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文化人類学がおもしろい

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わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

”GPT”の向こう側/目に見え耳に聞こえる言語の壁に穿孔するキツツキのリズム -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(30_『神話論理2 蜜から灰へ』-4)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第30回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 最新の記事ほど濫読が激しさを増すので、これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”

βスイカで主客未分の阿頼耶識に飛び込む -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(29_『神話論理2 蜜から灰へ』-3)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第29回目です。前回の記事はこちら↓です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみいただけます。 βスイカ突然ですが、スイカは、β化するのにとても適したΔ項である。 ・・・ βとは? Δとは何か? という話については下記の記事に詳しく書いているので、ご興味ある方は参照願います。 私たちが日常生きて感覚し

食べられる/そのままでは食べられ無い/食べられ無い -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(28_『神話論理2 蜜から灰へ』-2)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第28回目です。前回の記事はこちら↓です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?!?)いただけると思います。 『神話論理2 蜜から灰へ』の第一部「乾いたものと湿ったもの」のはじめ、「蜂蜜とタバコの対話」を読んでみよう。 今回は特に「変身」ということに注目したい。 人間が、ミツバチに変身する。 人間が、

対立関係は対立している事物よりも前から存在する-レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(27_『神話論理2 蜜から灰へ』-1)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第27回目です。前回の記事はこちら↓です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?!)いただけると思います。 前回の記事で『神話論理1 生のものと火を通したもの』を読み終わったので、さっそく『神話論理2 蜜から灰へ』に移行しようと思います。 「と」ではなく、「〜から〜へ」『神話論理1』では「生のもの」と「