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とても不思議な「笑う男」

時系列〜〜
かなり前のミュージカルに遡ってしまうのですが、いろんな意味でとても印象的だったので感想が書きたくて。面白かった!

まず、めちゃくちゃ満足しました。
「えっっおもしろ!」って言いながらニッコニコで劇場を出ました。
そして、帰り道で頭の中が「?????」。
とても不思議なミュージカルでした。


あらすじ

子供の頃に「見世物」として口を裂かれ、醜悪な笑顔を貼り付けられた少年グウィンプレンは、雪の中死んだ母親に抱かれていた盲目の少女デアと出会う。興行師ウルシュスのもとで共に育ち、成長した2人は、やがて美醜・貧富・身分が絡み合う運命に翻弄されていく。


見た日のプリンシパルさん

グウィンプレン…浦井健治さん
デア…熊谷彩春さん
ジョシアナ公爵…大塚千弘さん
デヴィット・ディリー・ムーア卿…吉野圭吾さん
フェドロ…石川禅さん
ウルシュス…山口祐一郎さん


感想

とにかく音楽と演出、気迫に圧倒されました。
すごく興奮した!

浦井さんのグウィンプレンはとてもキュートで優しく暖かく、
熊谷さんのデアは本当に可愛らしく(「デアまじ天使」という観劇時のメモが残っている)、
山口さんのウルシュスはリアリストだけどとても暖かい2人の保護者。
貴族の方々も本当に気高い迫力があって…!!
当たり前なんですがめちゃくちゃお歌が上手でめちゃくちゃ楽しかったです。
デアと再会できたところで泣いた。



*この先大きなネタバレを含みます


考察

ただ、この物語の着地点はなんだったんだろう?と考えた時に、迷子になりました。
そもそも、グウィンプレンはどういう人?

パパは多分リアリストであり、デアとグウィンプレンが大好き。
デアは夢見がちでかわいらしい女の子。
ジョシアナは刺激が欲しいと叫ぶ寂しい人。
じゃあグウィンプレンは?

まっすぐに自分の幸せ(貴族みたいに暮らすこと)を見て生きる人?
デアが大好き?認めてくれるなら誰でもいい?
なぜデアは息を引き取りグウィンプレンも命を捧げたのか。
行動に一貫性がないと思ったんです。
デアが大好きなのに公爵になびきそうになったり、世界を変えたいと誓ったのにすぐにおうちに帰ったり、全力で生き抜くエネルギーを出しておきながら急に命を捧げたり。


頭の中の「?」を消すために考えたのは、この物語は「青年グウィンプレンが幸せを見つけるための物語」だったのではないかということ。
(原作・パンフレット未読のため見当違いであれば申し訳ありません😭)

幼い頃から醜い顔、貧しい者として生きたグウィンプレンが、青年となって「幸せ」を探す。
そこに「生まれながらの運命で持つもの持たぬものが分かれるのか、運命に逆らえるのか」という主題が絡みあう。
キラキラ純粋な青年(まだ若い)だから一見ふらふら生きてるし、認めてくれたジョシアナに一瞬心を持っていかれる。
庶民の暮らしを知っているから、貴族院の空気が許せず「目を覚ましてくれ」と訴えかける。
変わらない貴族社会に気付き、本当に大切なものは家族だと気づく。
そして「デアと共にある」という誓いを守るために生きた。
だったら納得がいくな、と思いました。
(本当にわからなかった。でも面白かった!)

見世物小屋で家族と過ごすグウィンプレンは私たちから見ると(明らかに)幸せなのですが、まだ若く、自分だけの幸せを探している。

身分が高いもの、お金を持っているものしか幸せになれないのだろうか?
もっと普遍的な幸せがあるんじゃないか、そんな物語だったのなら、とても美しいと思いました。


その他感想

・とにかく歌がめっっっっっちゃ良かったなあ…!!
とにかくパワーがあった。生まれながらの運命に逆らうような、世界に逆らうような。
(ただ結局生まれが貴族で、生まれによって簡単に全てを手に入れるところに皮肉を感じました(涙))

・貴族の身分を捨てる時の狂気的なメインテーマがめちゃくちゃ良かったです。影が3つ映って道化のように動くところがとても良かった。かっこいい。

・貴族院で世の中を叫ぶグウィンプレンの歌も大好きでした。壮大で優しさがあって暖かくて。
浦井さんの柔らかな歌声が心地良いです。
目を背けないで〜♪

・貴族院の場面を見ていて、政治は市民のためではなくその場にいる人のためだよなあと感じてしまいました。上の人から見えない場所はないのと同じなんだね、そりゃあそうか、なんて気持ちになりました。

まとめ

よく分からなくてもめちゃくちゃ感動したので、次はもっと感動するはず。
ぜひまた見たいです。原作読むべきなのかなあ。

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