有線放送のチャンネルを知る。
『有線放送』ってありますよね。
株式会社USENが提供する音楽放送サービス『USEN MUSIC』。店舗や家庭で使える、多種多様なBGMを提供するサービスです。普段よく行くラーメン屋で耳にするJ-POPも、家の近くのスーパーで流れているチープな音楽も、たぶん有線放送です。
ところで、有線はジャンルなどによって細かくチャンネル分けがされています。店舗向けのチャンネル型シリーズでは、実に1000以上のチャンネルを聴くことができるというから驚きです。
今回は、有線放送の公式サイトを検索して発見した"とりわけ癖の強いチャンネル"をピックアップします。
ヒーリングミュージック 〜癒し音楽〜
まずはジャブ程度から。
『ヒーリングミュージック 〜癒し音楽〜』は、宮下富実夫の音楽だけを延々と流すチャンネル。私がかかりつけにしているメンタルクリニックでは、常にこれが流れています。おそらく病院や薬局、セラピーなどに需要があるのでしょう。
チャンネルの推薦メッセージを覗いてみると、
推薦者メッセージ
●「宮下氏の音楽は、自律神経系や免疫系を安定化する力があるように感じます。」
新潟大学大学院教授 安保 徹
●「家庭内でBGMとして流してくださると、子どもの心身がリラックスし、心が穏やかで、感性、想像性、創造性が豊かな子どもに育ちます。」
しちだ・教育研究所会長 七田 眞
●「心も体も疲れ切ったときにこそ、宮下氏のヒーリングミュージックは落ち込んだ気持ちを優しく包み込み、和ませ、癒してくれるのです。」
南青山心友クリニック院長 生野 信弘
……といった文章が並んでいます。
実際どうなんでしょうね……？
【健康BGM】禁煙を支援する音楽
有線には「健康BGM」というシリーズがあります。『仮眠のための音楽』や『最強！ウォーキングミュージック』などのわかりやすいものから、若干効果について疑問符がつくようなものまで様々なチャンネルが揃っているのですが、これは特に眉唾でした。
説明欄には、
心身の健康を支援する「健康BGM」シリーズ。公立諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授との共同研究で開発した、禁煙を支援するための音楽です。脳科学の観点から、喫煙欲求に対する音楽効果を検証しました。優雅な旋律の楽曲が、タバコを吸いたいという気持ちを紛らせます。タバコをやめたいけれどやめられない方におすすめです。
……と書かれています。
禁煙を考えている読者の方は聴いてみてはどうでしょうか。
情熱大陸
情熱大陸が無限に流れ続けるチャンネル。
説明欄には
多くの人にとって耳馴染みのあるメロディ「情熱大陸」。葉加瀬太郎作曲、演奏による楽曲で、TV番組「情熱大陸」のオープニングテーマとして親しまれています。聞くだけで活気に満ち、ポジティヴな感情が沸き上がってくるこの楽曲を、繰り返し放送しているチャンネルです。さまざまなオフィスや施設などで、気分転換や気づきの音楽としてもご利用いただけます。（5分毎に頭出しの放送サイクルです）
とあり、以前Twitterで流行した「Get Wild退勤」をなんとなく彷彿とさせます。
また、同じような趣旨のチャンネルに
ロッキーのテーマ
軍艦マーチ
といったチャンネルがあります。
こういうBGMだけをまとめたチャンネルを作った方がいいのでは？
プレミアムフライデーコメント（女性）
元はと言えば2017年の2月に始まったキャンペーンでしたが、特に定着もせず今年の6月に公式サイトが閉鎖された「プレミアムフライデー」。完全に死語になった今となっては、もはや流す場面が見つからない悲しきチャンネルです。
このチャンネルの他にも『プレミアムフライデーアナウンス』というチャンネルが用意されていますが、同様に今後使われることはないのでしょう。
チャイム（柱時計）
静かな狂気を感じたチャンネル。というのも説明を読むとわかるのですが
1分毎にボンボン時計ともいわれる柱時計の鐘の音をお届けします。 ※鐘の回数と時刻は連動していません。
ボンボン時計の音が1分ごとに鳴るのです。せわしなさすぎる。
「幼少期、祖父母の家に置いてある時計の音が怖かった」という人が聴いたら大変なことになりそう。
おわりに
いかがだったでしょう。
私たちが普段耳にする有線のチャンネルの裏には、もしかするとそれ以上の「耳にすることのなかった・選ばれなかったチャンネル」があるのかもしれませんね。
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