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【8日目】ウルグアイ牧場滞在記2019

DAY 8 2019/09/02(月曜日)


今日は7時からガウチョたちと一緒に働く。

整列した馬に轡(くつわ)を はめ、小屋に連れていき、鞍(くら)を締める。


鞍は、手織りのウールラグ、鐙(あぶみ、足をかけるところ)のついた革製の鞍、鞍を止めるベルト、座面のクッション用として羊毛フリース(羊の毛皮)、フリースを止めるベルトの順に乗せていく。


鞍を止めるベルトやフリースを止めるベルトは、締め込みが甘いと座面がぐらつくため、
ガウチョたちを見ていても、体重をかけて締めこんでいる。

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今日は羊を小屋に誘導するため、馬に乗ってパドックを歩いていく。

もちろんガウチョたちのスピードには付いていけないので、
近くにいる羊たちを超低速で追ってみることに。

羊の群れに近づいていくと、馬も目的を理解したようで指示を出していなくても勝手に動き出す。

馬に乗って羊を追いかけているというよりも、
羊を追う馬の背中に乗せてもらっている感じ。


仕事をする母親におんぶされている赤子のような気分だ。

羊が逃げようとすると馬も走り出す。


急に走り出すので、落ちそうになる。手綱につかまって停止の指示を出す。必死。

それを繰り返していたら、
15分で馬が動くのを止めてしまった。


スタートの指示を出しても歩き出さない。
そして勝手に小屋に向かって歩き出す。


そうこうしているうちにガウチョたちが羊の群れを連れて戻ってきたので、
ひとまず馬は小屋に入れて、走って羊を誘導することに。


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小屋に入った羊たちは脚の状態を見ながら、
びっこを引いている羊は左、普通に走っている羊は右、というように手動扉で部屋を分けていく。


脚に問題のない羊たちは、消毒プールに10分浸かる。


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(ひづめの間にウジ虫が寄生している)

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(爪が伸び、割れたひづめ。はさみでカットする)



びっこを引いている羊たちは、座らせて爪を切り、
注射を打ってから、消毒プールに入れる。

逃げる羊たちを捕まえ、座らせるだけでも結構大変な作業だ。意外なほど力強く、重たい。

座らせ方はコツがあって、
左手で羊の顔を体の方に向け、右手で脇腹を掴み、
右ひざを使って脚を浮かせて座らせる。


脚が地面から離れたとたんに大人しくなる。

座らせた羊たちは、はさみで爪をカットしていく。
爪の間には土が入っていて、爪なのか、肉なのかを見分けるのが難しい。

ひづめが剥がれて悪臭がするというが、言うほどではなく、
賞味期限が切れた生肉のような匂いがする。

抗生物質の注射を股に打ち、その後、消毒プールに脚を浸けて開放する。




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(脚の消毒)


消毒プールの近くで横たわっている羊がいる。
心臓発作で死んでしまったとのこと。

小屋の外に出し、3人のガウチョたちが手際よく皮を剥いでいく。


牛とは違い、皮と肉の隙間にぐいぐい拳を入れていくと皮が剥がれる。


10分程度で作業は完了。

お腹の中から羊水と共に胎児が出てくる。
皮は干し、肉は豚のエサになる。

こうした光景がここでは日常の風景になっている。

11時まで作業を続け、鞍をはずして馬を開放する。


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(昼食。羊肉のスープ)


午後からは、馬に乗って羊たちを別パドックに移動させる。


ガウチョたちに後れを取りながら、何とか付いていく。

羊たちを全て野に放つと、遠くのパドックに見回りに行くというので小屋で待機することに。


まだ長時間の乗馬やガウチョたちのスピードにはついていけない。


午前中に剥いだ羊の皮がそのままになっていたので、一人で干してみることに。


ぬるぬるとした感触と血液が付いている。
ちょうど同じ大きさの皮が隣に干してあったので、見よう見まねで吊っていく。


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(左の皮を見本に、右側の皮を吊る)

意外なほど皮は分厚く、太い針金を通すのは大変な作業だ。
それでも小さな皮は、15分程度で干し終わる。

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小屋の近くを歩いていると、生まれたばかりの子牛がうつろな目をして座っている。


ニコに聞いてみると、「母親がいないからどうなるかね」とのことだった。


豚のエサになった牛は、日に日に量が減っているものの、まだ肉が残っている。


一方、午前中にエサとなった羊はすでに跡形もない。




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数班に分かれて見回りに出ていたガウチョたちが戻り始め、小屋の掃除をする。

半日程度の作業でも、小屋には羊たちの糞が沢山転がっている。


手作りのほうきとゴミ箱で、小屋内をきれいにしていく。

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(手作りほうきの材料)


17時45分には作業が完了しているけれど、
18時までは勤務時間のため、しばし談笑している。


仕事が終わっても完了の合図が出るまでは待機する。


男くさいガウチョたちといると、やはり卑猥な話で盛り上がる。
男だけに限れば、これほど便利で笑えるインターナショナルな会話はないと思える。


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(カメラに気づけば必ず決め顔をするアベル。ポーズと顔を作ってから、「ハイどうぞ」という感じでカメラを見据える)

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(左から、フアン、最年少のヘスース、Mr.口ひげことルイス)


仕事を追えてから、念願の釣りに出かける。
マテを持ったアベルと共に湖に向かう。


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歩いていく途中で木を拾い集め、
手にはゴミ袋のようなものを持っているが、
釣り竿のようなものは見当たらない。

釣り方を尋ねると、木に巻いた太い紐と、大きな針、浮きの代わりにスポンジのようなものを付けた道具を見せてくれた。

釣り餌には、以前釣った魚の切り身。
大きな針にエサを括り付けて、紐をぐるぐると回して湖に放り込む。



あとは、ひたすら待ち続ける。


この地域の伝統的な釣りは、竿を使わないらしい。

しかし、寒さに耐えきれず、30分程度で切り上げることに。


道具は放置し、結果は明日確認する。




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(ジャガイモのトルティーヤとスープ)


家に戻り、スペイン語の勉強をして就寝。
やや喉が痛いので、風邪薬を飲んだ。

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