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エンジニア的視点で見る育休の素晴らしさ

この記事は NewsPicks Advent Calendar 2019 の5日目の記事です。

はじめに

ここまで(当然なんですが)技術的な話題が多かったNewsPicks Advent Calendarですが、昨年の大喜利のようなnoteに続いて、今年も毛色の違う投稿してることに気づいて少し恥ずかしくなっているNewsPicksエンジニアの木下です。

現在私は、3人目の子供が6月に生まれ、長期で育児休業を取っています。男性の育休については、取得率が約6%とも言われ、まだ世間的には取得した人が少ないことが話題になることも増えました。

その育休から感じたこと、学んだことを少し伝えられればな、と思います。

※なお、家庭については一つ一つの家庭ごとの違いがあります。本件はあくまで私の家庭での事例を元にした個人の感想です。

私の家庭について

簡単に家庭について紹介しておくと、妻と、息子(小学校1年生)、娘①(年少)、娘②(6ヶ月)の5人家族で都内で暮らしています。私も妻も実家が離れており、両親(祖父母)のサポートは日常的には受けられない環境ですが、産褥期(産後1ヶ月程度)は母にサポートしてもらいました。

1人目、2人目のときにも育休を取るチャンスはあったのですが、必要だと言ってくれればサポートするし、育児休業中のお金も不安だし、仕事も忙しいし敢えて取らなくてもいいだろうというのが当時の考え方でした。(今から考えれば大きな誤りだったと気づくわけです)

家庭とはアジャイルなチームであるべきである

唐突な書き出しですね(笑)家庭での出来事は、決して予定どおりには進まないことが多いです。宿題をするというと怒り出しずっとiPadから離れない長男、自分の見たい動画を見れないと泣き出す長女、一人で床に転がってオムツ換えを待つ次女・・・。休日の予定は、体調を崩し、機嫌を損ね、天候が変わり、何もかも思うようにはいきません。

職場ではアジャイルな組織づくりをしようとしているエンジニアが、家庭では「平日は朝保育園に子供を送っていってます。土日は子供を連れて遊びに出かけてますね。平日の夜?そこは妻がやってます。学校行事ですか?妻が知ってるので帰って確認しますが・・・」みたいなこと、ありませんか?ありますね。ありましたね・・・。

これは、まさにウォーターフォール型の極み。プロジェクトの全体像を把握できておらず、自分に降りてきたタスクだけをこなしているわけです。

育休に入り、平日の夜の時間の過ごし方、子供の小学校や保育園の連絡事項の把握、家事全般の時間配分、予防接種への通院・・・などを自分で体験することにより、やっと家庭というプロジェクト全体をしっかりと把握できたと感じます。家庭での役割分担が、かなりアジャイルになったと思います。

家庭内の単一障害点(SPOF)をなくすことにも繋がり、持続的なアーキテクチャにも寄与することになります。

推測するな、計測せよ

エンジニアであれば、最初から闇雲にコードのパフォーマンス・チューニングを行うようなことはないでしょう。ちゃんと計測を行い、全体の中でのボトルネックを特定し、そこから手当をしていきます。まさにTOC(制約条件の理論)です。

しかし、こと家庭になると、前述したように全体感を把握することなく、突然ガジェットや家電を買うときだけ嬉々として買い物しだす人いませんか?いますね。いましたね・・・。

これも、ウォーターフォール型で家庭に関わっている弊害と言えます。食事なのか、掃除なのか、買い物なのか、洗濯なのか、宿題なのか、習い事なのか、実際に体験して計測することから見えるものは増えてきました。

バリューについて

会社では、バリューについて考え、ときに1on1ミーティング、ときに合宿までして時間を取って相手を理解して目指す方向についてすり合わせをしたりします。

そんな人が、家庭ではちゃんと面と向かって会話をしていないなんておかしいじゃないですか。おかしいですよ。おかしかったんです・・・。

気がつけば、子供を通じてしか会話をしていなかった毎日、それじゃうまくいくわけないですよね。チームが一人ひとり価値観が違うように、家庭だって違う。そこに関しては、コミュニケーションの時間を取る以外に理解をすすめることはできないと感じます。

とは言え、時間は取れる

さて、ここまで(主に過去の自分に向けて)煽り気味に色々書いてきましたが、とは言っても育休中は時間が取れます。

我が家では、長男長女がそれぞれ小学校・保育園に通っているので、10時頃から3時頃までが赤ちゃんのみで余裕があります。(意外と短いんですが・・・)

育休期間に入って新たにやっていることは4つほどあります。

料理

料理はまったくしなかったのですが、さすがに育休期間中なので、週に数回(全部じゃないのかよ・・・)作ってます。

主に情報源としては動画レシピサービスで、ヘビーユースしてるのはDelish Kitchenです。

また、ヘルシオホットクックも使っています。料理と言っても切って突っ込むだけ!簡単。

運動

通勤がなくなり徒歩距離が激減してしまうので、週に2,3回くらいを目処にジョギングしてます。ジムはなかなかいかないので・・・パーソナルトレーニングとかに行こうか悩み中です。

読書

Kindleセールで大量に積ん読してた本を消化するにも育休は役に立ちます。少し長い小説やビジネス書にも挑戦するチャンス!せっかくなので面白かったやつ。

副業

副業については、NewsPicksは会社として副業を認めています。その上で、育児休業中ということで副業することについて調べたのですが、月80時間以内で実施することは可能なようです。

妻も資格取得のために平日日中に出かけることがあり、お互いに時間を融通しながら取り組んでいます。

育休前は業務ではJavaやKotlinを使うことが多かったですが、育児休業中は、TypeScriptでサーバーサイド開発をしたり、SwiftでiOSアプリを少し開発したり、幅を広げた活動ができています。

育休の困った点

あまりデメリットはない育休ですが、唯一あるのはやはりお金の面。

雇用保険から6ヶ月までは2/3、6ヶ月以降は1/2が支給され、社会保険料が免除されるので生活には困らない・・・んですが、支給タイミングが遅いので、最初は貯金を切り崩したり色々とやりくりが必要です。

育休後の働き方について

まだ復帰後のことは全く考えていません(復帰は4月予定です)。ただ、今まで平日の夜のスタンスは「必要とされればいつでも帰宅する(そうでない場合はオフィスに残ってる)」というスタンスだったのですが、育休に入り夕方から夜にかけての目まぐるしい日々を暮らすうちに「(会社で必要とされれば)オフィスに残るけど、基本的には夕方に家にいる」というスタンスにしたいなぁと考えることが増えました。

NewsPicksはリモートワークを活用できることも多いので、今学んだことを活かした働き方を継続していきたいですね。

終わりに

現在、男性の育休取得は社会的な注目度も非常に高い話題になっています。私自身復帰後のキャリアはまだわかりませんし(もし、ハラスメント受けたらここで報告しますね。笑)、育休を取ることのメリット・デメリットを語るには期間が短いかもしれません。

※と、ちょっと復帰後が不安な感じで(ふざけて)書いてしまいましたが、私の所属するユーザベースグループでは、男性で育休を取得し復帰した人が何人もいて業務に復帰しています。育休取得したメンバーや予定しているメンバー同士での情報交換なども行っていて、不安を解消する取り組みを男性同士でも行っています!

それでも、育休を取得したことは良かったです。家族と過ごす時間が増えたことは、人生全体で考えればプラスになると確信しています。また、まだ男性で育休を取得した経験のある人が少ないということは、相対的には貴重な経験が出来ているとも感じます。育休や時短勤務を体験した人が感じる悩みやジレンマを感じるチャンスですね。

是非とも、育休取得に迷う人がいたら、迷ったら挑戦する道を選んでほしいな、と思います。

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