心にナイフを

多分、みんな私のことを勘違いしていて、みんなが思うような私ではないよ。その想像は1ミリも私とかすってないよ。

だいたいみんな、私のことを赤だと思っていて、でも血のようなドロドロした、時間が経てばどす黒くなるような赤だと思う人はいないよね。はつらつとした鮮明な赤は私とは無縁だよ。

それと同じで私はみんなのことを勘違いしていて、私が思うようなみんなではないんだなって。意外とみんなはもろくて、できないことが多くて、そのくせプライドが高くて、「みんな」という存在で群れていないとダメで、「みんな」は「みんな」で、「みんな」って何? と思うけど、「みんな」は私以外のすべての人間で、私がみんなの中心なんだ。

私がここにいる限り、みんなという存在はなくならなくて、私はそれにとらわれ、嫌われ、影響され、どんどん鋭利な武器を育てていく。心にきれいな花を、ではなくて、心に鋭利なナイフを、だ。みんながいつでも私を殺そうとしてきてもいいように、その時私は自分の身を守れるようにしているだけだ。何も武器のない状態で、丸裸で、そんな姿でみんなに殺され、それでなんの後悔もなく成仏できるだろうか? いや、できない。

刺し違える覚悟で、できれば相手を殺し、自分は絶対生き残るんだ、そういう覚悟を持たなければならない。覚悟のない人間に生きることなどできない。常に危険のあるこの世界を強く殴り続ける覚悟を、覚悟を持って、自分以外のものと対峙せよ。

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