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静かな街

通りを行き交うひとびとは
みななぜか口に蓋をされ、心に錠前をかけられている
魂は浮かび上がることができない
狭いからだに閉じ込められ もう息も絶え絶えだ

あんなにも たくさんの魂が舞い 渦をまいていたというのに
あんなにも 活力 ぬくもり うるおい が充ちていたというのに
いまはただ無味乾燥な空気があるだけ
強力なフィルターでぜんぶ濾してしまったように

空虚な空は不気味に静かだ
川の向こうあたり カラスが一羽 乾いた声でカアと啼いた
その声は キンとした空気を よく響いた
マンションの灯が あたりを無機質に照らしていた

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