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『シンエヴァの感想記録』

目次
【第一章】1回目のシンエヴァ。
【第二章】テレビシリーズ&旧劇場版を観る。
【第三章】2回目のシンエヴァ。
【最終章】終劇。

【第一章】1回目のシンエヴァ。
先日シンエヴァを観てきました。
といってもエヴァについての知識はあまり無く、新劇場版(序、破、Q)を昔観て、うっすら覚えてる程度。
しかし『無知であることは貴重!なぜなら無知には戻れないから!』というマインドで、あえて予習せずに観に行きました。
その結果どうだったかと言うと…『良かった!いいモノ観た!』って感じでした。

正直、「使徒とは?エヴァとは?神とは?」みたいな設定への理解は全然できなかったのですが、普通に楽しめました。
理由は大きく分けて2つ。
「なんだかんだ退屈しなかった」
っていうのと「アニメ映画の“自由さ”を再確認した」っていうのです。
順に説明していきます。

①「なんだかんだ退屈しなかった」
本作のお話の構成は「めちゃくちゃ面白いか」って言われると「別にそれほどでもない」っていう印象でしたが、そういった弱点を上手い具合に画力(えぢから)で補ったなぁと感じました。
(※観賞してから時間が経ってるのでこんなドライな言い方してますが、観賞中は普通にワクワクしてましたよ)

②「アニメ映画の“自由さ”を再確認した」
これは主に終盤の演出についてですね。
全てが終わった後にシンジが浜辺に座ってるところです。
急に作画が完成された絵ではなく原画のようなモノに切り替わります。
少ししたら元に戻るのですが、エンドロールが流れる直前なんかでは実写の風景が使われてたりもします。
それを観た僕の感想は「そうだよなぁ。アニメって…、映画って…、こんなに自由でいいんだよなぁ…」でした。
しかしこの考え「2回目のシンエヴァ」で少し変わります。

【第二章】テレビシリーズ&旧劇場版を観る。
1回目のシンエヴァが思いのほか良かったので2回目を視野に入れます。
もちろん今度は予習してからの再戦です。
テレビシリーズを観る前は「あの難解と名高いエヴァを攻略するにはどれほど時間をかけなければいけないのだろうか…」と若干の憂鬱さを抱いていたのですが、全話観てみると案外そんなこともなく…。
「そもそも世間が解き明かそうと躍起になっているエヴァの“謎”の部分って、そんなに重要なのかな?」
という結論に至りました。

有名漫画『寄生獣』を例に、その理由を説明します。
「寄生獣」という作品はパラサイト(未知の生物)の恐ろしさや戦闘描写が魅力的ですが、話の本筋は「人間について」です。
なので作中ではパラサイト達がどこから来たのか明かされません。
核となるのは、そこじゃないからです。

エヴァにも同じことが言えます。
使徒との戦闘や人類補完計画の行末ではなく「子供と大人とは」「自分の居場所とは」が話の本筋だと僕は考えます。
テレビシリーズの最終話では、神やら人類補完計画やらの説明は(尺の都合で)放棄しますが、「シンジの居場所はここなんだ!」という最低限の回答は導き出しているので、「これで十分じゃないのかなぁ…」と思いました。
「エヴァは意味不明だ!」「迷走した!」「風呂敷を畳みきれてない!」と叫ぶほど、ずさんなモノではないように感じたんです。

【第三章】2回目のシンエヴァ。
予習した上で、もう一度劇場に足を運びます。
過去作を観た僕の目にはシンエヴァがどのように映るのか…。
結果、僕の感想は『1回目より楽しめた!』でした。
ざっくりと3つにまとめたので順に説明していきます。

①「理解できるポイントが増えた」
当たり前ですが、単純に理解が深まりました。
「この演出には、そういう意図があったのね」みたいな感じです。

②「テレビシリーズに対するアンサーだった」
終盤のゲンドウVSシンジやその後の綾波との会話は、おそらくテレビシリーズに対するアンサーなのではないかなと思いました。

③「“あの演出”はファンサービスだった」
1回目の観賞で「アニメ映画って自由だなぁ」と感じた演出は、これまでエヴァを追っかけていたファンに対するサービスだったことに気がつきます。

【最終章】終劇。
おそらく長年、エヴァ完結を追い求めていた人達からすると積もり積もったあらゆる考えや感情が渦巻いてるのだと思います。
超絶ニワカの僕でさえ「そっか、これで終わりなのか…」と寂しさを感じてるので。
今はひとまず余韻に浸っていたいです。

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あ、最後に。
昔書いた演出考察が、今回のシンエヴァにも当てはまると思ったので載せておきます。


【漫画演出考察 #5 】
不滅のあなたへの演出。
別世界や新天地へたどり着いたらその土地の食材や料理を口にすることでそこの住人になる。それは『千と千尋』や『天気の子』などにもで用いられたように伝統的な表現の一つでもある。またどんな食べ物が出てくるかによって環境説明等にも作用する。


物語序盤、シンジと綾波は鈴原家で食事を出されます。
雑炊を口にした綾波は早めに集落に馴染みますが、シンジは数日経ってレイション(カロリーメイトみたいなやつ)を食べるまで、人との関わりを持ちませんでした。

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