見出し画像

今日から始まったTBS日曜劇場「日本沈没」、小松左京原作とは関係なく、おそらく田所博士のモデルは、苫小牧大地震を、その五年前に予言していた、あの人だと思う。

 今日から始まったTBS日曜劇場「日本沈没」。この前の地震直後でタイムリーとか、いろいろ話題だが、これ、小松左京原作とは全然関係ない、最新のいろいろヤバイネタぶっこまれていて、「うわ、いいのかよ」と思いつつ見ていました。


 スロースリップとかは、この前noteを書いた「NHKスペシャル「MEGAQUAKE 巨大地震 2021 〜震災10年 科学はどこまで迫れたか〜」を見て。個別研究は進んでいるが、地震学会とNHKのこの十年の歩み、一歩後退、腰引け気味なことを憂う。」、あれでも最新地震予知の鍵となる現象として研究が進んでいることが紹介されていた。


 みたいなのはまあ、いいのだが、今回いちばんヤバイネタは、冒頭、温暖化に関する国際会議で仲村トオル演じる総理がぶち上げていた、環境省の小栗旬演じる天海が手掛けたプロジェクト、COMS Celstec Origin Mining SysteSystemだろう。「9000mの岩盤のスキマに存在するCO2を出さないエネルギー物質Celstecをパイプを通して抽出するシステムを稼働しました」なんだが、「これが原因で関東地方は沈没する」と、香川照之演じる田所博士が大騒ぎしているのだ。


 もちろんそんな物質もプロジェクトもない。架空のものだ。しかしだなあ、問題は、CCSっていうプロジェクトは、実際に環境省・経産省共同の、温暖化対策として存在して、これが原因で人工地震が起きているんじゃないか、と言う問題は、国会でも問題になったことがあるんだな。炭酸ガスを高圧液化して、地層深くに注入するというプロジェクトで、実験が行われている各地で、地震が起きちゃっていて、関連性があるのでは、ということで国会でも質問されたことがあるんだな。もちろん、ドラマ同様、政府も学者も否定しているんだけど。一人だけ、田所博士みたいな、学会を追放された怪しい学者が追及し続けているんだけど。だから、今日のドラマ、その事実にそのまんま乗っかった、かなりリアルな話だったのだ。「関東沈没」はリアルじゃないけれど、温暖化対策の大プロジェクトが大地震を引き起こしているんじゃないかと訴えている、学会から追放された学者がいて、予言通り、大地震が起きちゃった、というのは、この日本で、つい数年前に起きていることなんだな。そのとき調べ物をして書いたブログを転載するね。


2018年9月18日の僕のブログ。以下引用。

苫小牧での地震。都市伝説?陰謀論?主張している人は怪しいが、事実はどうなんだろう。 [閲読注意]

苫小牧での大地震を、原因根拠を挙げて予想、警告していた人がいます。
 その人物(石田昭氏)が、専門の地震についての研究以外では、トンデモ科学と陰謀論まみれの、非常に怪しい人物であり(幸福の科学の幸福実現党から選挙に出たりもしています。)、地震関連でも学会主流派にからはトンデモ学説として相手にされていません。よって、マスメディアで取り上げられたことはほとんどありません。
 紹介するブログは、そうした事情はひとまず横におき、地震発生メカニズムについての理論と、具体的第三者的に確認できる事実のみから、この予想的中と、その根拠となっている事象について、注目に値するのでは、として取り上げているようです。
①アメリカでいくつも研究、論文が発表されている通り、石油や天然ガス採掘、工業廃水処理のために、地下に不用意に高い圧力を掛けて、液体その他を圧入することが、人工的に地震を引き起こす元になることは科学的事実として認知されている。アメリカで過去ほとんが起きていない地域で、このような工事が行われた直後に地震が頻発し、工事を中止すると地震が止まることが確認されている。
②日本においては、20年ほど前から、温暖化対策のための、CCSという技術の開発、実証実験が行われている。CCSとはCarbon dioxide Capture and Storageの略であり、火力発電所や製油所、製鉄所など大規模工場から排出されるCO2(Carbon dioxide)を大気中に放出する前に捉えて(Capture)、地中に貯留する(Storage)技術のことだ。確かに、化石燃料を燃やすことで発生するCO2を地下に埋めてしまうことができれば、エネルギーの利用と温暖化対策の両立が可能になる。
CCSを進めている日本CCS株式会社は、主に電力会社と日本を代表する大企業出資して作られた企業。政府からも大規模な資金援助がされている。株主一覧を貼っておく。つまり、国家的大プロジェクトである。
 株主一覧
北海道電力株式会社 東北電力株式会社 東京電力ホールディングス株式会社 中部電力株式会社 北陸電力株式会社 関西電力株式会社 中国電力株式会社 四国電力株式会社 九州電力株式会社 沖縄電力株式会社 電源開発株式会社 JFEエンジニアリング株式会社
新日鉄住金エンジニアリング株式会社 千代田化工建設株式会社
東洋エンジニアリング株式会社 日揮株式会社 国際石油開発帝石株式会社
石油資源開発株式会社 三井石油開発株式会社 出光興産株式会社
コスモ石油株式会社 JXTGエネルギー株式会社 昭和シェル石油株式会社
伊藤忠商事株式会社 住友商事株式会社 丸紅株式会社 三菱商事株式会社
JFEスチール株式会社 新日鐵住金株式会社 大阪ガス株式会社 東京ガス株式会
三菱ガス化学株式会社 三菱マテリアル株式会社 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
エヌケーケーシームレス鋼管株式会社
④ここからが問題なのだが、CCSの実証実験が、今行われているのは、苫小牧、北九州であり、東日本大震災で中止されたが福島いわき沖でも実証実験は行われていた。それに先立つ先行実験が新潟の長岡と、秋田県雄勝でデータ収集のためのより小規模な実験が行われていた。
実験が行われた近辺で、実験から1年~数年内に、大地震が(北九州以外)もれなく起きている。
ブログ記事から引用すると
「中越地震、中越沖地震と云う二つの地震を起こした疑念のある新潟県長岡市でのCCS、岩手・宮城内陸地震を起こした疑念のある秋田県雄勝実験場でのCCS、そして東北大震災の津波災害を引き起こした可能性のある福島県いわき市沖でのCCS」
さらに引用すると
「中越地震(2004.10.23)は、圧入から(2003.7.7)1年3ヶ月後に発生し、中越沖地震(2007.7.16)は、圧入から4年後に発生しています。
トータル10,405トンを圧入して、中越地震後の2005年1月11日12時に完了となっています。
(因みに、長岡の実証試験はデータの収集が目的であり、勿来沖、苫小牧沖、などは本格事業です。勿来沖での圧入事業も、東北大震災のあと、中止され、苫小牧沖に移っています。北九州でも本格事業が進行中です。)」
⑥上記の地震に共通する特徴は、地震の揺れの加速度が非常に大きいことで、通常のプレート破壊型の地震の数倍の加速度が観測されている。(地震の波形が、地下核実験をしたときの人工地震に近いことから、陰謀論大好きな人たちの間で人工地震説が取りざたされることが多い。しかし、石田氏は、地下に水を封入した結果起きる解離水爆発による地震はこのような強い加速度の揺れが生じると主張している。)
⑦こうしたことから、石田氏は、大規模な実証実験が苫小牧で始まり、地下へのCO2封入が本格的に始まる2016年以降に大地震のリスクが高まることを、五年前に警告している。(YouTube動画あり。ただし、いろいろな陰謀論がどんどん出てくるので、見ていると信ぴょう性がどんどん落ちる、というトンデモ動画ではある。)
さて、ここから、私の感想なんですが、
 CCSの進行主体は、実に原発推進主体とほぼまるかぶりで、原発推進主犯の東電元会長勝俣氏が推進者の名前の筆頭に上がり、原発擁護論客として、NHKあさいちでイノッチにこてんぱんにされた東電出身の「竹内純子氏」(国際環境経済研究所主席研究員)が推進の旗振り役になっているあたり、なかなかいろいろありそうですが。 
 善意で解釈するならば、火力発電でCO2を大量排出する電力会社が、その社会的責任から、C02を地中処理する方法を一生懸命研究開発しているのだ、ということなのだと思うわけですが。
 しかしどうも、結果として、実証実験するたびに大地震を引き起こしている可能性が、どんどん高まっているので、これは、いったん立ち止まって、もしかしたら、善意からはじめたことだけれど、間違っていたのかも、と見直す必要がありそうだと思うのですが。
 しかし、原発推進メンバーの特徴は「自分たちは世界でいちばん頭のいいエリート集団なので、ぜったいに間違いはおかさない」「まずいことは金と権力の力で隠蔽する」「間違いは絶対に認めないし、責任も絶対認めない」という人たちですよね。
 たしかにこれだけたくんさんの死者を出した複数の大地震が、CCSの結果起きていた、なんてことになったら、だれも責任とりようがない大事件ですよね。リスクが指摘されていたのに、実験を続けたのだとしたら、責任者全員死刑かも。
(実は、国会で一度だけ、CCS実験と中越地震の関連について質問がされたようです。)
 善意からの事業、実験だとしても、ふつう地震がおきにくい場所で、大規模な地震を引き起こすリスクがCCS事業にはありそうなので、ここはメディアがきちんと取り上げて、いったん、ストップをかけた方がよさそうだと思いませんか。
(これは、私のブログを書き始めた、原発推進自体が当初は善意だったとしても、間違ったと思ったらやめた方が良い。間違えた人は責任を取るべき論と同じ立場です。)
CCSを進めている人たち、というのが確実にいて、「あっちゃー、苫小牧でも地震起こしちゃったよー」なんて思いながらも、「でもこの件は絶対に表沙汰にしてはならないし、ならないように偉い人たちが手を回すから大丈夫」なんて言いつつ、北九州のプロジェクトも止めずに進めるつもりなのでしょうか。
 次は北九州かもしれないですし、もっと怖いことには。ブログから。
「一番恐ろしいのは、千葉県の東京湾岸でもCCSが計画されていることだ。これがそのまま進行すれば、必ず東京都に大地震が発生する。」
信じる、信じないはあなた次第の都市伝説、ならいいのですが、なんか、本当にまずい感じがするので、とりあえず、紹介しておきます。


引用おしまい。


もうちょっと科学的な理論についての論争紹介したブログも、その少し前、9月9日に書いている。
引用します。

CCSの圧入地点深度は3000m、地震の震源は37キロ、水平距離的にも20キロくらい離れている、だからデマなのか。 [文学中年的、考えすぎ的、]

CCSと苫小牧地震の関連について、真面目な人たちが
「胆振東部地震北海道大地震を人為だと言っているモノへ
CCSは地下3000mで行うものです。
地下3000mには泥の層が有るのみで、断層はありません。
都市伝説を信じるのはやめましょう。
今回の地震は地下30kmが震源と発表されたのを思い出しましょう。」
「2〜3kmと37kmじゃ全然違うし、その間に泥岩の遮蔽層まであるのに、どうやってCO2が浸透すんねん!しかも気体が液体と混合したからってすぐさま地下に向かうんか!地球物理学なめんなよ!!アホ抜かしやがって!!」
とツイートして、デマ、都市伝説だ、と警告するツイートをしていますが、
さらに真面目な私は、五年前に警告していた石田昭氏の著書
『「地震学」と「火山学」―ここが間違っている 「地震」も「火山」も「マグマ」が引き起こす爆発だ! 』単行本 – 2014/12/17石田 昭 (著)をAmazonでポチって、すでに読んでみたのである。(もう何冊か注文したが、まだ来ていない。)
 地下で圧がかかった地下水は、上から押されるとトコロテン式に移動するので、注入する地点そのものが震源になるわけではない。というのが著者の理論。長岡市のCCSは1100m、わずか1キロのところに注入して、震源の深さは、中越地震が深さ13キロ、中越沖地震が深さ17キロ、水平距離でも20キロ離れた地点で地震が起きています。
 秋田雄勝の実験場と、宮城岩手内陸地震の震源の距離も27キロ離れています。
CCSを進めている「RITE(地球環境産業技術研究機構)」の責任者と著者は直接議論していますが、担当者は、圧入している層は不透過層(気体も液体も通さない)に上下を挟まれているので、地下水をトコロテン式に押ない、という立場をとっており、だから安全という主張ですが、筆者は、注入したCO2に対して、回収率される地下水の量が少ない=回収率が低いことから、どこかにトコロテン式に深部まで圧がかかって地下水が移動していく、と考えています。
 そして、「海外ではCCSは安全」というのは、火山国でないところでは、地下マグマの深度が十分深いので、地下に圧がかかって移動した水が、解離(水素・酸素に分離イオン化)するリスクが低いが、日本のような火山国では、たいてい活火山がすぐ近くにあり(苫小牧ではすぐ近くに樽前山がある。)解離水爆発が生じやすい、ということです。
 著者はまた、「断層に水がしみ込むから地震が起きる」などと主張しているのではなく、これは因果関係が逆だと主張しています。解離ガス爆発で地震が起きた結果として断層が生じる、という主張です。(爆発の方向により、断層の種類が変わる)。よって「地下3000mに断層なんて無いから、デマ」という反論は、まるでピント外れ、ということになります。
 くりかえしになりますが、科学的正しさについては、私には分からないです。が、状況証拠的に、CCS実験をした付近で、実験開始から1~4年程度の間に、加速度が非常に大きい地震がもれなく生じている。 (岩手宮城内陸地震は4022ガルでギネス記録に認定されたそうです。中越も中越沖も、苫小牧の地震も、1500ガル前後という加速度。ちなみに阪神淡路大地震が800ガル程度。) ということを考えると、メカニズムがすべてこの著者の言う通りかどうかはわからないが、なんらかの因果関係を疑って、CSS事業は一度見直す、いったん停止するのが良いというのが、私の意見です。
実験地点と震源地の距離や深さ関係も、深さ、水平距離とも20~30キロ程度離れているパターンのようなので、これは、地下水の解離は、注入地点から、その程度の距離までトコロテン式におされたところで起きる、ということのようです。
 むきになって否定する人は、「メカニズム、因果関係が解明されていない」ことと、「因果関係が無いこと」の区別がついていないようで、その方が非科学的態度です。相手の主張や、共通の現象を調べもしらないで、自分の狭い知識や先入観で、「都市伝説」「デマ」と決めつける態度、原発推進派の、原発事故直後の「ストロンチウムやプルトニウムは重たいから飛ばない」を思い出させますね。(後に横浜の中学校屋上で福島由来のストロンチウムが高濃度で発見されている。)
 セシウムボールと原発事故直後の鼻血、内部被ばくの関係も、事故後何年もたってからわかってきたことで、当時は薄らバカな放射線専門家や医師たちが、「福島事故程度の放射性物質の拡散と線量で鼻血なんか出るわけがない(骨髄造血作用被爆影響からの鼻血しか連想できなかった)と」と、鼻血が出たことを不安視した人たちの声をデマ扱いしたことを思い出させます。
 追記
直接利害関係ないのに、いきなり信じる人も、いきなりデマだと決めつける人も、おんなじくらいおバカだと思う。調べる学習する、科学的議論だけでなく、賛成反対の人の、政治的経済的利害関係を読む。それから、学会の主導権争い、権威主義というようなことも、考慮に入れた方が良い。学会傍流であるがゆえに、一部真実を含んでいるのに弾圧されて、社会にとっては不利益になること、がよく起きる。(医学の世界での丸山ワクチンとか)、 そうした検討の後に、態度を決めた方が良い。経験的に「視野の狭い理系専門家」は、たいていいきなりデマだと否定する。それから、現政権や経済界と利益を共通にする人も、「デマ」と否定する。反政権的傾向を持つ人は、割と信じやすい。しかし、結局、こういうことは「科学的真実は、当分はわからない」。その議論をしている間も。事態は進む。やるべきことは「態度を決める」こと。科学的真実はわからないけれど、「やめた方がいいんじゃないか」というのが僕の今のところの判断かな。もう少し考える。

過去のブログ引用おしまい。

ということで、「千葉・東京湾岸のCCS計画」が、今、どうなっているのかよく分からないんですが、「千葉北部・東京湾岸直下型地震」が最近、わりとよく起きているのも、なんだが気になりますよね。

 石田昭博士という、田所博士みたいな、怪しいけれど、孤立しているけれど、苫小牧の大地震を予言して当てちゃった人物が現実にいて、CCSの危険を警告し続けていた、ということ。おそらく脚本家の人は、こういうこと、全部調べて、知った上で書いていると思いますよね。

 そう思って見ると、「日本沈没」がまた、なかなかに味わい深いものになると思うわけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?