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Sonic Youthについて語ってみるよ①

 多くのバンドに影響を与えてきたSonic Youthが活動を停止して12年以上経つ。実質、解散と言って間違いない。ThurstonとKimの離婚によってバンドが終了し、その後は各自で活動しているわけだけど、ここではバンドの歩みを振り返ってみようかな、と思う。

 約30年の活動期間は大きく6つに分けることが出来るかな、と個人的には思っている。

①黎明期:1st EPから『Bad Moon Rising』
②確立期:Steve Shelley加入から『Daydream Nation』
③オルタナティブ期:メジャー移籍、オルタナブーム
④メジャーでの実験期
⑤Jim O'Rourke参加、加入による転換期
⑥Jim O'Rourke脱退~Matador移籍~活動停止

 というわけで、今回は①に関連した3作品について書いていく。


Sonic Youth

 1982年にリリースされたデビュー作。EPに数えられたりアルバムに数えられたりと媒体によって様々だけど、取り上げないわけにはいかない1枚。5曲入りで、録音時のメンバーはThurston Moore、Kim Gordon、Lee Ranaldo、Richard Edsonの4人で、Glenn Brancaのレーベルからのリリース。再発盤はライブ音源が追加収録されている。音としてはどことなく不穏で、演奏も拙く、ポストパンクの雰囲気が強い。また、ノー・ウェイブの影響も濃く反映されている。既に3人でのヴォーカル体制を取っていて、特に2曲目の『I Dreamed I Dream』はKimとLeeによるヴォーカルというのが珍しい。3曲目『She Is Not Alone』は民族音楽のような雰囲気。全体的に暗く、あまりポップでもなく、スローな曲が多いのが特徴かな。この時代に隆盛だったポストパンク、ノー・ウェイブに呼応した1枚と言える。

Confusion Is Sex

 1983年にリリースされた初のフルレングス作品。再発盤ではEP『Kill Yr. Idols』が追加収録されている。Kimが描いたというジャケットの絵も非常に有名。前作からドラマーがJim Sclavunosに交代、一部の曲ではBob Bertがドラムを叩いている。音としては前作の延長線上、と言ったところか。しかし、不穏さを残しつつも、Stooges『I Wanna Be Your Dog』のカヴァーを挟んだり、バンド後期でも演奏されていた『The World Looks Red』や『Making the Nature Scene』等も収録されていて、バンドとしての骨格が徐々に出来上がりつつあった頃と言える。アルバムの核となる曲は『Confusion Is Next』か。加速する演奏に合わせてSonic Toothと歌うThurstonはやはりパンクスピリットの持ち主なのだと実感出来る。

Bad Moon Rising

 1985年リリース。ドラマーが本作よりBob Bertに正式に交代。後にPussy Galoreに加入する彼のドラミングによって、バンドはさらに強力になっていく。初期の代表作に数えられるアルバム。1曲目『Intro』でのギターの絡み合い、そこから流れるように『Brave Men Run (In My Family)』へと続いていく。やはり暗さはあるけど、メロディが少しずつ浮き出て来ている。本作を特に象徴するナンバーはLydia Lunchと共作した『Death Valley '69』か。初期の曲では一番ヘヴィかつ荒々しいナンバーだと思う。

 初期の作品は派手さもなく、どこか暗くて不穏で、ポストパンク、ノー・ウェイブ色が非常に濃いものばかりだけど、これもまたSonic Youthで、この後の作品でもしっかりとその要素を引き継いでいる。若干の聴きづらさはあると思うけど、是非聴いていただきたいです。

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