映画「トノバン」

kino cinema立川にて鑑賞。

映画は、縁ある人たちのインタビューがメイン。
そこに貴重映像や音源、写真などがはさまっている構成でした。

高橋幸宏、坂本龍一(声のみ)、泉谷しげる、つのだ⭐︎ひろ、きたやまおさむ、高中正義、坂崎幸之助、林立夫、小原礼、コシノジュンコなどがコメント。
サディスティック・ミカ・バンドのアルバムをプロデュースしたクリス・トーマスも。この人はビートルズとも仕事をしたすごい人です。

映画では主に、デビューからソロのヨーロッパ3部作までを振り返っています。

その中ではやはりサディスティック・ミカ・バンドの結成やレコーディングの裏話がおもしろかった。

イギリスのテレビに出た時の映像が流れましたが最高にかっこいい!
これが1975年。YMO結成より前です。
他にも何曲かミカバンドの曲が流れたけど、映画館の大音量で聴くのはシビれましたね。
音楽を映画館で聴く意味ってあるよな。

加藤さんは優れたプロデューサーでもあった。
私は泉谷しげるファンで、加藤さんプロデュースのアルバムを何枚か聴いてて、どれもいいんですよ。
バックバンドがミカバンドの曲もあるし。
『80のバラッド』は名盤なんですが、「流れゆく君へ」のスタジオライブかなんかの映像の一部を見られたのはよかったな。いいとこで切られたけど(笑)

ヨーロッパ三部作は私はまったく知らなかった。
YMOが3人とも海外でのレコーディングに参加してたとは。
細野さんだけコメントがなかったのは、ライバル関係だったからなの…?

加藤和彦さんの生活ぶりとかグルメな面も語られ、とにかく何でも超一流を好む人で、おしゃれも料理も、一番高いものを好んだとか。

音楽に関しても、常に新しいことをやりたがったらしい。
ミュージシャンというよりアーティストだなと思いました。なかなか、そう言い切れる人って少ないけど。本物のアーティスト。
そこにいろんな人がついていったんでしょうね。

2009年に加藤さんは自死という形で62年の生涯を終えた。
映画では触れないのかと思ったら普通に触れてた。
高中正義さんの追悼演奏にグッときました。

そしてラストは高野寛、高田漣、坂本美雨、きたやまおさむ、坂崎幸之助などによる「あの素晴らしい愛をもう一度」のニューバージョン。
その頃には高橋幸宏さんは亡くなっていましたが、幸宏さんのドラムも薄く入っているそう。

スタッフのみなさんでの大合唱までは入れなくてよかったかも… と思いましたが。この映画とか加藤さんにはそぐわない気がして。
でもきっと、この曲をみんなで歌った世代もいるだろうからなあ。そういう人は懐かしさを感じるのかも。


私はYMOファンなので、加藤さんと同世代の細野さんやはっぴいえんどなどが日本語ロックの祖というイメージが強い。
でも、加藤和彦さんや、スパイダースのかまやつひろしさんとか、すごい人たちが同時期にいたんだよね。
加藤さんは今の日本のロックやJ-POPの、まぎれもない礎のひとりです。

サディスティックミカバンドはちゃんと聴こうと思ったし、ヨーロッパ三部作も気になる!

これも加藤和彦さん作曲作品↓

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