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有事のときこそ日頃の学問が生きる~東洋哲学・陽明学入門~【第11回京都えびす大学】

2021年3月6日、~東洋哲学・陽明学入門~【第11回 京都えびす大学】を開催しました。

陽明学とは、「三方よし」の近江商人、幕末に活躍した「吉田松陰」「勝海舟」「西郷隆盛」、日本資本主義の父「渋沢栄一」など多くの偉人が学んで実践した学問であり哲学です。今年の大河ドラマ「青天を衝け」も注目です!
詳しくはこちら ↓

今回のテーマは「学問の用功」

学問の用功は「心に大きな衝撃があった時」の学びです。
そんな時こそ、日頃の学問をどう生かすのかが問われます。

この日の対話はこんなエピソードから始まります。

ある人が、家族と離れた土地で仕事をしていたとき、家から手紙が届きます。「我が子が病で危うい」と。
あまりに心配で心が大きく乱れて耐えられません...
 先生曰(いわ)く、この時こそ、正(まさ)に宜(よろ)しく功(どりょく)を用(もち)うべし。若(も)しこの時に放過(なげやり)にならば、閑(ひま)な時の講学(こうがく)は何(なに)も用(はたら)くことやあらん。人は正要(まさ)に此(これ)等(ら)の時に在(あ)りて磨(みが)き錬(ね)るべし。

「ピンチ(危機)はチャンス(好機)」

まさに、危ういときこそ、成長のチャンス!これまでの学びを生かすチャンス!だというのです。

そして、ピンチを乗り切る心構えを次のように伝えています。

大抵(たいてい)、七(しち)情(じょう)の感(かん)ずる所(ところ)、只(た)だこれ過(す)ぐることのみ多くして、及(およ)ばざる者(こと)少なし。才(わずか)に過(す)ぎれば、便(たちま)ち心の本体(ほんたい)に非(あら)ず。必須(かなら)ず調停(ちょうてい)し、中(ちゅう)に適(かな)いて始(はじめ)て得(え)られり、と。 

※七情:喜怒哀楽愛悪欲
※中:あたる。的にあたる、的中の意。

当時の「学問」というのは、「徳のある人物になる」ということ。今の言葉で言うと、「思いやりのある強さと優しさを兼ね備えた人になる」こと。というのは前回も触れましたが、「知識」や「技術」を使う時に、どんな「心」で使うかが重要になります。

今回、ちょうど学生時代に弓道をされていた方がおられたので、「的中」についてもお話をしていただきました。

最後の感想・気づきの共有では、

「的中する」まずは的を確認すること、そして力加減・フォーム、誠の自分を大切にする。
 「丁度いい」を目指すことの大切さと難しさ。それが体現できている仲間の大切さ。
 モデルに自分を無理やり寄せていくのではなく モデルの良い使えるところを自分の中に映していく自分のものにしていく 。心豊かに生きる。嵐は「信じることが全て」と歌っていましたが、私たちは、的に的中させる能力を生まれながらにもっている。それを「良知」というのですが、それが「あーたったりの手の内」。 中を得る力が自分の心にはあると信じることから体と心の動揺を修めて全集中の自分を復元する。意識する、認識するって大切。
 何事もやりすぎではなく、程よい状態がベストなのだと感じた。
 最近実感していた何事も行き過ぎると良くないことを再確認しました。良い仕事をするためにも、家庭を大切にするためにも、「全てに全力投球」ではなく、緩急をつけるように心がけたいと、改めて感じました。
 大変な時でも考え方や動き方を変えてみることで自分の成長につながることもあると感じた。

 など、初めに共有した「今の私の課題」の答えにもなるような気づきがあり、みんなで共有することができました。

誰もが否定や批判ではなくお互いに尊重し合える場の中では、自らの至らないところを卑下するのではなく素直に受け止めることができ、恐れたり気後れしたりせず、こうありたいと思う姿や行動をイメージし声にすることができると改めて感じることができました。 


次回は、4月10日(土)10-12時
「心」というテーマから学びます。

  2021年4~6月は「心」シリーズです。

 ◆こんな方におススメ◆
 ・人間関係で悩んでいる。
 ・今の状況にモヤモヤしている。
 ・心を整えてスッキリしたい。
 ・自分らしく生きていく方法が知りたい。

  ぜひ、一緒に学び合いましょう^^

▼第12回 京都えびす大学
4月10日(土)9:30~「陽明学とは」10-12時「心」

▼第13回 京都えびす大学
5月22日(土)9:00~「陽明学とは」9:30-11:30「心の真切」

▼第14回 京都えびす大学
6月22日(火)16:00~「陽明学とは」16:30-18:30「聖人の教え」


前回までの様子はこちら ↓

次回も深い学びを楽しみに(*^_^*)


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