトでこんなん見えたことないけど。まあ、目の中に入れるからかな?ちなみにリングのサイズはちょろちょろ変わりますが、多分これ、リングのサイズが変わってるというよりは、目の焦点が変わってる感じですね。焦点が近いとリングが狭くなるし、焦点が遠いとリングが拡がります。
慣れればなんてこともなくなる(消えるわけではない)そうですが、気になる人はすっごい気になるのでしょう。
ちなみに3日目になって、私はあんまり気にならなくなっていますが、まだ少しちらちらする感じはあります。でも、異常じゃないならいいや。

なお念のため、このリング、常に見えるわけではありません。あくまで強い光源があるときだけです。そして、気になるけれど邪魔にはなりません。
例えば光源が複数あるとしても、必ず視点から同心円になるだけで、あちこちに出現することもありません。(ただし両目それぞれです。)

目の状態ですが、コンタクトを若干うまく入れられなかったときのようなコロコロ感があります。痛いというほどではない。でも、これが不慣れなレンズのせいか、レンズを入れるためにつけた傷のせいかは不明。

スマホをチラ見してみたのですが、文字が読めなかったので、ここで私は寝ることにしました。昼寝。ラグジュアリー。

術後検査、診察、退院。

その後、眼圧検査の後に診察。
瞳孔を閉じる薬よりも瞳孔を開く薬の方が長持ちするので、しばらく経つと(薬が切れるまで)視力は落ちるとのこと。つまり、家に帰り着くまでの処置ですね。ちなみに、寝て起きた翌日、瞳孔サイズは戻ってました。

終了後、処方された目薬は3種類。
ひと月程度、朝昼夜と寝る前の4回だそうな。
それぞれ5分程度間隔を開ける必要があるらしいので、ちょっとした一仕事になりますね。

許可が出るまでは以下禁止とのことです。
また、しばらく保護メガネを着用する必要があります。

  • 洗顔

  • 車の運転

手術翌日。検査と診察。

翌日はまた通院。
検査は眼圧、及び眼内撮影。レンズの状態確認です。
そして、視力検査。
0.0ナントカだったのが、裸眼で1.0〜1.2に。
乱視もついでに若干治してもらえた様子。
どう治したのかはわかりません。
エキスパートインストラクターすごいな。

その後診察を受け、リングや注意点などを確認して終了。
洗顔はまだ許可出ませんが、運転は「近場ならよし」だそうです。運転中は基本的にまばたき減るから、遠距離はまだよくないよと。
なお、しばらくは頻度高めに通院します。

見え方、翌日~翌々日。

翌日の見え方。

とにかく、劇的にスマホの文字が見えません。つまり、近くが見えない。
ちょっと絶望を感じるレベルです。
仕方ないので、安物の老眼鏡をゲットしました。これでとりあえず見えるようになったけど、ずっと使うわけにもいかないね。ただ、見え方次第では、視力が安定した時点でちゃんと新しいメガネを作らないといけないかもなぁ…と思って過ごしました。

そして、目の違和感はほぼ消えました。たまにコロコロ感があるけど、どうやらこれは傷のせいのようです。

翌々日。

ちょっとスマホの文字が見えるようになってきましたが、若干ボケてます。これは老眼なりに頑張ってる気配がする。
翌日の自分なりの感想だと、こんな感じでした。

ICLやった結果(個人の見え方の感想)

現在、2に目が慣れつつある感じがしています。
2は全部いけてないけど、2.5くらいならなんとか…的な。
もうしばし、様子見が必要ですね。

そして、目の違和感はほぼなくなりました。
起きた直後に「あー目薬さしたいな」くらいの感覚です。

なお、ここまでひとつも触れていないのがハロー・グレア。
これは、ほぼ感じていません。レンズの性能がよいかもしれないのですが、そもそも、元々、若干ハロー・グレアを感じる生活をしていたので、単に気にならないだけかもしれません。もう慣れてるというか。
ひとつ言えるのは、矯正前と対して変わってないということです。

最後に。

随分と長文になりましたので、ここで一旦区切りをつけたいと思います。
時間の経過とともに、また見え方や状態の報告をしたいですね。

すごい長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
参考になれば幸いです。

ではまた。次の記事で。