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【着飾る恋には理由があって】真柴くるみはなぜ女性から愛されたのか

「着飾る恋には理由があって」が最終回を迎えてから、
一週間がたとうとしていますが、まだまだ興奮状態が続いています。

Twitter等を見ていても私と同じような方が多いようなので
やっぱりかなり反響の大きいドラマだったようです。

恋愛ドラマの視聴者はほとんどが女性なので、女性からの支持を得ることが一番ヒットにつながると思うのですが、

改めて考えてみるとこの「着飾る恋には理由があって」は女性が不快に思う演出やセリフが一切なかったのではないかと思います。

具体的にどんなところが女性の心を掴んでいたのか女性目線で考えてみました。

1 バタバタしないヒロイン

真柴くるみはインテリアショップの広報として働きながら
たくさんのフォロワーに支持されるインスタグラマーという役どころで

インスタグラマーという職業?を題材にするのは新鮮味がありましたが
大きな枠としては女の子が憧れる職業をテーマにしたお仕事ドラマで
そこまで珍しいものでもありません。

今までのこの手のお仕事ドラマのヒロインって大体
「抜けていておてんばだけど憎めない」というポンコツキャラで
なんかずっとバタバタしていて、
ポンコツキャラが上司や世間にたたかれながらも奔走し成長していく
ドタバタ成長劇というのが多くて。

そういうキャラクターって可愛くみせないようにあえて
サバサバさせてたりするけどそれがかえってあざとく見えたりして
(ひねくれていてすみません)あんまり良い印象を持たないことも多かったです。

しかしこの新ヒロイン真柴くるみは良い意味でめちゃくちゃ普通。
仕事で何をやらかすわけでもなく、かといって天才的な才能を見せるわけでもなく、部下からしたら少し頼れる先輩というくらいで

コーヒーを盛大にこぼしたり、置いてあるものにぶつかって台無しにしたり、そこら中を引っ掻き回すような描写はなく、とてもリアリティがありました。若い女の子を変に脚色しようとしていない部分に
とても好感が持てました。

正直インフルエンサーでも広報でもない私はくるみとは全然違うし、
アーティストでもないのでハセちゃんにも共感できないはずですが、

くるみもハセちゃんも他のドラマだったら泣いてるだろうなというところも泣かなかったり、もっと強く言い返して喧嘩を起こしそうなところも言い返さなかったり、

実際生きていてめったに泣くことはないし、喧嘩もしないので、
くるみやハセちゃんの心の動きや言動が普通に生きている女子と何も変らなくて、違和感を感じず変に思うことがなくてストーリーに集中できました。

私が今まで恋愛ドラマを見ていた理由がヒロインだったことって一度もなくて、正直イケメン俳優が繰り出すキュンシーンをみたいというだけでしたが今回初めてヒロインのくるみが見たいという気持ちになりました。

くるみが普通でいてくれたことに多くの女性が共感し、
不快な思いをせず見られのだと思います。

こういう普通を普通に演じた川口春奈さんの演技力に
スタンディングオベーションですね。

画像 <着飾る恋>川口春奈“真柴”&横浜流星“駿”の手つなぎ帰京シーンにキュン!強まった2人の絆(10_15) _ WEBザテレビジョン

2 肯定的に描かれたSNSの世界

SNSがこのドラマのキーとして大きく関わっていて
LINEやインスタグラムの画面がCGで浮かんでいたり流れていくような演出が多くみられました。

この手の演出は最近よく見かけますが、
最後のクレジットで「SNSアドバイザー」という肩書の人がいて
本気なんだなという感じがしました。

なかでもインスタグラムはくるみの職業とかかわっているということも
あってかなりの熱量でえがかれていました。

インスタってここ何年かでかなり発展して便利になった反面
映えにこだわる人が写真だけ撮ってスイーツを食べないとか
あんまりよくないニュースもあって

見た目だけにこだわって、自分をよく見せることへ対する
抵抗感のある人も少なくないと思います。

このドラマでもくるみがSNSに振り回されて結局炎上したり、
過度に着飾ることを駿にバカにされたりしてSNSに疲れきっていました。

SNSに関心のない駿からSNSとの良い距離感を教えてもらい
デジタルデトックスをしていた、くるみですが結局、好きなものから逃げないという姿勢でまたSNSの世界に戻っていきました。

そういうくるみの姿はインスタが好きで頑張っている人には共感するものが
あっただろうし、全く関心がなく「着飾る」ことへ抵抗のあった人も多少はそういう人の気持ちが理解できたのではないかと思います。

着飾る世界に疲れて、見たくない、やめたいと思いながらも、
やっぱり可愛いものが好きで、人からおしゃれと思われたいと思う
矛盾した気持ちは今の女の子みんなが多少はもっているもので、
それをバカにせず肯定的に描いていたことがとても素敵でした。

ストーリーとしてはSNSの中の世界で頑張って着飾る女の子を応援しながら、着飾らないありのままの姿も素敵で大切であることが伝えられていましたが、

これはSNSの世界だけでなく、学校や仕事など外の世界で頑張っている人に対するメッセージにも当てはまります。

いつも頑張っている人がずっと聞きたかった言葉をたくさん
かけてくれるルームシェアメンバーにキュンをこえた感情が芽生えました。

画像 <着飾る恋>川口春奈“真柴”&横浜流星“駿”の手つなぎ帰京シーンにキュン!強まった2人の絆(9_15) _ WEBザテレビジョン

3 理由のある可愛さ

出勤やデート、ルームウェアなどTPOに合わせた
くるみの可愛いファッションは見どころの一つで、小物やヘアスタイルなど
細部までこだわったおしゃれは本当に可愛くて毎話ワクワクしました。

他にもファッションにこだわっているドラマはたくさんありますが
どの作品もヒロインを可愛く見せるためだけに、
可愛い服を着せていて明らかにストーリーから逸脱して、
ヒロインが可愛すぎて話が入ってこないということもりました。

すごくかわいくて、おしゃれで、見ているのは、楽しいけど
「そんなに忙しいのに、毎日ヘアアレンジしないでしょ」
「寝る時そんな恰好しないでしょ」
「あなたの給料でそんなにたくさん買えないでしょ」など
同じ働く女子としてはツッコミたくなる部分が満載でした。

しかしくるみの可愛いは他のヒロインとは違って
ただ川口春奈を可愛く見せたいという演出の意図ではなく
可愛い服を着て、おしゃれでいることへの意義や意思が明確で
こだわったファッションの演出に意味が感じられました。

お給料がどれだけあるかは知りませんが、仮に薄月給だとしても
くるみは何かを切り詰めて服を買うだろうし、
どんなに忙しくてもヘアアレンジをするだろうなと、
くるみがいつも可愛くおしゃれである演出に納得できたからこそ、

明らかに一人だけキラキラしていたにも関わらず、
変にドラマから浮くことなく、純粋にファッションやくるみの可愛さを
楽しんで見ることができました。

ちょっとしたことですが、こういうことに女性は敏感で、
いやらしくない可愛さを作り出した新しいヒロイン像に好感を持った女性が多いのではないでしょうか。

画像 横浜流星“駿”の過去が明らかに…4話は貴重な駿のコック姿にも注目!<着飾る恋には理由があって>(2_13) _ WEBザテレビジョン

4 最後に

このドラマは真柴くるみという新ヒロイン誕生とともに、
今までの恋愛ドラマの概念を大きく覆した作品のようです。

今までの多くは、男女の恋愛を描くために
登場人物の生活や人生を描いていましたが

このドラマは全く反対で登場人物たちの生活や人生を描いていく中で
彼らがたまたま恋愛をしたという感じがしました。

ドラマなんてほとんど初めから結ばれる二人が誰だか検討がついているので
変なライバルが出てきたり、恋人が死んだトラウマを背負わせたり、
変なバックボーンで無理やり二人の間に障害を隔ててドラマチックに演出していましたが、このドラマではそういった描写はありませんでした。

だから、くるみと駿はは異例のスピードでいい感じになったし
向井理演じるシャチもくるみを無理やり奪おうとはしませんでした。
そこも見ていてとても気持ちいポイントでした。

さらに、大体ドラマでは好きになるきっかけが明確にえがかれますが、
このドラマでは特にこれといってはっきりとしたきっかけは描かれていません。

ああやってルームシェアしていれば、きっかけなんてなくても、
きっとそういう感情にもなるのが自然だし「あの時のあれで好きになった」
というより色んな感情の積み重ねでいつの間にか好きになっていたというのが読み取れて、本当に流れている人生の一部を見ているようでした。

あと予告終わりの最後の駿のハイライトもめちゃくちゃ
よかったですよね。1話目の運命的なくるみとの出会いとかありえないことをちゃんと最後に答え合わせしてくれることでドラマならではの
不自然さを取り除いてくれていました。

ヒロインとしての在り方や恋愛ドラマの概念を大きく覆したドラマ
「着飾る恋には理由があって」とても素晴らしいドラマでした。

DVD買います!!拍手!!

(画像1_17) 「着飾る恋」横浜流星&向井理が胸キュンシーン連発 怒涛の展開に「神回」「2人ともイケメンすぎ」の声 - モデルプレス


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