今に全集中すれば、心は正しくはたらく~東洋哲学・陽明学入門~【第12回京都えびす大学】
2021年4月10日、~東洋哲学・陽明学入門~【第12回 京都えびす大学】を開催しました。
陽明学とは、「三方よし」の近江商人、幕末に活躍した「吉田松陰」「勝海舟」「西郷隆盛」、日本資本主義の父「渋沢栄一」など多くの偉人が学んで実践した学問であり哲学です。今年の大河ドラマ「青天を衝け」も注目です!
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今回のテーマは「心」
心って何だろう?
ある人が王陽明にこんな質問をしました。
身体を主宰しているのは、心です。
心の霊明なところ、これが知です。
知の発動するところ、これが意です。
意のなすところが、物です。
これは、この通りであっていますか。否定されますか。
「心」を考えるとき、
王陽明は「心」をどのように正していくか?
ということも考えていました。
先生曰く、亦(また)是(ぜ)なり。只(た)だ此(こ)の心(こころ)を存(たも)(得)ちて常(つね)に見在(げんにここにあ)らしむること、便(すなわ)ちこれ学(がく)なり。過去(かこ)、未来(みらい)の事(こと)は、これを思うも何(なん)の益(えき)やあらん、徒(いたず)らに放心(こころをちら)すのみ、と。
もし、自分の心が「今ここ」になければ、
視ようとしても何も見えず、聴こうとしても何も聞こえず、
食べたとしても味がわからない。ということが起こります。
では、どんなときに、見えたり、聞こえたり、美味しいと感じたりできるのでしょうか?
それは、心が「今ここ」に在る状態のときです。
心が正しく働いている時、自分と相手(他人・もの)の場には、良知が働いて通じ合い思いやりが生まれ、正しい判断ができます。
しかし、私利私欲・邪心が働きだすと、心の働きが鈍ります。
相手を思いやったり、感じなくなり、相手が正しく見えなくなります。心が狭い人は、心から相手を追い出し、「自分だけ、自分さえ」という考えになってしまうのです。
では、どんなときに、私利私欲、邪心が絡んでくるのでしょうか?
それは、「心を散らかしている」とき、「心ここに在らず」の状態になったときです。
例えば、過去にあった嫌なことを引きずっているとき・・・
未来の心配ばかりしているとき・・・
だから、「心ある人」になりましょう。
それは、「心が、今、ここに在る人」です。
と王陽明は教えてくれています。
まさに、「全集中」の呼吸!!
最後の感想・気づきの共有では、
自分が想像している以上にありのままをみることは難しかった。
自分の根っこは何なのか、再確認。
今の心を整える重要性について考えさせられました。
心の表現が人それぞれであり、解釈によって行動も変容する。あるがままというのはとても難しく今後の課題となりそうです。
生みの苦しみ。過去に意味を与え、未来を創るのは、現在。過去と未来を輝かせることも今からできること。
今に集中すべきという当たり前と言えば当たり前のことだけど、大切で難しいことは昔から言われていたということ。何かをするときに過去や未来の損得勘定は入れるだけ無駄だから、今を見るべきということ。
子どもと接する場で起こりやすいこととして、周りから見える本人が困りそうだと思うことと、本人の困り感は異なっていて、一方的にこちらが感じている将来への不安を押し付けるのは暴力的側面があるなと思いました。
今、ここに、全集中。
ついつい、「やってみないとわからないこと」や「今やりたいこと」に対して、過去の出来事に囚われたり、未来の心配をしてしまうことが結構あるなぁと考えさせられました。
それから、もう一つ個人的な感想を。
約1年前、陽明学入門講座を受講していた時の超訳と、今回の自分の超訳を比較して感じたことは、1年前の方が心が躍動している感じがするなと。
う~ん、これはちょっといろいろ詰め込みすぎているかも。。
そういえば、最近めちゃくちゃ忙しかった・・・
もう少し余白が必要だと感じました。
続けていると、自分のコンディションに気づけるようになり、自分で修正できるようになる。
これが陽明学のおもしろいところでもあるな~と。
”継続は力なり”ですね。
次回は、5月22日(土)9:30-11:30(初回の方は9:00~)
「心の真切」というテーマから学びます。
2021年4~6月は「心」シリーズです。
◆こんな方におススメ◆
・人間関係で悩んでいる。
・今の状況にモヤモヤしている。
・心を整えてスッキリしたい。
・自分らしく生きていく方法が知りたい。
ぜひ、一緒に学び合いましょう^^
▼第13回 京都えびす大学
5月22日(土)9:00~「陽明学とは」9:30-11:30「心の真切」
▼第14回 京都えびす大学
6月22日(火)16:000~「陽明学とは」16:30-18:30「聖人の教え」
前回までの様子はこちら ↓
次回も深い学びを楽しみに(*^_^*)
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