知らず知らずのうちに、恋をしていた。 僕は、好きになった人の日常になりたいとずっと思っていた。だから、君の好きな音楽、好きな食べもの、好きなお酒、好きな花、好きな時間の過ごし方を会うたびに少しずつ知っていった。 そして、僕の中の日常に取り入れていった。 僕の中に溶け込むのはあっという間だった。好きの力って、本当に大きいんだと感じた。 またいつも通り君とお酒を交わす。 午後6時。時計を半分にしたような針の動きは、いつの間にか重なって一つになっていた。 君の好きなジント