第一回バンドTシャツ市場調査
みなさんはバンドTシャツって持っていますか?
音楽好きの方もそうではない方も、一枚くらいは持ってるかもしれません。
バンドTで多く見られるバンド。
あなたは何を思い浮かべるでしょう?
METALLICA、NIRVANA、ガンズ、RHCPなどなど色々とあると思います。
そういったバンド(今回はバンド以外の音楽関連のマーチも一括してバンドと呼ばせていただきます)のマーチの多くは、正規品だったりコピー品だったり色々と存在しますが、その多くが古着屋から流通していると思います。
実際に古着屋に行くとそういう一画があったりするしね。
そこで疑問が。
今のバンドTのトレンドってどんなバンドなんでしょう?
前述のバンドTでよく見るバンドって、数年前のイメージな気がするんですよね。
この実態を知るには、実際にお店に行って確かめるしかない。
かなり安直な考え方ですが、店舗に出ている物(供給)は、それなりに売れる見込みがある物(需要)であって、つまりは陳列されていれば、今人気のあるアイテムということになるかと思います。
ということで、やって来ました下北沢。
ご存知の方も多いとは思いますが、古着屋にも店ごとの特色があり、比較的安価なレギュラーを取扱う店、年代モノを揃える店、変わった一点モノを置く店など十人十色。
今回はレギュラーを主に扱うお店にお邪魔します。
ちなみに、無許可なので店名は伏せさせていただきます。
店名を知りたい場合は私に個人的に聞いてください。
しかし、よくよく考えると今(11月某日)の時期、古着屋にTシャツなんか置いてなさそうなんですよね。
あっても、小さめのラック一個分くらい。
果たして、どんなバンドが今売られているのか。
そもそも、バンドT以前にTシャツを見つけることができるのか。
そうこうしているうちに一軒目に到着。
まずは下北沢駅から南に位置する某店・N。
どこかサンフランシスコやロサンゼルスを想起させる雰囲気のこちらの店舗は、かなり多く数の店舗をチェーン展開をしており、店舗の広さ、物量、価格の安さは下北沢でも随一。
ここなら、このシーズンでもバンドTシャツがあるのではないか!
今人気のアーティストを知れるのではないか!
完全に裏目でした。全くバンドTが無い。
というか、Tシャツ自体無い。当たり前だ。
長〜いラックから一着一着捲るたび、少し上げた腕に溜まる疲労感。
圧倒的物量の前に敗北。
恐らくは量が売りであるため、店頭に出すアイテムを一つずつセレクトしているというわけではなく、入荷した分をドカッと並べて、その中から探し当てろ!というスタイル。
音楽関係の服も少なからず存在はしましたが、そのラインナップは、
まあ、捉え方によっては尖ってるんだろうけど、バンドTを選んで置いている、というよりかは、大量入荷した中にたまたま入ってただけな感じがする。
だって、ルーク・ブライアン、ケニー・ロギンス、ビートルズ、レディガガってアメリカのリサイクルショップとかに並んでそうだもん。
まあ、そんな古着屋の分析はどうでもいいんですけどもね。
そんなことを考えているうちに次のお店に到着。
2軒目は某店・W。
こちらの店舗も広い床面積に高い物量を誇る有名店。
古着だけでは無く、オリジナルのアパレルを展開しており、そこではバンドのデザインがプリントされたTシャツを販売しています。
そう。
ここなら、このシーズンでもバンドTシャツがあるのではないか!
今人気のアーティストを知れるのではないか!
こちらも流石の人気店。物量はなかなかのものでした。
しかし、しっかりとカテゴリ毎に分類されたレイアウトで、入店してすぐにバンドTシャツのコーナーを発見。
この季節でも、あるところにはある。
ラインナップはこんな感じ。
良いね、こういうのだよ。
これくらい無いと話が始まらない。
傾向としては俗に言う、60〜70年代のクラシックロックが多め。
マーチの弾数の多さは活動歴の長さと言っても良いと思う。
その中でもとりわけ数が多かったのが、Grateful Dead。
可愛げのあるカラフルな熊だったり、ハードな印象でアクセントにもなるドクロのロゴだったり、色々な種類のTシャツが明らかに他のアーティストよりも並んでいました。
何より特徴的なのはタイダイ柄で、タイダイ柄は数年前から毎年のように今年のトレンドと言われ続けています。
そのアイコン的存在のGrateful Deadが人気なのも頷ける気が。
特にカラフルクマちゃんズはよく見かける気がします。
その次に多かったバンドはIron Maiden。
Iron Maidenも定番で安定したTシャツ人気を誇っている印象。
殆どが一度見たら忘れられない、強烈なアルバムのイラストがそのままプリントされたもの。
しかし、そう考えるとバンドの人気ではなく、イラストレーターのDerek Riggsの人気なのでは?とも思ってしまいます。
Derek Riggsはアイアン・メイデン以外にもGamma RayやStratovariusのアートワークも担当してますし、その辺りのバンドTシャツもイラストレーター繋がりで人気になったら面白いのかも。
The Beatles関連のTシャツもいくつかありましたが、数の割にはあまり街中で見かけないような。
オシャレアイテムというよりも、ファングッズ的な側面が強いのがThe Beatlesなのでしょうか。
Tシャツ棚とは別のレジ裏に掛けられたTシャツの中にあったのはSyd ViciousやMorrissey。
確認はしなかったが、Don't Touchな高額商品なのでしょう。
高額商品とはなるべく関わりたくないので、そそくさと尻尾を巻いて退店。
余談ですが、Morrisseyは分かるとしても、実際、シド・ヴィシャスのTシャツに、当時モノはどれくらいあるのでしょうか。
当時モノと呼ばれる物を写真ではいくつか見たことがあるけど、実物は見たことがないし、大抵は90〜年代のオフィシャルか、ブート品が流通しているんだと思います。
もちろん、バンドTカルチャーにおいては、ブート品も重要なトピックで、ブート品しか存在しないバンドだっていますからね。
と、考えているうちに次の店舗に到着。
W店から近い位置にある某店・B。
B店もいくつかの店舗を持つ有名店で、クラシカルで雰囲気のある内装に、レギュラーアイテムからビンテージまで幅広く揃えられています。
古着に興味を持ち始め、次のステップに行きたい方におすすめの店舗だと思います。
こちらもなんとオフシーズンにも関わらず、Tシャツコーナーが!
というか、普通に数が多くてビックリ。
これ、春夏の時季だったらどれくらいのTシャツを置いてるんだろう......
ということで、以下ラインナップ。
かなり幅広い。メジャーどころがしっかりと抑えられています。W店よりも、コンセプトを持って、選んでいるような感じ。
特にどのアーティストのTシャツが多いということもなく、全体的にバランスがよく並べてあります。
お店の雰囲気的にも、60〜70年代のアイテムが多いのかな、というイメージでしたが、NirvanaやAvenged Sevenfold(?!)などの近年寄りのバンドだったり、BiggieやDr.DreなどのHipHopアーティストのTシャツもあったりとかなり面白いセレクト。
Avenged Sevenfoldは店員さんの趣味でしょうか。
少々ニッチなJoan JettやSyd Barrettのチョイスも面白いです。
W店と同じように、やはりこちらにもGrateful Deadが。
もはや、バンドTの枠を超えた定番のTシャツの一つなのかもしれません。
しかし、こうやって二つの店舗を比べてみると、意外と被りが少ない(もちろん、見落としは多少はあったとは思いますが)。
被っているアーティストは、Grateful Dead、Led Zeppelin、Bob Marley、Morrisseyのみ。
バンドTシャツがメジャーなアイテムになったのはここ10年くらいの感覚ですが、特定のバンドがトレンドになっている、というよりかは、バンドTシャツという存在自体がトレンドになっているのかもしれません。
もし、今後また調査するのであれば季節というものを考えて行動したいと思います。
ありがとうございました。
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