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【2日目】ウルグアイ牧場滞在記2019

DAY 2 2019/8/27(火曜日)


5時30分起床。
ベッドの中でスペイン語の勉強をして、6時に朝食。
ミゲルはテラスにいて、彼の後をついていく。

朝食はキッチンにあるテーブルで、ライスパン(おこしのようなもの)に
ジャム、クリームチーズ、オレンジにインスタントコーヒー。
簡単に済ませるものらしい。

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朝食後に支度を済ませ、牧場長のウゴーと打ち合わせ。

毎日同じ時間に今日の段取りを打合せるとのこと。
天候や前日の状況で、スケジュールを調整する。


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(6時45分。ウゴー(右)と打ち合わせをするミゲル。)

7時に家を出発。
午前中は 5000haある牧場を、トラックで一通り回って見せてくれるという。

太陽が昇り、少しずつ靄が晴れていく。見渡す限りの平原。
ガウチョたちが牛の群れを移動させていく。

今までに見た光景の中で最も美しい。
映画の中の世界を見ているようだ。

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SAN RAMON牧場は、放牧による動物の飼育を行っており、
草や地面の状態を見ながら動物を移動させるため、いくつものパドックに土地を区分けしている。

パドックとパドックの間には、木の棒と針金で作られた扉がある。


パドックを通過するたびに、扉を開け、車を入れて、扉を閉める。

ミゲルは笑いながら、「最も洗練された最新式の扉」と言っていた。

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(扉を開閉するミゲル)


ウルグアイには山がなく、ひたすらゆるやかな平原地帯が続いている。


北部は石が多く、硬い土地が多い。植物の根が張りにくいため放牧地が多い。


一方、南部は柔らかい土地が多いため、農業が盛んに行われている。


SAN RAMON牧場は、北部の牧場には珍しく、固い土地と柔らかい土地の両方を所有している。


自分たちで米の栽培もしているが、土地の一部を米農家に貸し、
代金の代わりにお米を受取っているのだという。

家畜は、羊が11000~12000頭、牛が3000~3500頭。 


一部のパドックには1年草の種を撒いて、栄養価の高い草を植えているが、
その他はすべて天然草の放牧で、農薬なども使用していない。

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画像40(タクルセスと呼ばれる凸凹とした地形。夏場でも水分が蒸発しにくい。)

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今年は雨が多かったらしい。
雨が多い年は草がよく育つため、動物たちのエサに困ることはない。


しかし、ぬかるんだ土地では、ヒツジは脚の病気にかかりやすくなる。

ひづめが剝がれたり、ひづめの間に蛆虫が入り込んだり、
歩けなくなって群れからはぐれた羊は死に至る。

かつて、日本で羊の放牧がうまくいかなかったのは、雨や湿気の多さが原因と聞いたことがあるが、
羊にとっては、病気が起こりにくい乾燥した土地の方が適しているとのこと。

見回りをしていても、群れの後ろで脚を引きずっている羊を何度も見かけた。

また、羊は地面ぎりぎりに生える草でも食べることが出来るが、
牛は背丈の低い草を食べることが出来ない。最低でも5㎝くらいは必要とのこと。

そのため、牛にとっては、水分が多く植物の成長が早い土地の方が適しているという。

羊と牛を同じ土地に放牧しているSAN RAMONでは、
雨の量が多くても少なくてもバランスが崩れてしまう。


自然を相手にする仕事の難しいところだ。

この2~3年は雨の量が1.5倍程度に増えているらしい。
気候変動による異常気象がここでも起きているとのこと。


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(米の栽培で出るワラは、動物たちの栄養源として保管される。)

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(人工の湖)

地面を掘り、雨を溜めて作った人口の湖。
今では魚もいて釣りもできる。小さなワニもいるとのこと。

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(風力発電)

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(オーストラリアンタンク)

オーストラリアタンクは雨水を溜めている。
ところどころに動物たちの水飲み場が設置されていて、
風力ポンプによって、オーストラリアンタンクから水が自動的に補充される。

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(敷地の南部を流れる川。この川を境に隣の牧場と所有地を分けている)

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(Hornelroという鳥の巣。土を使って巣を作るウルグアイのナショナルバード)

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(アリの巣。地面が盛り上がって塚のようになっているのが全てアリの巣。)

このアリは草を食べるため、時折、動物たちのエサを食べつくしてしまう。


アリ塚を壊しても、アリが散るだけで意味がないため、その場合は、アリの経路に少量の毒を垂らす。


アリは毒を巣に持ち運び、死滅するとのこと。



11時頃に家へと戻り、11時30分に昼食。
牧場では、シエスタという11時~14時までの休憩がある。


朝7時~11時、シエスタを挟み、昼14時~18時までの8時間労働。

ちなみに、2005年に労働法が変わるまでは、
12歳くらいから、丁稚奉公のような働き方が残っていたようだ。


現在は17歳以下の労働は禁止されている。


また、ガウチョ(カウボーイ)の多くは固定給ではなく、
働いた時間によって給与が変動する。


休日は1~2週間に1度だが、だいたいのガウチョたちは2週間働いて2連休にしているようだ。


自然を相手にする仕事のため、休日でも必ず数人は働いている。

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(ギソ・デ・アロースはお米とマトンの伝統的な煮込み料理。ほうれん草のパイ)

たっぷりと昼寝をして、午後からは顕微鏡を使って羊のギョウチュウ検査をする。


それが終わると、家や小屋のあるベースを回って、仕事場や設備を案内してくれる。

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(オーナーの家。僕の部屋もこの建物内)

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(ガウチョたちの住まい。6畳くらいの部屋にベッドが2台置かれている。トイレとシャワーは共同)

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(手前は原料倉庫、奥は羊小屋)

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(原料倉庫の中)

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(小屋に集められた羊たち)

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(羊小屋の中)

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(牛を入れる石垣の柵)

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(牛用の柵)

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(豚小屋。隣には屠畜場)

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(皮干し場)

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(皮の保管庫)

消毒薬が配送されるというので、4号線までトラックを走らせる。

ベースまでの配送はない。必要な物資は路線バスに乗って運ばれてくるようだ。

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(バスから降ろされた消毒薬の袋)

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(途中で見かけた2匹の子羊。群れからはぐれてしまった模様。)


18時半頃ベースへと戻り、今日の仕事は終わり。
夕食は19時30分に運ばれてくるというので、シャワーを浴びて、ゆったりとした時間を過ごす。

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(夕食。お米のコロッケ Croquetas。裏庭で育てているレタス)

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(マトンとパスタの煮込み Ensopado)


食後は暖炉の前でゆっくりと過ごし、10時頃就寝。



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