他者の夢ー読書メモ:中沢新一『ミクロコスモスⅡ』
軽快な他者たち。私と対立するものではなく、私の起源そのものである懐かしい他者たち 中沢新一氏の本はいつも、コトバで考えることがとても愉快な時間にもなり得ることを思い出させてくれる。
コトバたちがコトバであることを純粋に楽しんでいる様子を、ちょうど『鹿踊りのはじまり』の嘉十のように、すすきの影からこっそり眺めているような心地よさ。
コトバは私にとっては他者である。そして私がコトバを使って名前をつけている眼の前の現実もまた他者であり、その全貌を垣間見ることも困難な「世界」も