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十三人の合議制_02 千葉純胤の時空移動

純胤は続ける。

「十三人の御家人。それは名を申せば北条時政、北条義時、比企能員、三善康信、三浦義澄、大江広元、安達盛長、足立遠元、中原親能、二階堂行政、梶原景時、八田知家、和田義盛となります」

純胤は十三人の名をまくし立てる様に一気に読み上げた。千葉一族の面々は十秒ほど沈黙が流れたのち、胤盛が口を開いた。

「・・父上の名はないのか」

「そうですね。合議制はいま僕が言った十三人となります」

「頼朝様の挙兵以来、千葉一族がしてきたことを考えれば、加わるのが当然では」

「僕に言われてもねぇ。まあおっしゃる事はわかります。子孫の贔屓目を抜いても十三人もいれば千葉一族は入ってもおかしくないです。とはいえこれは事実です。でも謎がある。いくつもね」

「なぜ頼家を支える体制が十三人というずいぶんと多い人数なのか、この人数としてもなぜこの人選なのか。とう前にですね」

純胤はひと呼吸おいて続けた。

「実は十三人の合議制と同じ時期に頼朝が若手御家人5名を周りに従え、この5名からしか政事を受け付けなかったようです。これを『五人の近習』と呼ばれています。構成は小笠原長経、中野能成、比企なんだっけ。まあ5名です」

「未来ではどっちが先かよくわからないんですよ。頼家に五人の近習を敷かれてしまったので有力御家人が十三人の合議制で対抗したのか、有力御家人が十三人で合議制を敷いたから頼家が五人の近習で抗ったのか。なんかここら辺の動きっぽいことあります?」

純胤は一同に伺うも誰も申すことはなかった。いまはまだ近習のほうの動きもないようだ。それはそれで了解ですと純胤は頷いた。

「では次にいきますね。今回一番の謎である『なぜこの十三人なのか』です」

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