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「どうする家康」第10回「側室をどうする!」「よーしよしよし」と腹をさするお葉に、畑正憲、ムツゴロウ動物王国を思い出すのは、昭和の人である。

さてね、「どうする家康」第10回「側室をどうする!」である。

 みんな、WBCを見ていて、あんまり見ていないかもしれないが、前回の感想で僕は「どうする家康」は「世界系エロゲー」である、という珍解釈をしたのだが、今回の内容はその「エロゲー的ひとやすみエピソード」回であったようだ。親子で見ていると気まずい回。

 真面目に論評する人は「戦国時代の正室と側室の関係についての、最新研究を反映したシナリオで素晴らしい」と真面目な感想を披露したりしている。つまり、正室が側室を自分の管理下に置くためにも、自分の元で働いていた女性の中から、自ら側室を選んだりするわけだ。於大の方も、側室が必要な理由を、箇条書きプレゼンみたいに明確に説明していて面白かった。

 また、瀬名と家康が夫婦仲が良かったのに子供が初めの二人で止まったこと、初の側室のお葉が、女児一人(督姫)を設けたのみであること、しかしその後も長く家康の元にいたのはなぜか、などという史実の隙間を、お葉のLGBT設定など独自解釈でつないだ回である、という真面目に評価する声もあった。

 あったんだけどさ、今回、「どうする家康」見てきた史上いちばん笑った、お葉の初夜伽の描写。お葉が家康の耳を狙ってするどい攻撃を繰り出した後、バックをとったりマウントをとったりした後、バックから完全にコントロールしておなかを「よーしよしよし」。おそらく、岡田准一の格闘技指導が入っていたと見た。ウソ。お葉役の北香那は『鎌倉殿の13人』源頼家(金子大地)の正室・つつじ役に続く、二年連続大河で印象的な好演でした。

 その前に、お葉に対し、瀬名と酒井忠次の妻・登世と於大の方(松嶋菜々子)が、夜伽のノウハウを教え込むシーンで、瀬名が

①家康は耳が弱い。

②おさえこんで腹を「よしよし」と撫でてやると、もう思いのまま。

と、超恥ずかしい家康性癖を瀬名が暴露。聞いていた於大の方・松嶋菜々子が「オエっ」て。そんなドリフ⇒志村けん番組のコント以外で「オエっ」てほんとに言うの初めて聞いた。

 ちなみに「耳をつかむ」「お腹をよしよし」というのは兎制御方法であり、「トラじゃなくてウサギ」というこのドラマでの家康設定から創作された家康性癖である、との指摘もツイッター上にはあった。なかなか鋭い。

 さらにツイッター上の投稿で笑ったのが「畑正憲の動物扱いを思い出した」というやつ。年齢がわかるな。むりやりつかまえて動物が迷惑そうにしているのに「よーしよしよし」と撫でたり舐めたりすると動物が嫌がりつつおとなしくなるというの、たしかにムツゴロウのどうぶつ王国、定期的にテレビ番組で見ていたな。

 笑えないのは、今、英国BBCでジャニーズ事務所、過去のジャニー喜多川氏の男子タレントへの性加害が大きく扱われ、追求されており、世界的に問題になっているのだが、「松潤も被害者だったのでは、ジャニー喜多川氏によーしよしよしとされていたのでは」という方向に想像を膨らませてしまったツイートが散見されたこと。それこそ、オエっである。

「エロゲー」小ネタ的には、側室オーディションで、妙になまめかしいのが一人混じっていて、松潤はノリノリだったのに瀬名に却下されたの、あれはグラビアアイドル清水あいり。清水あいり自身のツイッターで

「側室候補に "ほぼ清水あいり"で出演させて頂きました

感想ツイート、リプ、拝見しました。笑ってる人がほとんどで

幸せです

そして何を血迷ったのか…

私を起用してくださったスタッフの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです涙」

とツイートしておった。

 下品な今回のとどめはムロツヨシ秀吉。お市の方が浅井長政に嫁いだことを家康に報告しつつ「いっぺえぐらいやっときゃよかったと思ってござるわな」と家康の股間を掴む。「ひえっへっへっへ」下品の極み。

 そんな中で、瀬名の微妙な寂しさ、気持ちを有村架純ちゃんが好演しておったなあ。「家康さまは女を見る目がない」といいつつ「私以外は」っていうシーンがあって、そうなんだよな、パートナーの異性を見る目が無いとすると、選ばれた自分もダメ、ということになるので、そこんところ、なかなか微妙なところなのである。しかし、「家康に女を見る目」があって、つぎつぎ納得の女性を側室にされても、それはそれで嫌なのである。

 家康松潤が「今夜もお葉を呼んでも構わぬか」と瀬名に聞くシーンがあるのだが、そんなこと、聞くもんなんだなあ。それで、精がつくという煎じ薬を、以前、「瀬名とする」ためには嫌がっていたのに、「お葉とする」ためなら、二杯もおかわりして飲むのだ家康は。家康の「人の心がわからないダメっぷり」が、今回もちゃんと描かれていました。

 この煎じ薬シーン、鎌倉殿最終盤の、菊地凛子が義時に毒を飲ませていたのを思い出させて、ヒヤッとするよなあ。

 ドラマ最後から予告編にかけては、織田信長左手伸ばしたまんま矢をつぎつぎ連射という岡田准一のちょい見せ場、武田信玄、ついに鎧兜姿チラ見せ、そして今川氏真に夫を殺させた田鶴も予告編で女武将姿で登場。次回は戦国時代らしくなりますよ。ということなのでしょう。

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