42、その少年の考える場所

親友が塾に通っていると知った中学2年生の冬。
(それは青天の霹靂:前回の記事【40,その少年の驚きの順序】参照)
https://note.com/watashiomu/n/n3ceab918ec91

その少年は家に帰ってすぐに母に塾に通いたいと伝えた。

当然、勉強に夢中になりだしたわけではなかった。
塾に行っている友達と塾で遊ぶためだった。

もちろんそんな腹づもりは母には言わず「そろそろ高校受験もあるし」
という全く思ってもいない理由をつけて大ウソをかました。

その少年の突然の「高校受験意識し始めました宣言」に母は驚いた表情をし、
「わかった」と答えた。

どこの塾に行きたいというのは、まだ言わないようにした。
こちらが行く塾までを決めたりと、先を急ぎすぎると母に余計なことを詮索されると思ったからだった。

その少年はこのまま慎重に話を進めれば、塾の時間も遊べるようになると期待した。
その少年はとにかく全ての時間を遊びに使いたかった。


しかし、そううまくコトは進まなかった。


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