【22日目】ウルグアイ牧場滞在記2019
DAY 22 2019/09/16(月曜日)
やはり夜中に雨が降っていた。
アサドを食べた日は良く眠れないので、何度も起きてしまう。
朝起きて外に出ると、風が音を立てて鳴っている。
雨はまだ降っていないものの、確実に降り出しそうだ。
毛刈りのために柵の中で待機させていた羊たちを解放する。
すぐさま馬に乗って、土砂降りの雨の中を走っていく。
背骨に強い痛みを感じる。
おそらく乗り方が悪いせいで体を痛めてしまったようだ。
痛みに耐えながら羊たちを誘導し、柵の中へ移動させる。
毛刈り職人たちは、布団持参でやってきており、
倉庫や小屋で寝ている。
仕事が出来ないので、寝転がって携帯を見たり、トランプをしたりしている。
(久々のショセリンの昼食。味が全然違う)
午後から晴れてきたため、毛の乾き具合をみて毛刈りを再開するようだ。
午後一で羊たちを誘導し、柵に入れるや否や毛刈りがスタート。
毛刈りをさせてもらおうと、待機中の羊でシミュレーションをしていると、
「最初から1頭は無理だから、ちょっと刈ってみな」とのことで、
ほんの一部を刈らせてもらった。
(最後のほんの少し刈らせてもらっている)
(毛刈り後に渡されるコインを、箱の中に入れる)
バリカンは良く切れるため、時折血がにじんでいる羊がいる。
慎重にやらないと体を傷つけてしまうので、
おっかなびっくり、少しずつバリカンを進めていく。
カミソリと同じように、肌を伸ばしながら、体に沿わせて刈っていく。
職人を見ていると、羊の身体を少しづつ回転させて毛を刈っている。
始めに座っていた羊は、いつの間にか一回転して、最後には反対向きに座っている。
よく観察していると、職人は後ろに下がったり、前に出たり、
少しずつ立ち位置を変えながら、羊の身体を回転させ毛を刈っていく。
後半は、仕分け作業(スカーティング)の脇に立ち、
一頭ずつ脇腹部分から毛を抜いて、ホチキスで止めていく。
羊毛先生の本出ますみさんから、「出来るだけ沢山集めよ」
とのご指導をいただき、ぱちぱちと台紙に止めていく。
たしかに数を集めていくと、個々の違いが見えてくる。
白いもの、黄色っぽいもの、細いもの、太いもの。
同じ繊度に分けられている羊たちでも、それぞれの個体差がある。
ちなみに、羊の顔も個々ばらばらで、誰かに似ていたり、
美人だったり、ブサイクだったり。
ある職人に今日何頭刈ったかを聞くと、40頭とのこと。
1頭当たりにつき、17ペソ支払われる出来高制だ。(約60円)
毛を刈るとコインが手渡され、丸裸になった羊が回収されていく。
それで何頭刈ったかがわかる仕組みになっている。
今日の総量は、1767㎏。くず毛を含めると2000㎏程度になるだろう。
昨日同様、仕事が終わると珍しい日本人との写真撮影が始まる。