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しゃべるピアノ

某音楽器機メーカーの新商品ピアノのネーミング企画会議にて。


「しゃべるピアノ」

主任に秒で没になった。理由はしゃべるに音楽性を感じれないからだそうだ。


「さえずるピアノ」

主任まで通ったが課長で落ちた。理由はさえずるだと音が弱そうだからだそうだ。


「奏でるピアノ」

課長まで通ったが部長で落ちた。理由は『弾く』と一緒だから普通だよねとのことだった。


「メタピアノ」

部長まで通ったが常務で落ちた。理由はそのネーミングは後々トラブルになるかもとのことだった。


「ピアノ4.0」

常務まで通ったが専務で落ちた。理由はスタイリッシュだが特にピアノ自体の性能が上がった訳ではないからという事だった。


「フォルテッシモピアノ」

専務まで通ったが社長で落ちた。理由は躍動感を感じれてプラスだったが昨今の住宅事情だと音量の問題があるという事だった。

社長がふと「『しゃべるピアノ』って新鮮でいい響きだろ」と呟いた。

新商品は「しゃべるピアノ」に決まった。



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