音楽を倍速で聴く人たち~スピードアップソングの現在形~
どうも、ねじまきです。
個人的に注目していた少し前の音楽トレンド、
「スピードアップソング」について少し書こうかなと。
「タイパ」という言葉が流行語になったり、『映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~』という本がヒットしたりな昨今。
時間の限られた若者は、より多くのコンテンツを消費しようと映画やドラマを早送りにして見るんだそう。
(まあ僕もたま~~~~~~にやりますが)
…….当然そういう流れは音楽にもやってきているわけで。
でも、ただ倍速再生するだけでなく、ちょっと違う楽しみ方をされているのです。
そんなスピードアップソング達を今回紹介します。
まずはこちら。
Dream On (speed up) / Aerosmith
まさかのエアロスミスが一発目に出てくるとは思わなかったでしょ?
古臭いと思われて若者に聴かれないかと思いきや、336万回再生とすごい人気ぶり。
まあ確かに原曲のドリーム・オンは正直トロいイントロだったので、これは納得。スティーヴン・タイラーのボーカルが女性みたいに聞こえますね。
ピッチ修正せず、声が高くなったままなのがコミカルでウケるんでしょうか。
原曲を聞き直すと、かなりスローに聞こえる不思議。
Bad Habit (sped up) / Steve Lacy
全米一位をかっさらった最新楽曲もスピードアップ化。
このミニオンみたいでポップな声がZ世代にうけるんでしょうか。
Tiktokでかなり人気あるそうです。
Instagramでもよく耳にしますよね。
That's All Fast / Genesis
ジェネシスのあの曲もスピードアップ化されてたりする。
ジェネシスは全体的にシリアスな曲が多いので、こういうイジり方はある意味正しいのかもしれない。
Bloody Mary (Sped Up / TikTok Remix) / Lady Gaga
お次はレディ・ガガ。
ダンスをうながす元の歌詞と相まって、まさにティックトック向けの曲に変化。
この通りコミカルでダンサブルなスピードアップ・ソングたち。ティックトックのダンスに合うような編集をした結果、元曲にはなかった新しい魅力が生まれているのが分かると思います。
ただ、早送りされてコミカルになった声を楽しむ文化はここ数年だけでなく、実は1958年の段階からあったみたいです。
Witch Doctor / David Seville
声を早送りしてシマリスを再現しようとした曲だそう。
こういうの思いつける人が、文化を拓いていくんでしょうね。
Them Changes (sped up/tiktok version) / Thundercat
サンダーキャットのあの曲も、Tiktokでスピードアップ化されて流行っているみたい。
この曲については、逆にslowed + reverb化もされていたりする。
そういう余白がある曲は今の時代、やっぱり強い。
In Da Club Before Eleven O’ Clock – DJ Rashad
原曲の「In Da Club」のビートのおもさが消え去って、また別種のチャラい音楽になってます。
歌詞が繰り返されてネタのようになっているところが笑えます。
最後におすすめしたいのはこれ。
dumb dumb (sped up) / mazie
DUMB DUMB DUMB DUMB DUMB DUBM
ハンドクラップ(手拍子)があるだけでノリが劇的によくなる。自分も叩いて真似したくなる魅力がある。
これは正直オリジナルテンポよりもこっちのほうが「正」なのでは、と思わせるほどの出来。
リズム天国好きなひとはきっとハマるはず。なんなら本家に収録してくれ。
いかがでしたでしょうか。
Vaporwaveのような「slowdown & reverb」なリミックスが一時期流行りましたが、
スピードアップソングはその反動なのかも。
まあDJは昔から曲のBPM、テンポを変えて流してたわけなので、
今に始まった現象ではないんですが、
「テンポが上がったのが気持ち良い」
というよりは
「曲が完全にガラッと変わって聞こえるのが楽しい」
というのが大きな違いでしょうか。
そしてスピードアップ化させることで最新のポップソングだけでなく、
おっさんしか聴かないと思われていた古いロックも、
こうして若者の人気を得られるというのは面白い現象だなと思います。
この曲も倍速再生したら気持ちいよ!というのがあれば、
気軽にコメント頂けると幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?