2024夏ドラマ事情
春ドラマほんとに豊作すぎたぶん、夏ドラマは正直始まる前から期待値低め・・・。
とはいえ、なんだかんだ1話脱落作品はなく全て2話目以降も見続けているので、そんな夏ドラマの視聴報告をば。
今回見ている作品は6作品。
①海のはじまり
2022年にフジテレビで制作・放送された「silent」。このドラマで一躍人気俳優になった目黒蓮を主演に迎え、同ドラマの制作スタッフ(脚本・監督・プロデューサー)が再集結して届ける新しいドラマ・・・!ということで放送開始前から随分話題になっていた。
正直なところ、silentは確かに初回でグッと惹き込まれ夢中で見続けたものの、後半にかけて登場人物たちの行動に対してもやもやすることが増え、ラストについても特別盛り上がらなかったためすごくいいドラマという印象ではなかった。
ただ、たしかに映画のような美しい映像、静けさ、優しさを感じさせるこれまでにないドラマ作りをしているなという点では魅力を感じていたので、続けておなじ脚本家とプロデューサーが手がけた「いちばん好きな花」というドラマも視聴した。
残念ながら、「いちばん好きな花」については最後まで好きになれず・・・silentで感じた違和感が払拭されることもなく、それどころか「このチームの作品」がはっきりと「苦手」に変わった。
じゃあ、なんで「海のはじまり」見るんだよ!という話なのだが・・・
今、大衆が求めているドラマってのがどんなものなのかをやっぱりこの目でちゃんと確かめておきたいという興味があるんだなあ・・・。
そして現在三話目まで視聴が終わり思っていることはやはり「苦手」・・・ということである。
テーマがいい、セリフがいい、映像が美しい、役者の演技に引き込まれる・・・などなどこの作品を楽しんでいる人たちの好評価について否定するつもりはない。たしかにそういう面もあると思う。
ただ、私はどうしてもこのチームの手がける作品は苦手。
理由を言語化するならこうだ。
「言わせたいセリフのために登場人物が都合よく動かされている感じがして、ドラマなのに制作者の思いや感情が見えすぎてしまうこと、キャラクターが仕掛け道具になってしまっているだけで魅力的じゃない」。
セリフ以外もそう。例えば登場人物のネーミング一つとってもどうしても狙いすぎていて・・・さりげなさがない。
もちろんフィクションなのでキャラクターの名前に凝っても全然いいのだが、泣かせるための道具にそれが絡んでくるのはちょっと解せない。
と、まあ正直この作品については好きだからとか、面白いから・・・ではなく、
違和感とかそういうのをツッコみたいがために見ているだけのような気がする。。。
ほんと、この作品を好きな人たちごめんなさい。
②マウンテンドクター
タイトル通り、山岳医療にスポットを当てたドラマ。
医療ドラマはそんなに好きじゃないんだけれど、杉野遥亮さんの雰囲気は好きなので見てみることにした。
こちらも3話まで見ているが、可もなく不可もなく、見続けられないこともないというところでダラダラと見続けている感じ。
特筆することはないが、強いていうなら脇を固めるキャストが弱すぎんか・・・?
あと宮澤エマさん最近出すぎじゃない??
それだけです。
③家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
いやーーー今期一番刺さっているドラマ!
岸田奈美さんの同名自伝エッセイブログが原作となった作品だ。
岸田奈美さんの置かれた状況は客観的に見ると、あまりにも可哀想だ。
弟はダウン症で、幼い頃に父親を亡くし、高校生になって母が突然下半身麻痺で車椅子利用者になる。
高校・大学時代の友人の「マルチ(親がマルチで謎の水を売り捌いているためついたあだ名)」にも「岸田さんの家よりは自分の家のほうがマシだと思ったから近づいた」といわれるくらいに。。
ただ、岸田さん本人は「自分は可哀想なやつ」なんて陰気になったりは絶対しない。
問題が起こるたびに、その現実を真っ正面から受け止め、けして逃げない。
もちろん悔しくて泣いたりもするけど、ずっとうじうじなんてしてないし、必ず前を向くために行動する。
そんな岸田さんの人生が本当に素敵にドラマになっていると思う。
まずなんせ、河合優実さんがすごいよ!
この子本当にすごい役者さんだと思う。どんな役にもなりきれるとはこういうことなんだなと思わせられる。
イケてるギャルにも、闇を抱えたミステリアスな少女にも、お笑い担当の三軍女子にもなれるの。
この作品でもその魅力を存分に発揮している・・・。
そして不思議なテンポで、見るものに微笑と涙を同時に提供してくる演出。大九明子先生・・・!
素晴らしい。
日常は忙しい。いつも同じ顔をしていない。
悲しくて悔しくて死にたくなる瞬間もあるけど、楽しくて嬉しくて愛おしくて前を向きたくなる瞬間もたくさんある。シリアスになりすぎない、コメディになりすぎない、絶妙なバランスで「楽しい」を提供してくれる。
大爆笑とかではないけど、なんか静かに愉快な世界観をうまく作り出す大九先生の手によって、岸田家のリアルが描かれていると感じる。
全力でおすすめしたい作品だ。
④新宿野戦病院
海のはじまりに次いで、放送前の大衆の期待値が高めだった作品ではなかろうか?
クドカン、小池栄子、仲野太賀!って、今ノリに乗っている人たちの作品だもの。そりゃ期待しちゃいますよね。
一話目を見たあとは、正直「あ、悪い時のクドカンだ・・・」という感想をもったものの、2話目からだんだん面白くなってきて、まあまあ楽しんでみている。
アメリカで軍医をしていた謎の医師・ヨウコ(小池栄子)が流れ着いた新宿歌舞伎町の寂れた病院。
日本での医療資格はないものの外科医として採用され、日々ドタバタ劇が繰り広げられる。
不法滞在中の外国人、家に帰りたくない不良キッズ(トー横キッズ)、売れないホストと貢ぐ女・・・歌舞伎町特有の事情を抱えた人々の命の危機に対して、ヨウコがいつも平等に向き合う姿が印象的だ。
クドカンドラマはただのコメディじゃなく、社会問題を風刺する側面がある。
このドラマにもそういったクドカンなりのメッセージが隠されていて、ただぼーっとコメディを見ていたつもりがいつの間にか考えさせられている。
もう少し見ていたいという気持ちにさせられる。
⑤ギークス
松岡茉優主演の一話完結の謎解きドラマ。
こちらもマウンテンドクター同様、私のなかで「可もなく不可もなく枠」。
とりあえず見ている。
妊婦じゃなければダラダラ酒を飲みながら見たい感じのゆるいドラマだ。
⑥笑うマトリョーシカ
一話で脱落したつもりが、二話目以降を見続けていた友達に「だんだん面白くなってきてるよ!」と聞かされ、気になって復活して見るようになった。
私の中で水川さんも櫻井さんも役者としてちょっとチープなイメージがあって・・・
こういう硬派なドラマに不適切な気がしていたのだが・・・実際はそんなことなくて二人とも役にすごく浸透していてナチュラルに楽しめている。
マトリョーシカのように、一つ謎を解いたつもりがまたさらに謎が出てきて、敵だと思った人が味方だったり・・・二重三重と驚きのある展開に毎回ワクワクさせられている。
ということで、2024夏ドラマについての感想はこんな感じ。
今回は1話目で「うーーん」と唸って脱落しそうになった作品が多かったけど、そのあと2話目から「あれ?なんか見れるぞ」、3話目くらいで「なんかこのドラマの楽しみ方がわかった気がする、楽しい」と・・・だんだん良くなってきている作品が多い気がする。
海のはじまり、については私と同じような感想を持つ人の意見をもう少し聞いてみたいのだが、2話目以降見ている人は大体肯定派のため、ツイッターを見ても1話目の時にいた否定派がもうどこにもおらず・・・
いや、つまり嫌なら見るなよって話なんだが・・・
ちょっと世間様の意見がほんと気になっている。
以上!
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