The Smashing Pumpkinsの解散~再結成~現在を語ろうと思う①
The Smashing Pumpkinsはやはり90年代半ば、『Siamese Dream』もしくは『Mellon Collie and the Infiite Sadness』の頃が取り上げられることが多く、その後は熱心なファンでなければあまり詳しくない人が大半だと思う。なので今回、2000年の解散後から2007年の再結成、そしてそれから現在に至るまでをアルバムの感想を入れつつ書いていこうと思う。
解散後、そして再結成に至るまで
バンドは2000年12月に解散し、メンバーはそれぞれの道を歩むことになる。解散の理由は色々あるんだろうけど、Billy CorganとJames Ihaの仲違いが主な原因っぽい。解散後、リーダーのBilly Corganは自身が敬愛するNew Orderのアルバム『Get Ready』に参加し、ツアーにも帯同して来日まで行っている。その少し後にリリースされたアルバムがこれ。
Rotten Apples: The Smashing Pumpkins Greatest Hits
タイトルの通り、代表曲を収録したベストアルバム。シングル曲以外にもサントラ提供曲や未発表曲も収録されている。またアメリカ盤とインターナショナル盤では収録曲が少し違う(アメリカ盤では『Landslide』が収録されているが、インターナショナル盤では『Try, Try, Try』に差し替えられている)。また『Real Love』は『Machina II』の収録曲であるけど、マスター音源由来であり(ネットで出回っている『Machina II』の音源はLP起こし)、『Untitled』は解散前最後のレコーディング曲。
でもこのアルバムのメインは『Judas O』というB面や未発表曲を集めたボーナスディスクだと思う。16曲中10曲が未発表曲であり、全体的にちょっと暗い雰囲気の曲が多いかな。『Rock On』はDavid Essexのカヴァーで、ライブレコーディングのため、ベースはD'arcyの後任Melissa Auf der Maurによるもので、彼女のスマパンでの唯一のレコーディング曲。なぜかVan Halenの歌詞が引用されている。Melissaはその後ソロアルバムをリリースし、James Ihaも参加している。Ihaはデザイナーの仕事などをしつつ、2004年にA Perfect Circleに加入。
Zwan / Mary Star of the Sea
BillyとJimmy Chamberlinはスマパン解散後、新たにZwanというバンドを結成する。メンバーにMatt Sweeney、SlintやPapa Mで知られるDavid Pajo、そして元A Perfert CircleのPaz Lenchantinを加え、2003年に『Mary Star of the Sea』をリリースする。David Pajoの加入は当時かなり話題になりました。Pajoの加入はインディ界隈では色々言われていたようで、MogwaiのStuart Braithwaiteは「彼もお金を稼ぎたかったんだよ」と擁護していました。
このアルバムの最大の特徴は明るくポップな作風に尽きるかな、と。スマパンという殻を捨て、楽しく制作したのがうかがえる内容。特に最初の4曲目までの流れは完璧で、シングルの『Honesty』も非常にポップ。Pazのコーラスも良い。それだけでなく『Jesus, I / Mary Star Of The Sea』のような長尺曲もあり、今後に非常に期待を持てる、そんなバンドだった。
そんなバンドだったけど、結果的に短命に終わってしまう。確かPajoがバンドに専念してくれなかったから、みたいなことをBillyが言っていたような記憶がある。PazもPajoの活動に付いていって、それで解散、なのかな。ただこのZwan、未発表曲が80曲近くあるとBillyが最近言及していて、いずれリリースするかも、とのこと。
Jimmy Chamberlin Complex / Life Begins Again
2005年にリリースされたJimmy Chamberlinのサイドプロジェクト。Billy Mohlerとの共作でもある。Billy Corganも1曲でヴォーカルとして参加。基本的にはインストゥルメンタルで、ポストロックにも近い雰囲気。スマパンで聴けるパワフルなドラムとは違う繊細な音も聴ける。曲もBilly Corganではないので、スマパンをイメージすると相当に違っていて、とても面白い。
Billy Corgan / TheFutureEmbrace
Jimmyと同じく2005年にリリースされた初のソロアルバム。このアルバムにはJimmyと、またThe CureのRobert Smithも参加している。
音としてはバンドサウンドではなく、ドラムもほぼ打ち込み、シンセサイザーを使用し、ギターも使用されているけどスマパンに比べるとかなり控えめ。Billy曰く、ソロアルバムということでスマパンに似たもの、思わせるような音にしたくなかったそう。と言ってもBillyの声を聞いてスマパンを意識しない方が難しいと思うけど。雰囲気としては『Adore』や『Machina』に近いかな。Zwanとは全く違う音。曲調もあまりポップではないかな。おそらく、こういう感じのアルバムを作ってみたかったんだろうな、と。
そして、このソロアルバムのリリース日、Billyは地元シカゴの新聞に一面広告を出し、スマパンを復活させると明言。そして、2007年に再結成することになるけど、メンバーはBillyとJimmyのみ、IhaとMelissaは再結成に参加しなかった。確か後にBillyは「Jamesに声をかけたけど反応がなかった」と言い、Ihaは「声がかからなかった」と言っていて、この2人の仲は本当に悪いんだろうな、と思った記憶がある。
というわけで、次回は再結成後について書いていこうと思います。
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