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【4日目】この世の真理に気づいた話【北海道ペアツーリング】

行程


9:00クッチャロ湖畔発
9:30 エサヌカ線
15:30 キタキツネ牧場
17:30 回転寿司トリトン
19:00 ホテル着


早く寝たこともあり、6時前に目が覚めた。昨晩の嵐が嘘のように去っていた。代わりに、2万羽もいるらしい白鳥がひたすら泣いていた。昨日ウキウキで買った薪をくべ、牛肉と豚串を焼いた。蟹の味噌汁も食べた。美味しすぎて涙が出そうだった。ついでに焚き火の熱で色々なものを乾かしたり、落ちてた木の枝でエゾシカごっこをしたりして、9時くらいまでキャンプを満喫してから出発した。

まずは若干逆方向だが、すぐそばのエサヌカ線に行った。北海道でも抜群に人気の道路で、多分牧場か農場かなんかの道だと思う。永遠に真っ直ぐ続く道路と、左右には地平線まで緑が広がっている最高の道だった。3年前に行った時は雨で、今回はやや曇りだった。またリベンジして、晴れている時にまた来たい!絶対に。

その後は、キタキツネ牧場を目指してひたすら北海道の右上の海岸沿いを走った。大体230㎞くらいの距離があったので、マジで無心で走り続けた。マジで何もなさ過ぎて、マジで何も写真を取っていないが、マジで海と草原と山と森しかない道(オホーツクライン)を、どんよりとした曇り空と、とてつもない強風の中走った。ひたすら単調だったが、カラオケ大会を開いたり、ブログのネタを考えたり、バイクのサイドカーに犬を乗せたい話とかをして楽しんだ。

途中、神威岬(有名なところとは別)とか、公園とか、ちょいちょい魅力的に思えるスポットもいくつかあったが、どこにも寄らずにのんびり走り続けた。マジで信号とかは1個も無いので、平気で50㎞くらいはぶっ続けで走り続けていたと思う。なげえな~とか思いながら走らせるわけだが、不思議と飽きることもネガティブな気持ちになることも無く、むしろ心地よい放蕩というか、黄泉の世界を彷徨っているような気分の良さがあった。私はかねてからツーリング中に観光地や名所にはあまり寄らないことが多い。3年前も網走監獄の目の前でキャンプしたが、監獄には行かなかった。「ツーリング、バイクで走っている時が一番楽しい説」がある。名所とか観光地はあくまでおまけだ。割とタイトなスケジュールで、もたもたしているとキャンプ場に着くころには夜になってしまい、夜にバイクで走るのは危ないのであまり観光地でゆっくりできないのと、バイクの服装だから観光地で浮くのと、自由を求めるツーリングでごみごみしたところに行くのが嫌などの理由がある。逆にただバイクで走り、大自然を五感で感じている時こそ一番幸せなのだ。常に対向車とか路面とか風とかスピードとかネズミ捕りがいないかとかに神経をとがらせつつも、風もにおいも風景も全部を楽しんでいるから、余計なことを考えずに大自然と一体になってこの世界には私一人だけで私こそ世界なのだみたいな感覚になるからかもしれない。

この「バイクで走っている時が一番楽しい」っていうのは、ツーリングに限らずこの世の真理なんじゃないかと最近思っている。当然ツーリングの楽しみ方も人生も人それぞれだというのは大前提として、私のこれからの生き方としての話だ。人生には達成したら幸せになれるゴールなんて無くて、一生理想の生き様を追い求めるしかなくて、生涯を全うして、周りの人とか世の中に、あの人の生き様はかっこよかったとか言われて初めてゴールだと思う。だから、「頑張って働いたらその対価としてお金を貰えて楽しいことができる」じゃなくて、仕事そのものが自分の理想に近づいて行ける道のりであり報酬でありたい。どれだけ頑張ってお金を稼いだって、終わりにあるのは人がごみごみした観光地で、誰もが目指してた場所で、ありふれた写真を撮って終わりなのだ。

さて、なんやかんや200㎞近く走ってキタキツネ牧場についた。実はこの牧場は3年前からずっと行きたかった場所だった。3年前、網走湖畔の呼人浦キャンプ場で仲良くなったおじいちゃんがいた。アドレス110で北海道を一周しているらしく、かつてはチャリで北海道中をめぐっていたらしい。夜ご飯を作りながら、大学の話とか、ツーリングの楽しみ方の話とかを色々した。特に印象的だったのが、「私は明日キツネを見に行くんです」と嬉しそうに話していたことだ。翌朝別れる時も、「キツネが私を呼んでいますよ」などと言っており、よっぽど楽しみなんだろうなと思っていた。あいにく私はスケジュールの都合で行くことが出来なかったが、いつか行きたいと思っていた場所の一つなのだ。

牧場にはキツネとタヌキがいっぱいいた。キツネの顔は鼻が長くて、マジでゾロリじゃんと思った。また、猫と比べてしっぽがめちゃくちゃデカくて、だからキツネグッズはしっぽが強調されていたのかと納得した。じゃれ合ったり昼寝をしたり走ったりしていて、とても良かった。お土産屋さんでキタキツネ牧場のステッカーを購入したのでバイクに貼りたいと思う。

その後は有名な回転寿司のトリトンに行った。二人でおなかいっぱい食べて5千円強と割とリーズナブルな価格で、めちゃくちゃ美味しい寿司が食べられた。大1の夏合宿、大2のツーリングと来て3度目だが、何回来てもウニがやっぱり美味しいなと思った。

日程を1日勘違いしており、本当は網走湖でキャンプし、翌日網走監獄、知床、開陽台などと回る予定だったが、急遽北見市のホテルを取ってそこで寝ることにした。監獄と知床は本当に行きたかったが、また来る理由が出来てしまったなとかかっこいいことを考えた。翌日泊まる予定だったゲストハウスがキャンセルできず、6000円を無駄にしたことが心残りだが、寿司が美味しかったので忘れることが出来た。


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