ウクライナへのロシア侵攻中のFacebook投稿保存 3/8 分 Netflix『ウィンター・オン・ファイアー~ウクライナ自由への闘い』と オリバーストーンの『ウクライナ・オン・ファイアー』同じ2013~14のマイダン革命を、真反対から描いているのを分析。

3月8日 12:23 ·
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 高校同級生のミスターNHK後藤君が昨日答えてくれた通り、月曜のワールドニュースは今までも一週間の中で貧弱な編成なので、火曜、今日からは普通に戻るはずということで、彼の言う通り、今日はロシア国営テレビ、ありました。やはり、第二部六時からの、ドイツDF→ロシア国営テレビ→アルジャジーラという流れは、BBC/CNN論調との違いを確認する意味で必須ですね。偉いぞNHK。昨日は批判してごめん。


 話は変わりますが、昨日の「にわか勉強について」の投稿コメント欄に、電通先輩で、『コンテキスター見聞記~半農半Xから国つ神へ』(初めの投稿で書名が、間違っていました。お詫びして訂正します)の著者である田中文夫さんから、
「ついにNetflixを契約しました。
『ウィンター・オン・ファイアー~ウクライナ自由への闘い』を見るためです。
オリバーストーンの『ウクライナ・オン・ファイアー』も見て、ウクライナの2013年冬をニワカ勉強中」
とコメントをいただきました。


 この二本のドキュメンタリーもまた、全く真反対から「ウクライナの2013~2014」を描いているので、両方、ちゃんと見ないとダメなんですよね。
 Netflixの方を見ると、CNNやBBCの、今回の戦争を報道するのと同じ角度、同じ手法なのが分かります。無法な親ロシア政権に、けなげに勇敢に抵抗するキエフ市民。しかし、無情にも残酷な親ロシア・この場合は警察部隊ベルクトにより、犠牲者がどんどん出て。しかし、市民はくじけず、協力して抵抗を続け、という描き方。
 一方のオリバーストーンには、NHK「世界のドキュメンタリー」で放送されたプーチン密着インタビューがあるように、プーチン側の主張に沿って、ひとつひとつ丹念に、ウクライナ成立の歴史的事実から、第二次大戦中のウクライナのナチス協力、その残党が(ドイツのナチスは戦犯として裁かれたのに)冷戦の中で、アメリカ、CIAに利用され生き延び、今につながって米国の利益に利用され続けていることを、具体的な人物の行動、政治活動として映像として実証していきます。今回プーチンが「ウクライナ民族主義者のネオナチ」と繰り返すことに対し「はあ?何言ってんの」と思った人は、オリバーストーンのやつ見ないとダメだよ。ただし、「明らかな歴史的事実」と「明らかになっていないのに、ロシア側がごまかしている部分、オリヴァーストーンもあいまいにしている部分」への批判意識はしっかり感度を上げて見ないとダメだよ。
 例えば、Netflixの方でも、マイダン革命で一番最初の死者となった、セルゲイ・ニゴヤンについては生前の人柄から死まで、その死の与えた影響についても詳しく描いている。オリヴァースートンの方でも、彼が暴力的でも過激でもなく、素朴で希望に満ちた好青年だと描写している。彼がそういう人物で合ったがゆえに、愛国者の象徴的犠牲者、聖人の役割を与えられて、ウクライナ側の裏切りで殺されたという見解濃厚に匂わせつつ、真相は解明されていない、としている。たしかに、イエスキリストのような風貌の好青年なのである。事実として彼の死がマイダン革命におけるひとつの転機になり、彼が「聖人」のように扱われたことはあるのだが、それを「市民の後ろにいるアメリカ側謀略」と決めつけるのは、やはりちょいと無理があるかなあと思う。
 いずれにせよ。CNN、BBCベースの報道だけを聞いていると「プーチン、ついに頭がいかれたか」というふうにしか思えないわけですが、この、オリヴァーストーンのやつを見ると、言っていることは一貫していることがわかります。オデッサの悲劇とか、「何言ってんの?」の人は、ちゃんと見ましょう。
 どちらサイドの普通の市民も被害者であることは確かで、一方、どちらサイドにも、まず国民として、暴力的な勢力(極右)がいて、その背後に大国の動きがある。それを知った上で言えるのは、「とにかくまずは、一旦停戦しよう」としか言えないと思うのだよな。
 あと、オリヴァーストーンが繰り返す、民主的反政府運動で集まる市民の運動を、暴力的暴動にまで高める技術ノウハウ(シンボルのデザイン、歌、呼びかけの言葉など)が確立していて、それが世界各地で繰り返されているという部分は、SF作家伊藤計劃の傑作『虐殺器官』そのもの、ああ、これ、ほんとうだったんだ、という恐怖。ここも必見かと思います。
コメント欄にリンク貼っておきます。名前が似ているけれど、正反対の内容ですよ。

https://www.netflix.com/title/80031666



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