印刷できないエリアにデザインしても刷れません
「くわえ」と呼ばれる部分にはインキが全く付きません
プリンターでも四辺数ミリはトナーが乗らない(プリントできない)部分があるのはご存知だとは思いますが、印刷でもインキが全く付かない部分があります。
用紙を印刷機の爪でくわえる部分を「くわえ」と呼びますが、この部分には全くインキがつかない(=刷れない)のです。
くわえについてはこちらをご覧ください。
印刷する機械にもよりますが、くわえはだいたい10ミリです。といっても、印刷の際は仕上がりサイズより大きい紙を使って印刷するので、デザインする上で特に意識をする必要はありません。
下の図は菊判半裁という紙に仕上がりサイズA4のものを4面付けたものです。通常はこのように面付けされるのでいちいちくわえを気にしてデザインする必要はありません。
既製品の封筒やハガキには気をつけてください
しかし、これが既製品になってくると話が違ってきます。気を付けなければいけないのは既製品の封筒やハガキです。
下の図は長3というサイズの封筒の面付け画面です。
図の赤い部分がくわえとなりますので、長3封筒をデザインする際は10ミリあけていかなければいけません。
印刷で何とかしてと言われても物理的にできないのですが、くわえを考慮されずに入稿されるデータが多いです。
例えば下の図のような封筒は刷れません。くわえを避けてデザインする必要があります。
また、下の図は右側にベロ(フタ)がある想定でデザインしていますが、面付けの際は回転させて面付けしますので、刷れません。
またハガキの印刷にはオフセット印刷でもPOD(オンデマンド印刷)でもたいてい4丁付けのはがきを使用します。
こちらもオフセットで刷る場合はくわえを10ミリ程度考慮してデザインする必要があります。PODで刷る場合は10ミリも必要ないですが、PODは微妙に見当がずれますので、余裕を持たせたデザインをした方がよいでしょう。
【余談】合わせて覚えておきたいこと
PODでは仕上がりギリギリの位置にオブジェクトを配置するのはやめましょう
くわえの話とは全く関係がないのですが、先ほどPODの見当ずれの話が出てきたのでちょっとだけ話をさせてください。
PODは印刷前にきっちりと表裏の見当をあわせても刷っているうちにずれてきます。こちらにも書いてあります。
オフセット印刷に比べてPODはかなり位置精度が低いので仕上がりギリギリの位置(内側)にオブジェクトを配置すると仕上がりにかかってしまうなんてこともあります。
印刷屋なんだからどうにかしろと言われても、ここはなかなか厳しいところです。
仕上がり位置から2~3mm以内にレイアウトするようにすると安心です。
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