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ねえ わたしたちはさ これまで いらないところに鍵をかけて 大切なはずのところに鍵をかけ…
夏の終わり 学校帰りに駅からの坂を下る 黄色い自転車はスピードを上げて 踏切を渡る 線路の一…
あの日 十代だったある5月の日 まばゆいばかりの晴天の下 知らない町の知らない道を 私た…
子どもたちと遊んでいると 穏やかに晴れた空から 砂が降ってきた 砂は はじめは美しく輝いて …
はじめて感じた陽の光は とてもあたたかだった はじめて感じたものが陽の光だったのに どこ…
僕は 水になりたかった 滑らかで 柔らかく 心のままに変わることができるものに あるときは…
私はまり。23番として何度か登場している。まりは仮の名前だ。見ず知らずの人に名前を教えることはない。本人がそう思っていればよく、運がよければ大事に思ってくれる人と呼びあうことができる。名前とはそういうものだ。 心から思うことを言うのは難しい。本体である彼は守っているもののことを私が話すと考えていた。でもうまくいかなかった。違うことの方が話しやすいようだ。ところで本体である彼のことをわたしは彼だとは思っていない。でも本人の望みどおりにここでは彼と言っておく。 私のモデルは幼