寝ても覚めても花粉症

はて、なんだか突然くしゃみが出るようになったなぁ。はて、なんだか突然のどがかゆくなってきたなぁ。はて、なんだか突然目がかゆくなってきたなぁ。他にも咳、鼻水、頭痛、肩こりなど……。どうやら私は花粉症というものに初めてなってしまったらしい。2週間ほど前に症状が出始め、少しずつ、少しずつ、私に気づかれないようにやつらは私の体内を侵食し始めていった。

最初は軽い症状だったので「別に花粉症じゃなくて、たまたまさ〜」と思っていたのだが、2週間たった今、「明日、予約取れますか? 花粉症っぽくて……」と病院の受付に自ら花粉症宣言をする事態になってしまった。これは緊急事態である。軽く見てはいけない。一刻も早く病院へ行き、診察してもらい薬をもらわないと、私は全身のかゆさで死んでしまうかもしれない。

実は、全身かゆいのだ。頭のてっぺんから足のつま先まで全身、だ。今この文章を書いている時も、そのかゆみは私を襲ってきて、文章を書く手を止めざるを得ない。かゆみは私の日課をストップさせようとたくらんでいるのだ。きっと、毎日コツコツ書き続けている私の姿勢が気に入らないのだ。だから、「あぁ〜頭がかゆいぃ〜〜〜」「あぁ〜次はふくらはぎがかゆいぃ〜〜〜」「今度は腰だぁ〜〜〜」「うぎゃぁ〜〜〜」……と次から次へを私を攻めてくる。

私は負けない。やつらに絶対負けない。かゆみが襲ってきたら、目にも見えぬほどの速さで手を動かし、コンマ1秒の世界でやつらを退治する。鼻水が出そうになった時もそうだ。コンマ1秒の世界でティッシュを取り、鼻をかむ。やつらにかける時間は極力短くし、私の日課を邪魔させない。しかし、あまりにも頻繁にかゆくなるので、私の手は空間に残像を残している。手の動きが速すぎてまるでそこに常時手があるかのような錯覚を他者に起こさせるのだ。それはそれで新たな技を修得でき、よかったかもしれない。きっと、今後何かに応用できるだろう。

こうして私は日々やつらと命がけで闘っているのだが、他にも同じ人はいるのだろうか。「我こそは、花粉と命がけで闘っている!」と宣言できる人はぜひ名乗り出てほしい。そして、その証拠を存分に見せてほしい。高速でかみすぎてトナカイのように赤くなった鼻、のどがかゆすぎてのどの奥まで手を入れることに成功した猛者、目がかゆすぎて自分の目をえぐり出した奇人……。私は彼らを歓迎する。同じ戦士として。連絡をくれる際はこちらのメールアドレスまでよろしく頼む。

mouyada.kahunnsyo@tukareta.po.yo

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