恋がしたくてもできない
圧倒的にときめきが不足している。私は恋がしたいのだ。
はっきりと声に出して言おう。
恋がしたい。ああ、恋がしたいよ。
恋がしたいと声高に叫ぶことはなんにも恥ずかしいことてはない。
ここがフランスだったら、恋なんかしたくないと声高に叫ぶ人の方がどうかしていると見られるだろう。
まあ、ここは日本なんだけどさ。
人生ってのは有限なのだ。
その中で人間が若くあれるのはほんの少しの時間だけなのだ。若い時は人間誰だって美しい。
別に年をとったら美しくないとかそういうクソリプみたいな話じゃないよ。
社会の中で若い人が美しいとかいう意味でもない。人ひとりの、一個人の人生において比較するに、若い時が美しく輝く、という意味。
ベンジャミン・バトンの数奇な人生じゃないんだから人間は若返らない。この世では人間は少しずつ、本人は気付かないほど少しずつ年をとっていくと決まっているのだ。
若い頃への美しさや執着は若さを失った者にしかわからない。
若草物語がなぜあんなに美しい物語なのか?それは若いからだ。若さゆえの美しさというものがこの世にはあるからだ。若さゆえの物知らなさ、無邪気さ、自由さ、無垢さ…。
きっとわからないだろう。同じ年の人でも、自分の身一つあればどこへだって行けてなんだってできる人にはわからない。失ってみないとわからない。
今の私には、将来への漠然とした不安があるとかそんなんじゃない。確固たる不可能がある。
私はある時を境に若さを失ってしまったのだ。人生は止まったままに赤子のような老人のような暮らしを送り、止まったまま還らない時を求めてもこの世界はサイエンスフィクションじゃない。
いつまでこのままベッドに寝ているのかわからないというのは恐ろしいことだ。十年先の計画なんて立てようもない。
周りはみんな結婚して子供もいるのに自分だけ…とかそういう次元の話ではない。むしろそういう話なら答えはシンプルだ。自分から動けばいいのだから。
とにかく私は恋がしたいんだよ。ときめきたい。誰かを愛したい。好きだという気持ちに突き動かされて世界を薔薇色に感じたい。
そもそもヒットチャートでは甘ったるいラブソングばかり流れている世の中なんだ。恋の一つくらいさせてくれたっていいじゃないかよ、神様。
若く美しい時に美しい恋の想い出を残しておくか否かで後世の輝き方が変わってくることは言わずもがななのに、ただ刻々とこの体が老いるのを待っているだけなんて、一体なんのための人生だろうか。
ベッドから出られる日が来るのかどうかすらわからないというのはそういうことだ。恋がしたくても恋ができない。
マッチングアプリを使ってマッチしたとしてどうするというのだ。どうせ会えもしないのに。私は真剣に恋がしたいのだ。真剣に恋がしたい人を相手に。
となると、向こうの時間をいたずらに奪うことになる。迷惑な話だ。やってらんねえーーー
恋がしたくてもできないのでめちゃくちゃラブコメを観ます。
ラブコメマンガでいいのがあったら教えて下さい。
おわり…
HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞