48、その少年は憧れの部活へ

その少年は高校1年生となり、高校生活というものに少しずつ順応していった。

中学1年生の時に中学3年生の身体の大きさに驚愕したことを、
今一度、高校1年生でも行っていた。

いや、中学時代とは比べものにならないぐらい体格の差を感じた。

この年頃の人は成長が早いんだなと、客観的に捉えた。
それぐらい2年後に自分がそんな風貌になるとは想像できなかった。


勉強の方は全く理解できなかった。

偏差値が大きく足りないのに何故か合格した高校の授業はチンプンカンプンだった。

その少年の通う高校では3教科単位を落とすと次の学年に上がれなかった。
つまり留年ということだった。

苦手な数学では足し算や引き算と同じように、なんの説明もなく当たり前に使われる公式が理解できなく、
数学の単位を落とすのを授業が始まって1ヶ月で確信した。

その少年は2教科しか単位を落とせないギリギリの戦いが始まったと覚悟を決めた。

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