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映画「Moonlight Club」を観に行ったら推しが出来た

大阪の梅田から電車でふた駅行ったところにある町「十三」
じゅうさんじゃなくてじゅうそうと読む。

いわゆる夜の町で、私が若い頃は「怖い町」というイメージで
「十三?怖い怖い。行きたくないわぁ」
という感じだった。

今は、若い人たちもウヨウヨと町に溢れている。
時代は変わった。

そこにサンボードシティというビルがある。
見るからに古いんだろうなぁというビル。

その中に飲み屋はもちろん、フィットネス、カラオケ、映画館、ライブハウス、ボーリング場などが入っている。

ええええ!
どこにそんな様々な娯楽施設が?
見た目、そんな豪華な建物ではないのだ(失礼
てか、そんなに人が入って倒壊したりしないのか(失礼すぎ

そもそもボーリング場は6階にあるらしいんだけど、5階は映画館である。
5階にいても、ボーリング場のスコーン!というピンが倒れる音や人々の喧騒は全く感じる事がない。
そういう音はどこに吸い込まれているんだ?

それを言うならライブハウスも4階にあるけどエレベーターの扉が開いたって静かな階だ。

なんというか、人の気配を感じさせないような静かなビルなのだ。

なんかやっぱり十三ってすげーなーって思ったわけよ。

そんなビルに何をしに行ったのかと言うと映画を観に行ったのだ。


この魔窟のようなビルの中にあるシアターセブンという映画館

エレベーターを降りるとすぐ狭いロビーがあって開場を待つ人でいっぱい。
えーっと、こういう映画館に来る人って皆さん無類の映画好きみたいなちょっとマニアックな人たちですよねぇ、という先入観でいっぱいの私なので、場違い感ありありだったけど、周りから見れば私もちょいとオタクっぽいおばさんだろうから馴染んでいたのかもしれない。


映画館は60席ほどのこじんまりした部屋だけど座席は立派。
ででん!とした大きめの椅子で座り心地もいい。
席によっては前列の人が大きかったらちょっと頭がかぶってしまうという不運もあるあたりは劇場と共通。

チケットはネットで予約済み。
それをロビーの発券機で発券する。


さて、今回お目当ての映画は19時スタート。

ということはその前に食事しようぜってことで14時集合。
5時間食事するんかいっ。
細かい事は気にするな!

途中で一度映画館に立ち寄る。
先に発券しておこうってことで。

1階のエレベーター前に若い女性が沢山いてエレベーターを待っている。

え!どこの客?
まさか、映画・・・ないない、それはないわ。
ボーリング大会でもあるんかな。
こんなキャピキャピした子たちが何を好き好んで十三でボーリングするねん。
フィットネスかー、いや、だから十三やで、ここ。

この女性たちが何階で降りるのか確かめよ。

この日は大寒波。
寒い中、凍えながらエレベーターの停まる階を見定めるおばさんたち。
暇かっ。

4階。
ライブハウスかー!

誰が出るんやー!
かじかんだ手でスマホを操る暇なおばさん3人組。

今日のところにライブの予定書いてへんで。
シークレットライブなん?

4階に上がってみる?
暇かっ。

でもエレベーターで上がっていく女性は全員若すぎるくらい若い子たちばっかりで、私たちはエレベーターに一緒に乗ることさえ浮いてしまう。

もうええわ、行こ!私ら忙しいんやから。

どの口で。
充分暇そうやん。


さて、ようやく19時前。

いそいそと映画館へ。
ちょうど入場が始まったばかりのよう。

入場の列に並ぶ。
並ぶつったって10人程なのでスイスイと前へ。

え。ちょっと待って。

もぎりの所に推し居てはる。

マジか。

しかもひとりひとりに挨拶してはる。
キンチョーするけど嬉しいやん。

そういうことで私のNew推しをご紹介します。

しゅん子ちゃん


福山雅治さん。
福山俊朗さん。

もぎりの所にいらっしゃった俊朗さんは、予想外に想像以上に素敵だった。
いや、マジで素敵だったのだ。


で、観に来た映画はこれ。

Moonlight Club in長寿庵


3人とも可愛いわぁ〜←既に魔界に取り込まれてる人の感想

ショーパブのダンサーしゅん子とひろ美が笑ったり喧嘩したり支え合ったりしながら日々を過ごしていて…。
それを近所の長寿庵(蕎麦屋)のサチエが見守るというお話。

ザックリし過ぎる説明ですまん。

京言葉でポンポンとツッコんだりボケたり。
とにかく言葉遊びが楽しい。

ティッシュペーパーやお菓子の取り合いやら、ディスり合いやら、ほんとにくだらなくて騒がしくて可笑しい2人なんだけど、時々ふっと切なくなったり感動したりしている自分がいる。

いやいやいや!これ感動ものなん?ないわー!
そう否定してみるけど、やっぱりそこにはあたたかい何かが流れていることには気づいている。

お互いが「自分がこの子を支えている」と思い合っていて、なんだかんだ言っても大切に思っていて。

きっと社会ではジェンダー的につらい思いをする事もあるんだろうな。
そんな事を感じさせないところがまた泣けるんだよな。

どんどん深く2人の心に分け入ってしまっている自分がいて。

ヤバいヤバい、ハマりそ〜〜〜
って怯えた時には既に遅し。

ハマった時の癖で、ネットで情報漁りまくる。
しかも今回は仲のいい友人たちと一緒にハマったもんだから手がつけられない。

ほら、お手手繋いでたらハマって溺れても怖くないでしょ。
そういうのって実は怖いんだよねぇ。

初めて観た映画はこれだったんだけど↓

「Moonlight Club in LOVE」

単に友人が面白いらしいという評判を聞いてきて、ほな観てみよかという軽い気持ちで十三に行った。

そしたらこの魔窟ビルで、魔界映画館で、マニアック客で、なにこれ〜の映画。

怯えながら観た。

周りの人たちが凄い笑ってるのね。
えー、これそんなに可笑しいの?
いや、面白いけどそこまで?
と思いつつ、でもなんか面白いなと思いながら観た。

そして帰ってYouTubeで予告編見たらゲラゲラ笑えた。
さっき観てきたのに初めてかのように笑ってた。

えーっと。
これってハマってますよね?(聞くな

1時間程の映画なんだけど、どんどん3人の世界に惹かれていって、終わった時には3人が愛おしくて仕方なくなってた。

だから昔からのファンの方々が私たちが笑わなかったシーンで大笑いされている気持ちがその後よくやくわかるようになる。

ティッシュを取り合いして、ひろ美ちゃんが「細かいわ!あんた細かいわあああ」って叫ぶだけで爆笑してしまう。
この映画の世界にハマった人たちだけの笑いのツボというのがあるのだという事を知った2023年冬。

この映画のポスターだって、最初見た時は、これかー、楽しめるのかなぁ私…と思って眺めてたのに、映画が終わったら「可愛い〜」ってなるのって、人間ってほんと不思議。

さて、この映画には毎回舞台挨拶という名のアフタートークショーが付いている。

わりと私は「えー、そんなんいらんのにー」っていうタイプなんだけど、ほらもう観る前の私とは違っちゃってるから、めちゃくちゃ楽しんじゃった。

でも1回目の時(11月)は、その後のサイン会的な触れ合いの列には加わる事もなくとっとと帰ったのだった。

1回目の舞台挨拶


まだ自分の心の声を聞き取ってあげられなかったのね、きっと。
ごめんね、私(茶番

2回目(1月)は「舞台挨拶?待ってましたああああ!」って感じ。
もう楽しくて楽しくて。

2回目の舞台挨拶


3人のおばはんは顔を寄せ合って「サインして欲しいな。パンフ買おか」と物販コーナーへ。

多分ね、私らいそいそしてたと思うよ。
可愛かったかもしれへん(勘違い

そうして私は生まれて初めて映画のパンフレットという物を買ったのでした。
舞台のパンフは数十冊と買ってきた人生だけど、まさか映画のパンフを買う日が来るとは。
人生って面白い(大きく出た

そのパンフをそっと御三方に差し出す。

しゅん子ちゃんのサイン
ひろ美ちゃんとさっちゃんのサイン


御三方ともほんと優しくて。
ずっとニコニコしてくださってて。
おばちゃんたちの「いかに自分たちがハマっているか」というつまらない話をウンウンと聞いてくださって。
笑顔が優しくて。

なに?この人たち天使なの?

サインをする天使たち


特にひろ美ちゃんこと原田博行さんの笑顔は破壊力100%で、世界中の人々がひろ美ちゃんの笑顔に触れたら世界は平和になるんじゃないかとマジで思っている。

ひろ美ちゃん

原田さんはミュージシャンでいらっしゃってYouTubeで沢山の歌を聴く事ができる。

最初はへーと思って聞いてたんだけど、沼の奥へ奥へと行くごとに「いやー、ええ歌歌わはるわ〜」とファンになってしまっている。
ライブに出かける日も遠くないと思うわ。

もちろんさっちゃんこと日詰千栄さんもほんとに優しくて、映画の中のさっちゃんと千栄さんは同じだったことにも感動した。
私もさっちゃんとお友達になっていろいろ心配されたいと思っちゃった。


そんなわけで私は久しぶりに思ったよね。
好きな人がいるって楽しい!
人生に潤いが出るよね。

今回は友人たちと気持ちがひとつになったから、また関係も深まったような気がするし。

いいことだらけだわ。

推しは尊い。
推すことは尊い。

さて、私は今宵も推し活のためにネットの海に潜るのだ。

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