科学論文海賊サイトSci-hubのダウンロード数が多いと引用数が増えるとの調査結果が発表

引用は科学論文のインパクトを示す指標としてよく用いられるが、Sci-hubからのダウンロードできたほうがその後に引用されやすいという論文がプレプリントサーバーarXivに投稿された。同論文によるとSci-hubのダウンロード数、出版物や著者の様々な特徴が、将来の被引用をどのように予測するかを調べた。経済学、消費者研究、神経科学、集学的研究の主要ジャーナル12誌のデータを用いて、Sci-hubからダウンロードされた論文は、Sci-hubからダウンロードされかった論文に比べて1.72倍も引用され、Sci-hubからのダウンロード数は将来の被引用数の頑健な予測因子であることを明らかにした。また、論文の他の特徴として、論文中の図表の数が将来の被引用数を一貫して予測していることが示された。この結果は、出版物へのアクセスが制限されていることで、科学研究がそのインパクトを十分に発揮できない場合があることを示唆しているといえ、今後の学術誌のオープンアクセスの議論に影響を与えそうだ。
https://arxiv.org/abs/2006.14979