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Superchunk / Majesty Shredding

 2010年リリース作。活動休止を挟んでいるので、約9年ぶりのフルアルバムリリースとなった。その間に『Cup of Sand』やライブ盤をリリースし、活動自体も2006年頃から単発でライブを行っていたけど、2009年に『Leves in the Gutter』というEPをリリースしたことでいよいよ本格的に再始動。シングル『Crossed Wires』もリリースされ、それから約1年後、本作がついにリリースされている。
 その音ですが、これこそSuperchunkの音! 1曲目『Digging for Something』からポップさとパンクさが合わさっていて、ついにSuperchunkが帰って来た、と当時は思った。活動休止中に自分達の音楽を見つめ直したのかは分からないけど、まるで初期の頃のようなパンキッシュさと、素晴らしいメロディを携えて、もはやベテランバンドの域にありながら新人バンドのように瑞々しい音を奏でている。彼らの原点はパンクであり、それが芯となっているので、9年ぶりのアルバムにも関わらず、それを感じさせない。勿論初期のようなパンキッシュさだけでなく、2000年前後のアルバムのようなミドルテンポの曲もある。まさにファン待望のアルバムでありながら、昔を回顧したようなものではなく、現在進行形の音楽を鳴らしている。シングル曲も素晴らしいけど、特に好きなのは『Rope Light』で、疾走感がありつつもサビは非常にポップで、こういう曲はSuperchunkにしか書けないだろうな、と思う。最終曲の『Everything At Once』もドラマチックなメロディだけど結構曲調は激しめだったりして、その相異なる要素が上手く組み合わさっている。久々のアルバムなので、きっとバンド側も気合が入っていたんだと思う。改めて聴いてみたけど、本当に良いアルバム。


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