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25歳の誕生日プレゼントがマウスピースだった話

「あなた、マウスピース作った方がいいわよ。」

親父と入れ替わってかつ大学時代まで
タイムスリップしたのかと思った。
(僕の親父は大学時代アメフト部に所属していた。)

福岡で足止めを食らい、
新幹線ではるばる帰宅した直後、
40分先の新幹線で先に帰宅した
母親にいきなり言われたのだ。

どうやら久々に同じ部屋で寝たところ、
僕の歯ぎしりで目が覚めたらしい。

とはいえ翌日から4連勤、
次の休みは誕生日である今日だ。

「早めに行った方がいいよ。」

母親の鶴の一声で僕の25歳の誕生日プレゼントが
決まったわけである。


決して歯医者が苦手な訳では無い。

ありがたいことに歯並びも良く、
虫歯も経験がない。

小さい頃頑固に抜けない乳歯を
引っこ抜きに行ったのと、
中学時代両手がふさがった状態で
足を引っ掛けられて、上下の前歯1本ずつが
欠けたのを補修しに行った以外
歯医者にはお世話になったことがない。
(といっても欠けた歯に樹脂をくっつけている
だけなので、時折補修し直しに行っている。)

とはいえ、だ。

誕生日に歯医者に行く人は
なかなかお目にかかれないだろう。

ましてやマウスピースを作りに行く
なんて聞いたことがない。

10年来お世話になっている
歯医者の先生もびっくりだ。
(もっとも初めて出会った時中学生だった患者が25歳になったという時の流れに驚いているようだったが。)

さて、マウスピースもすぐ完成する訳では無い。

今日はやたら歯磨き粉ミント風味と同じ匂いがする
「何か」で型どりをしたまでである。

受け取りは来週の木曜日。

「保険3割負担で5000円くらいになると思います。」


自分へのプレゼントを諦めた瞬間となった。

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